SIM×デバイス指南

見た目はそのままに中身を一新!! 新しくなったiPad miniをチェック

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 3月30日に、iPadの小型版ともいえる「iPad mini」が発売になりました。ディスプレイサイズは7.9インチ。価格はWi-Fi版で4万5800円からと、リーズナブルです。一方で、デザインは1世代前の「iPad mini 4」とほとんど変わらないようにも見えます。では、旧世代のiPad miniとは何が違うのか。ここでは、その切り口で新しいiPad miniを紹介していきます。

3月30日に発売になったiPad mini

Apple Pencil対応で、ディスプレイも大幅に進化

 デザインは踏襲したiPad miniですが、先代との大きな違いは、やはりApple Pencileへの対応にあります。残念ながら、対応しているApple Pencilは昨年発売された第2世代ではなく、後端のキャップを外して充電するタイプの第1世代ですが、書き味はそん色ありません。実際に文字などを書いてみましたが、体感レベルでは遅延がまったくなく、まるでアナログのペンを使っているかのようです。

 これまでもApple Pencilに対応したiPadやiPad Proはありましたが、それらのiPadとの大きな違いは、やはりサイズ感にあります。ディスプレイサイズが7.9インチで、横幅も134.8mmと、タブレットとしてはコンパクト。さすがにスマホと比べると大ぶりではありますが、手の大きな男性であれば、ギリギリ片手で握って持てるサイズといえます。

本体は片手でギュッと握れるほどのコンパクトさ

 そのため、立ちながらiPad miniを片手で持ち、もう一方の手でApple Pencilを使って文字を書くことが、他のiPadよりも簡単にできます。これまでのiPadがノートなのに対し、iPad miniはよりコンパクトなメモ帳に近い感覚でApple Pencilを使えるのです。同じApple Pencilですが、本体サイズが違うだけで、用途も変わってくるというわけです。

Apple Pencil対応で、メモ書きにも重宝しそう

 デザインは同じですが、よくよく見ると、ディスプレイの品質も高くなっていることが分かります。iPad miniには、シリーズで初となるフルラミネーションディスプレイが採用されており、ディスプレイのガラスと液晶の表示部分が非常に近くなっています。画面に表示された映像そのものを触っているような感覚になるため、操作がしやすいだけでなく、Apple Pencilで文字を書くときにリアルさが増しています。

ディスプレイはガラスと表示部分のギャップがない

 ディスプレイはTrue Toneにも対応しており、周囲の光に合わせて色温度を自動で変えることもできます。サイズは同じですが、ディスプレイのスペックは大きく向上しているのです。先代のiPad mini 4が登場してから、約3年半ぶりの新機種なだけに、ディスプレイだけを取っても、さまざまな点が進化していることが分かります。比べてみると、その違いは歴然です。

環境光に色味を合わせるTrue Toneにも対応

パフォーマンスはiPhone XS、XRクラス

 これは、タブレットの心臓部でもあるチップセットにも同じことが言えます。iPad miniに搭載されているチップは、iPhone XS、XS Max、XRと同じ「A12 Bionic」。パフォーマンスの高さでは、トップクラスのスマホと同等ということになります。A12 Bionicには、機械学習の処理を専用に行うニューラルエンジンも搭載されているため、AIを駆使した高度なアプリもスムーズに動きます。

 実際、どの程度の性能なのかを、ベンチマークアプリの「Geekbench 4」で測定してみました。結果は以下のとおり。コア1つあたりの性能を示すシングルコアスコアは「4805」、複数コアを同時に動かした際の性能を示すマルチコアスコアは「1万1406」と、非常に高い数値を記録しました。

ベンチマークアプリでも、高いスコアを記録

 ちなみに、iPhone XRで測定したGeekbenchのスコアは、ほぼ同程度。シングルスコアが「4820」、マルチコアスコアが「1万1319」になりました。セルラー機能の有無や、電話の有無、ディスプレイの違いなどがあり、一概には比較できませんが、このパフォーマンスの端末が4万5800円からというのは非常にお得。iPhoneの場合、もっとも安いiPhone XRでも8万4800円からになるため、文字通り、iPad miniはコストパフォーマンスが高い端末といえます。

画像はiPhone XRのスコア。iPad miniとほぼ同等のスコアだった

 パフォーマンスを要求されるアプリも、スムーズに動きました。たとえば、Adobeの現像アプリ「Lightroom CC」は、写真の処理から書き出しまでとにかくスムーズ。デジカメで撮った写真を読み込んでサッと処理するというときにも、コンパクトなボディのiPad miniが役立ちそうです。ARを使ったシミュレーションアプリの「WWF Free Rivers」も、引っかかることなく、スムーズに動きました。本体が軽いため、ARアプリを楽しむのにも、適した端末といえそうです。

パフォーマンスを求められるアプリも、スムーズに動いた

通信周りも最新に、eSIM対応で海外通信のコストもダウン

 格安SIM周りで気になるのが通信機能ですが、新しいiPad miniは、ギガビットクラスのLTEに対応しており、LTEの対応周波数も幅広くなっています。ドコモ、au、ソフトバンクの主要バンドはほとんど網羅しているため、どのSIMカードを挿しても安心して利用できそうです。試しに、ワイモバイルのSIMカードでスピードテストしてみましたが、夕方17時前の渋谷でも快適に通信できました。

LTEは高速で、対応バンドも広い

 iPad miniは、セルラー対応版を選ぶと、Wi-Fi版より1万5000円高くなりますが、気軽にいつでも使えることを考えると、それだけの代金を支払う価値はありそうです。通信コストは格安SIMのデータプランを使えば抑えることができるので、アップルから直接購入するSIMフリー版を選択してもいいでしょう。外出先でWi-Fiスポットを探したり、テザリングの設定をしたりする手間がなくなるため、iPad miniの力を引き出すのであれば、セルラー版がオススメです。

 さらに、iPad miniはeSIMにも対応しました。iPhone XS、XS Max、XRのように、キャリアから発行されたQRコードを読み取る方法のほか、以前のiPad ProやiPadと同様、Apple SIMのメニューからキャリアを設定することもできます。日本のキャリアでは、auとソフトバンクが対応。1GBが1500円と、格安SIMの水準よりは割高になりますが、プリペイドのため、使いたいときだけ契約できるのはメリットといえます。

Apple SIMと同じメニューが表示される。auとソフトバンクは、1GBで1500円

 このメニューにはないキャリアも、QRコードがあれば設定が可能。3香港のように、海外で使える割安なローミングプランを提供しているキャリアも利用できます。今年はゴールデンウィークが10連休と長く、海外に旅行に出る人も多いでしょう。そのようなときにも、eSIMが使えるので安心。軽量なため、ルーター代わりにカバンの中に放り込んでおいても、それほど荷物にならないのもiPad miniの利点です。

QRコードを読み込んで、eSIMを設定することもできる

 このように、見た目以上に進化しているiPad miniですが、QiのワイヤレスチャージやFace IDには対応していません。また、Apple Pencilを購入すると、プラス1万800円ほどのコストアップになり、セルラー版だと少々値段が高くなってくるのがネックといえそうです。とはいえ、3年半ぶりのiPad miniということで、待ち望んでいた人も少なくないでしょう。性能も高く、長く使えるため、買って損はない端末といえそうです。

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石野純也
ケータイジャーナリスト。通信業界を中心に取材し、幅広い媒体で原稿を執筆している。国内はもちろん、海外の通信、スマホ事情にも詳しい。