SIM×デバイス指南

日本市場に向けた「6の約束」を発表したOPPO、10倍ズームや5Gスマホも披露

Pocket

中国メーカーのOPPOが日本市場に上陸してから、1年が経ちました。その間、同社は矢継ぎ早に端末を発売。フラッグシップモデルの「Find X」を導入したり、「R15 Pro」を日本市場専用モデルとしておサイフケータイに対応させたりと、存在感を見せつけてきました。

OPPOの10倍ハイブリッドズーム搭載スマホ

「6つの約束」で日本市場での展開を加速、10倍ズームスマホも投入

とはいえ、まだ1年しか経っていないのも事実で、OPPOとしても日本がどのような市場かを探っていたようです。OPPO Japanの代表取締役社長、トウ・ウシン氏も、「日本市場はほかの国と違っていると気づき始めた。コミュニケーションの方法やブランドとの関わり方、消費の習慣や求めるレベルも非常に高い」といいます。「グローバルでの方法を日本にそのまま持ってきてもダメだと感じている」というのはそのためです。

約1年で7機種と幅広いバリエーションの製品を発売してきた

 一方で、日本市場もさまざまな理由で変化しています。4月以降にはドコモが分離プランを導入しますが、auやソフトバンクも料金面で追随する可能性があり、端末の売れ筋が変化するといわれています。また、あくまでプレ商用サービスですが、5Gのサービスも9月には始まります。さらに、10月には楽天が新規キャリアとして市場に参入します。

 こうした状況のもと、OPPOが2019年に取る戦術は、ユーザーにとって「より身近になる」というものです。ユーザーにとって、親しみやすいメーカーになるとともに、製品の投入も加速させていく方針。さらに、トウ社長は6つの約束を掲げました。その約束とは以下のものです。

「より身近なOPPO」を掲げ、日本市場への浸透を加速させる

 製品に関するものは3つあり、1つ目が、ハイブリッド10倍ズーム対応スマホを日本で発売するというもの。OPPOはMWCでペリスコープ(潜望鏡)構造のレンズを搭載した10倍ズーム対応スマホの試作機を発表しましたが、この製品版は日本でも発売するといいます。

望遠レンズを搭載し、800万画素で10倍相当のズームを実現

 この約束に合わせ、OPPOは10倍ハイブリッドズーム対応の試作機を日本でも披露しました。このズームは、16mm相当のワイドカメラと、26mm相当の標準カメラ、さらに8.1倍相当の望遠レンズを組み合わせて実現しています。間はデジタルズームでつなぐ方式。800万画素で、きわめて画質の劣化が少ないズームができるのが特徴です。

10倍ハイブリッドズームスマホは、日本でも発売する予定だ

おサイフケータイ対応モデルにも後継機が!

 2つ目の製品に対する約束が、「FeliCaおよび防水に対応したスマホを発売する」というものです。R15 Proですでに実現していることではありますが、OPPOとしては、日本市場に継続しておサイフケータイ対応モデルを発売していく意向を示したことになります。そして、3つ目の約束は。「Reno」と呼ばれる新シリーズを日本に投入するというものです。

FeliCa搭載スマホの後継機も用意しているという
間もなく発表される新ブランドの「Reno」も、日本で発売される

Renoの詳細は不明ですが、OPPOが立ち上げる新ブランドとのことで、関係者によると、ミドルレンジのブランディングを整理、強化する目的があるといいます。フラッグシップのFindシリーズに対し、ミドルレンジはRシリーズとして製品を展開していますが、数字や「Pro」「Neo」などの文字の組み合わせが少々複雑なのも事実。Renoを立ち上げることで、ここを分かりやすくする狙いがありそうです。

 上記3つは製品に関する約束ですが、話を聞く限り、昨年同様、2019年も新製品が多数登場する可能性は高そうです。一方で、単に新製品を投入するだけでなく、ユーザーとのコミュニケーションも、「より日本に適した方法でしていく」といいます。また、アフターサービスも強化。販路の拡大も狙っているといいます。

ユーザーとのコミュニケーションや、サポート、販路も強化していく方針

5Gへの取り組みや10倍ハイブリッドズームも解説

日本市場での取り組みに加え、OPPOは、5Gへの取り組みや、10倍ハイブリッドズームの技術を解説しています。いずれも、MWCで発表されたものではありますが、責任者が来日し、日本で改めて発表会を行ったのは、OPPOとしてこの分野に力を入れている証拠といえるでしょう。

 5Gに関しては、OPPOはメーカーとして、先頭集団の1人であるといいます。同社の標準化リサーチ担当ディレクターのヘンリー・タン氏によると、「5Gの可能性をいち早く探るため、2015年に標準化チームを結成した」といいます。以降、OPPOは標準化団体の3GPPに対し、2000以上のドキュメントを提供。「技術的な側面で、大きな影響力を持つスマホメーカーの1社になった」(タン氏)といいます。

2015年に5Gの標準化チームを発足
同社初の5Gスマホも披露された

 MWCでは、複数キャリアからOPPOの5Gスマホが発売されることが明かされているほか、基地局ベンダーのエリクソンと共同で、クラウドゲームのデモを披露していました。残念ながら、サムスンや小米のように、実際に発売される製品を発表できているわけではありませんが、2019年中の発売は期待ができそうです。

 もう1つの10倍ハイブリッドズームは、MWCで「10倍ロスレスズーム」と呼ばれていたもの。16mmから160mmまでの範囲をカバーするズームの仕組みで、800画素相当で劣化のほぼないズームを可能にしています。これを可能にしたのが、上記のような広角カメラと標準カメラ、望遠カメラの組み合わせ。1倍、1.7倍、8.1倍でカメラが切り替わり、その間と10倍までは、切り出しのデジタルズームでつなぐ格好です。

16mmから160mmまでをカバーするスマホカメラを開発

標準レンズのカバー範囲が広くなっていますが、ここには4800万画素のセンサーを使い、切り出せる領域を広くしています。レンズの切り出しと、デジタルズームを組み合わせて、最大10倍までのズームを可能にしたというわけです。このカメラは現状だとあくまで試作機という位置づけですが、製品は第2四半期に投入予定。先に挙げた約束のとおり、日本でも発売されるということで、製品投入時には話題を集めそうです。

4800万画素のメインカメラや、ペリスコープ構造を採用した望遠レンズで10倍―ズムを実現した

 日本上陸から2年目を迎えたOPPOですが、そのコストパフォーマンスの高さが評価され、SIMフリー市場でもシェアは徐々に上がっています。技術力も高いだけに、今後も注目の1社であることは間違いないでしょう。

Pocket

石野純也
ケータイジャーナリスト。通信業界を中心に取材し、幅広い媒体で原稿を執筆している。国内はもちろん、海外の通信、スマホ事情にも詳しい。