SIM入門

MVNOはマルチキャリア時代へ。ドコモ・au・ソフトバンクの回線元の違いを確認しよう

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選べるようになって嬉しい反面、悩みもきっと。

最近、MVNOではマルチキャリア対応が増えてきました。例えばIIJmioではプランと共に回線元としてドコモとauが選べます。他にも、LINEモバイルではドコモ回線とソフトバンク回線が、mineoではドコモ、au、ソフトバンクの3回線から選択可能です。

現在メジャーなMVNO(MVNE)だと、原稿執筆時では以下のようになっています。

ドコモ、au、ソフトバンクのトリプルキャリアはmineoとQTモバイルが対応。その他はドコモとau、もしくはドコモとソフトバンクといった組み合わせとなっています。

こうしてさまざまな回線元を選べる現状は選択肢が広がったとも言えますが、その分複雑で選びにくくなったとも言えます。実際にどの回線を選んでいいの? と迷ってしまいますよね。そこで、これから格安SIMを始めるのに、「ドコモ回線」と「au回線」「ソフトバンク回線」の違いを知っておきましょう。


各回線の違いー対応エリアー
→都市部ではほぼ変わらない

まず大事な対応エリアですが、対応エリアはズバリ言えば、日常使いではほぼ同じだと言えます。ただし、ドコモ回線とソフトバンク回線では3Gエリアもカバーしているのに対して、au回線では4Gエリアのみとなるので、山間部などでは若干……ですが、ドコモ回線やソフトバンク回線のほうが有利。

一例として、エリアを比較するとこのようになります。人口が集中している場所ではどちらも問題なくカバーされていますが、山間部ではほんの少しドコモとソフトバンクが有利ですね。

日本全国で見ると、やはりドコモが安定しているという声が多いので、アウトドア・キャンプ・登山などを楽しみたい場合は、こうしたエリアの違いも考慮すると良いでしょう。


ドコモ対応エリア

https://www.nttdocomo.co.jp/support/area/

au対応エリア

https://www.au.com/mobile/area/?bid=we-we-sn-0004

ソフトバンク対応エリア

https://www.softbank.jp/mobile/network/area/map/

各回線の違いー速度ー
→MVNOによって異なるが大きな差は無い

続いて通信速度です。かつてはau回線が比較的空いていて速度が出やすいと言われた時代もありましたが、実際の所MVONによってまちまちです。たとえば僕が使っているIIJmioの場合ですとドコモ回線、au回線でほぼ差はありませんでした。

(IIJmioの例ー左:ドコモ回線 / 右:au回線)

同時刻で通信速度を計測してみた結果がこちら。時間帯や場所によりけりですが、この時はドコモ回線が勝利。ただし、ドコモ回線が速い場合もあればau回線が速い場合もあり、IIJmioでは平均すればあまり差は無く、混雑する時間帯はどちらも速度の低下も見られるというのが体感上の結論です。

一方でソフトバンク回線は? というと、かつては利用者も少なく良い数字を出していましたが、現在では大きな差ではなくなっており、ドコモ・au回線と決定的な差は出にくくなっている印象です。(参考:モバレコによる2019年1月第4週調査

各回線の違いー対応端末ー
→対応端末はドコモが多く制限も少なめ

ドコモ、au、ソフトバンクで利用している周波数帯が違うため、SIMフリースマホでも回線を問わず使えるわけではありません。

これはトリプルキャリア対応のmineoのセット端末の例。

左上のアイコンが対応回線を示していますが、SIMフリースマホでも対応Band(周波数帯)が違うので、こうして対応はまちまちです。そのうえで言うと、全体的に見ると対応端末はドコモ回線が1回り多めです

また、ドコモ回線のSIMは、iPhone・Android共に端末のSIMロックを解除せずともドコモが販売しているスマホで利用できるのに対し、au回線のSIMはau販売端末であってもSIMロック解除が必要になる場合があります。ソフトバンク回線のSIMも利用できる端末の制限があり、Androidへの公式対応は少なめです。

「せっかく買ったのに使えなかった」「昔の端末を蘇らせると思ったのに使えなかった」……ということになると悲しいので、乗り換えを狙っているMVNOの対応端末をしっかりと調べておきましょう。

MVNO(MVNE)
動作確認済端末チェックページ
IIJmio https://www.iijmio.jp/hdd/devices/
BIGLOBEモバイル https://join.biglobe.ne.jp/mobile/device/compatibility.html
LINEモバイル http://mobile.nuro.jp/support/device/
mineo https://mineo.jp/device/devicelist/
nuroモバイル http://mobile.nuro.jp/support/device/
U-mobile https://umobile.jp/support/devices/d/
QTモバイル https://www.qtmobile.jp/terminal/
イオンモバイル
https://aeonmobile.jp/devicelist/
楽天モバイル https://mobile.rakuten.co.jp/device/

なお、iPhoneではかつてau回線のSIMカードではテザリングできないという弱点がありましたが、現在では多くのMVNOで克服されています。

IIJmio、au回線でのiPhoneのテザリングに対応!早速試してみた! : 押忍! SIM道場

これでau回線も気軽に選べる! ってわけですね。本当に嬉しい! 人気のMVNOであるIIJmioでは、「タイプD(ドコモ回線)」と「タイプA(au回線)」という2種類の回線元を選ぶことができたのですが、これまではタイプDが鉄板と言われていたのです。 その理由はやはり利便性の

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格安SIMでもVoLTEで通話できるの? というのは確かに疑問のひとつ。これに関してはどの回線もVoLTE対応端末であれば、格安SIMでもVoLTEでの通話に対応しています(データ通信専用SIMを除く)。

ただし、最近はLINEの無料通話や、FaceTimeといった無料の通話サービスも増えていますので、VoLTEの高音質通話は判断基準として考えなくても良いでしょう。

各回線の違いー料金ー
→プランによってはau回線の方が安くソフトバンク回線は割高

料金プランは同じように思えて若干の差があります。まず基本プランの価格ですが、格安SIMの老舗IIJmioですと以下のような違いがあります。

タイプA(au回線)にはデータ通信のみのSIMカードは存在せず、「データ通信+SMS機能付きSIM」と「音声通話付きSIM」からの選択となります。そのかわり、SMS付きでもタイプDのデータ通信SIMと同じ価格に設定されているのがポイントです。つまり、「データ通信+SMS機能付きSIM」を契約したい場合は、タイプAの方が毎月140円お得になるという構図です。

続いてトリプルキャリア対応のmineoの料金を見てみましょう。ちょっと長くなるので3分割でチェックしていきます。

1.データ通信SIMの料金比較

2.データ通信+SMSの付きSIMの料金比較

mineoもau回線(Aプラン)はSMSが無料で付帯しているので、データ通信SIMとSMS付きSIMの月額料金は変わりません。ドコモ回線(Dプラン)では月額120円、ソフトバンク回線(Sプラン)では月額180円かかるので、その分だけお得になります。

3.音声通話付きSIMの料金比較

この価格的な優位性は、音声通話付きSIMになっても同じ。3回線で比べるとau回線(Aプラン)が最も安くなっています。一方で、ソフトバンク回線(Sプラン)は全体的に他のプランと比べても割高です

このソフトバンク回線がやや割高なのはmineoだけでなく、同じくソフトバンク回線を取り扱うQTモバイルやnuroモバイルなどでも同様です。今回挙げた中では唯一、LINEモバイルのみソフトバンク回線を選んでも料金が変わりません

ドコモ回線とau回線とソフトバンク回線、結局どれがいいの?

さて、ドコモ回線とau回線、ソフトバンク回線の違いを調査してきましたが、結局どれがいいの? ということになりますよね。以下ケース別に分けてみました。

●ドコモ回線が向いている人
1.ドコモのスマホやSIMロックフリースマホで利用したい人
2.少しでもエリアが広い方がいい人
3.多くの候補から端末を選んで購入した人

●au回線が向いている人
1.auのSIMロック解除済みスマホ(もしくはSIMフリースマホ)で利用したい人
2.SMS機能が付帯したSIMカードを安く維持したい人

●ソフトバンク回線が向いている人
1.ソフトバンクのiPhoneやスマホを流用したい人
2.比較的空いている回線を選びたい人

ざっくり分けるとこうなると思います。やはり、全体的なバランスとしては利用可能な端末が多いドコモ回線がビギナーには無難です。

一方で、au回線のSMS月額料金が無料というのもなかなかに魅力的。SMSはLINEのユーザー登録をはじめ、2段階認証などでも利用されるので、有ったほうが何かと便利です。そうした音声通話なしのサブデータ回線・サブアカウント用のSIMカードを安価に維持したい場合は、利用できる端末があればという条件付きでau回線の「データ通信+SMS機能付きSIM」が狙い目になります。

ソフトバンク回線は……料金が割高なMVNOもあるので、現状だと通好みですね。ただし、ソフトバンクで購入したiPhoneでも、SIMロックを解除せずに転用できるというメリットがあるので、ずっとソフトバンクだったけど、そろそろ格安SIMに変えたい! といった人は選択肢のひとつとしてチェックしておきましょう。
 

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