SIM×デバイス指南

CESに出展! 世界初の折りたたみディスプレイ搭載スマホをチェック

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今年も、米ラスベガスで開催されたCESを取材してきました。2月にモバイルの祭典ともいえるMWCを控えていることもあり、残念ながら大手メーカーからスマホの新製品の発表はありませんでしたが、市場規模の大きい米国で実機を展示できることもあって、さまざまな端末が披露されていました。中でも注目度が高かったのは、中国メーカーのRoyoleが開発した、「FlexPai」です。P1080485

ディスプレイそのものを折りたためる驚きの仕様

このスマホは、ディスプレイそのものを折りたためるのが最大の特徴。折りたたみスマホというと、ドコモとZTEが共同で開発した「M」があり、こちらはCESが開催された米国でも発売されました。ただし、こちらは2枚のディスプレイを中央部分でつなげる仕組みで、折りたたみを実現していました。FlexPaiは、これとは異なり、ディスプレイそのものが折りたたむことができます。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

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中央に継ぎ目がなく、ディスプレイそのものがグニャっと曲がる

これができるのは、有機ELの素材にプラスチックを採用しているためで、Royoleはディスプレイメーカーとして研究開発に力を入れています。メリットとしては、開いたときに、中央部分に継ぎ目がなくなることが挙げられます。最大サイズは7.8インチで、小型のタブレットとほぼ同等。中央に継ぎ目がないため、視覚の邪魔になるものがなく、まさに1台のタブレットとして利用できます。

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折れ曲がる有機ELを採用。Royoleは、ディスプレイの研究開発に力を入れるメーカーだ

逆に、弱点といえるのが折りたたんだときの形状といえます。FlexPaiは折りたたむ部分が、やや山なりになるため、どうしても左右で厚みが不均一になってしまいます。そのため、ピタッとくっついたディスプレイの端を持たないと、どうしても使い勝手が悪くなってしまいます。ヒンジを中央に設けたMのような2画面端末の場合、均等に折り曲げることができるので、この点はFlexPaiの弱みといえるかもしれません。
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折りたたむと左右の厚みが不均一になるのは弱点といえる

折りたためる仕組みで、用途も広がる

ソフトウェアも、折りたたみに最適化されていました。たとえば、以下はスケジューラーですが、折りたたむと縦長に、開くと横長になります。設定画面もご覧のとおりで、左右に2ペイン表示され、あたかもタブレットのように利用できます。

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内蔵アプリのレイアウトは、サイズに合わせてきちんと切り替わる

折りたたむと、前後両方にディスプレイが配置されますが、FlexPaiは、そのどちらも利用できます。ただし、ベゼルの厚みが異なっているため、表と裏で、アスペクト比が異なってきます。縦長で使いたいときはカメラのある側を表に、そうでないときはベゼルの細い方を表にして使えばいいというわけです。

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カメラがある面を表にすると、ディスプレイが縦長になる

折りたたみ可能なため、カメラもアウトカメラのみです。カメラ側を裏にして起動するとアウトカメラに、逆側で起動するとインカメラになるといった具合で、通常の撮影も自撮りも、同じカメラで撮影できます。ちなみに、画素数はデュアルカメラで、20メガピクセルと16メガピクセル。2眼カメラを生かしたポートレートモードにも対応しています。

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折りたたんでカメラを使う。反対にするだけで自撮りも可能だ

ディスプレイを半分折りたたんだままでも使えるため、スタンドいらずなのも評価できるポイント。スマホでもタブレットでも、机の上に置いたまま動画を見ようとすると、スタンドになるケースが必要になりますが、この端末なら、少し折り曲げて立てかければOK。折りたためることで、利用シーンが広がっている印象を受けました。

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スタンドなどが不要で、机に立てかけて動画などを見ることができる

どことなく未完成感もあるが、他メーカーの追従にも期待

夢のような折りたたみスマホですが、ソフトウェアの動きを見ると、やや不安定なところも。折りたためるヒンジ部分の処理もあまりキレイではなく、トータルではやや試作機感がただよっていたのも事実です。今現在店頭に並んでいるスマホのように、気軽に買ってすぐにメイン端末になるかといえば、そうではありません。

価格も米国では1318ドル(約14万3000円)と、他社のフラッグシップモデルに匹敵するか、それを上回る金額。この完成度では、なかなか気軽に払えません。米国では、あくまで開発者用の端末として販売されていることも、それを物語っています。

ただ、折りたたみスマホがインパクトだけを狙ったキワモノかというと、必ずしもそうではありません。同じ折り曲げられる有機ELを採用した端末は、サムスン電子が開発者向けイベントで試作機を披露しており、製品化も目前と言われています。2月20日には米サンフランシスコで発表会が開催されますが、ここで新製品として登場する可能性が高まっています。

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サムスン電子は、2月20日に新製品の発表を行う

中国メーカー各社も折りたたみに取り組んでいると言われており、今後、続々とこうした端末が登場しても不思議ではありません。その背景には、5Gがあります。通信方式が5Gになると、より大容量のデータを受信できるようになるため、その受け皿として大画面スマホが求められるようになります。とはいえ、スマホのサイズにも限界があります。それを突破するためのギミックとして、折りたたみが期待されているのです。

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CESでは、5G対応スマホもわずかだが出展されていた。写真はクアルコムのリファレンスモデル

すでに米国では、AT&TやVerizonといったキャリアが5Gをスタートさせており、2019年にはこれに対応したスマホも登場する予定です。欧州でも一部では2019年に5Gが開始予定。ここ日本でも、5Gは2020年の東京五輪を前に、商用サービスが始まります。こうした通信環境の変化を受け、スマホの形が徐々に変わろうとしているのです。Royoleの端末は、その先駆けといえるでしょう。いち製品としてというより、スマホの進化の道筋を示す端末として注目なのです。

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