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ソフトバンクの格安SIMがVoLTE対応を開始、その実力は?

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ソフトバンクから回線を借りる格安SIM各社が、続々とVoLTEに対応しています。VoLTEとは、高速通信規格のLTE上で音声をやり取りする技術のことで、Voice over LTEの略称。3Gを使った音声通話と比べ、発着信がスピーディなだけでなく、音声そのものもクリアになっているのが特徴です。ここでは、LINEモバイルのSIMカードで、実際にVoLTEを試してみました。

そもそもVoLTEとは? なぜ非対応だった?

VoLTEとは、LTE上でデータとして音声をやり取りする技術のことを指します。データ通信を使った音声通話というと、IP電話と同じようにも思えるかもしれませんが、VoLTEはキャリアの音声通話品質を満たすため、無線レベルできちんと制御が入っているのが大きな違いです。

IP電話だと、いわゆる“パケ詰まり”を起こしてデータ通信が途切れてしまうようなときは、一緒に利用できなくなってしまいますが、VoLTEは専用の帯域が確保されているため、その影響を受けません。満員の地下鉄に乗った際に、データが使えないにも関わらず、電話が着信したという経験がある方もいるかもしれませんが、そこにはこのような背景があります。

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IP電話とは異なり、音声用に専用の帯域が確保されている

格安SIMの場合、音声通話部分は大手キャリアから卸としてそのまま借りているため、パケット交換機を自ら持って制御するデータ通信とは異なり、基本的には端末やSIMカードが対応していれば、そのまま利用することができました。ドコモの格安SIMは当初からVoLTEに対応。auも、VoLTE対応SIMを利用した場合、格安SIMでもVoLTEが利用できました。

一方で、ソフトバンクは、当初VoLTEを格安SIMに開放していませんでした。自社が直接提供するワイモバイルは例外ですが、ソフトバンクから回線を借りるMVNOは、VoLTEが利用できず、通話時には3Gに回線を切り替えていました。この3Gに回線を切り替える仕組みのことを、「CSフォールバック」と呼びますが、接続に時間がかかったり、音声通話の品質が十分でなかったりするのがネックになります。

そのソフトバンクの格安SIMが、12月に入ってからVoLTEに対応したようです。今回、テストに使ったLINEモバイルはもちろん、mineoや日本通信など、ソフトバンクから回線を借りる格安SIMが続々と対応を表明しています。おそらく、ソフトバンク側が格安SIMに対し、VoLTEを開放したものと思われます。これによって、各格安SIMでVoLTEが利用できるようになりました。

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11月下旬から、ソフトバンクの格安SIM各社が一斉にVoLTE対応を始めた

基本は自動適用だが端末側で設定が必要なことも

では、VoLTEを利用するには、どうすればいいのでしょうか。ネットワーク側は自動で適用されるため、特に申し込みなどの必要はありません。LINEモバイルの場合、11月29日以降に新規申し込みした場合は、VoLTEに対応した状態でSIMカードが渡されるとのこと。既存のユーザーは切り替えを徐々に行っており、1カ月程度で全ユーザーに浸透していくといいます。そのため、本稿掲載時点では、ほぼすべてのユーザーが対応していることになります。

ただし、端末によっては設定が必要なことがあります。iPhone、Androidともに、設定でVoLTEのオン・オフを変更できるからです。試しに、Mate 10 Proの設定をチェックしてみたところ、「設定」の「無線とネットワーク」の中にある「モバイルネットワーク」で、「VoLTE通話」のオン・オフを制御するスイッチが見つかりました。これをオンにすると、端末のキャリア名の隣に「HD」がつき、VoLTEがオンになったことが分かります。

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SIMの交換は不要だが、設定が必要な場合も

iPhoneも場合も同様で、「設定」の「モバイル通信」にある「モバイル通信プラン」で、「LTE回線を使用」の設定を変更する必要があります。ここを「データ通信のみ」から「音声通話とデータ」に変更すれば、VoLTEが利用できるようになります。ただし、iPhoneの場合、VoLTE対応の可否は、Androidのようにアイコンでは分かりません。音声通話時に3Gへ切り替わらないかどうかをチェックしてみるといいでしょう。

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iPhoneではVoLTEという固有名詞は出てこない。LTEを音声通話に使う設定を行う

また、SIMロックが解除されたドコモのAndroid端末でドコモ以外のVoLTEを利用する場合、一部で隠しAPNの設定が必要になるケースがあります。この場合、APNの名前とAPNそのもの、APNタイプを「ims」に、APNプロトコルを「IPv4v6」に設定してみてください。

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一部のドコモ端末では、隠しAPNの設定が必要になることも

実際に音質はどう?発信のスピードは?

では、実際にVoLTEで通話すると、音質はどの程度クリアになっているのでしょうか。言葉で説明するのは難しいのですが、3Gだとやや曇ったような声で聞こえるのに対し、VoLTEは雑音のようなものがなく、すっきりとした印象。「7」(しち)と「1」(いち)のように、聞き間違えやすそうな音もしっかり判別できるため、数字などの細かなことを伝えたいときにはうってつけと言えます。

また、電話が発信されるまでの速度も速くなりました。3GにCSフォールバックしていた場合、相手側が着信するまでに7〜8秒かかっていたのに対し、VoLTEでは5秒ほどで通話がつながりました。2倍速いとまではいきませんでしたが、電話が鳴るのが高速になることは確かです。

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音声がクリアで、発信も速かった

3Gにフォールバックしてしまうと、通話しながらのデータ通信も3Gになってしまうため、調べものをするときなどに時間がかかってしまいますが、VoLTEではその心配もありません。LTEがつながりっぱなしになるため、ネットを開いて細かなデータを見ながら通話するといったことも可能になります。

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通話しながらのデータ通信もLTEになるため、高速だ

ちなみに、以前は、同一キャリア同士の通話でしかVoLTEが高音質になりませんでした。これは、キャリアとキャリアをつなぐPOI(Point Of Interface)が以前のままで、VoLTEに対応していなかったためです。2018年にはこの相互接続が始まり、徐々にキャリアをまたいだVoLTEが広がっています。利用料は特にかからず、デメリットもないため、ソフトバンクの格安SIMユーザーはこの機会に設定を見直してみることをオススメします。

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