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5GBでわずか1100円!新iPad ProのApple SIMを米国で試した

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 iPhone XS、XS Max、XRに続き、eSIMが搭載された11インチと12.9インチのiPad Proですが、厳密にいうと、利用できるのはeSIMだけではありません。従来のiPadと同様、Apple SIMも残されており、日本ではauやソフトバンクのプリペイドプランを契約できます。ただ、このメリットがもっとも生きてくるのが、海外に渡航したとき。特に北米では、料金を非常に安く抑えることができます。ここでは、その方法を紹介していきます。

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空港についてすぐに契約できるのがApple SIMのメリット

 iPhoneに搭載されたeSIMは、QRコードを読み込んだり、アプリを使ったりすることで簡単にアクティベーションできますが、1つだけ面倒な点があります。それは、アクティベーションに通信環境が必要だということです。eSIMは、デュアルSIMを前提で使われるため、国内にいるときには問題ありませんが、厄介なのは海外渡航時。現地で通信を開始しようとすると、Wi-Fiなど、別のネット環境が必要になります。

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eSIM搭載とうたわれたiPad Proだが、実際にはApple SIMも利用できる

 iPad Proに搭載されたeSIMは、Apple SIMが統合されているため、このような心配がありません。現地につき、「設定」アプリの中から「モバイルデータ通信」へと進み、「モバイル通信プラン」の中にある「新規プランを追加」をタップします。この操作をするだけで、特にネットがない場所でも、自動的に通信が始まり、その国や地域に対応したキャリア名が表示されます。

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「設定」の「モバイルデータ通信」を開き、「新規プランを追加」をタップする

 つまり、別の通信契約がなくてもOKということ。使いたいと思ったタイミングで、いつでも、簡単に契約できるのがApple SIMのメリットといえます。海外渡航の際には、飛行機が着陸して、電波を出すことが可能になったらすぐにApple SIMの契約ができるようになるというわけです(実際には、降りるまでの間に契約が終わらない可能性も高いですが……)。

アメリカではわずか10ドルで5GBも使えるプランが!

 筆者は、今回、出張で訪れた米国でこのApple SIMを使ってみました。米国では、わずか10ドル(約1134円)で5GBもデータ容量がつくプランもあるため、セルラー版のiPadを持っている人は、これを使わない手はありません。このプランを提供しているのは、飛ぶ鳥落とす勢いでソフトバンク傘下のSprintを抜き、3位に躍り出たT-Mobile。同社は、Apple SIM用の特別プランとして、このプランを用意しています。

 通常、T-Mobileの料金は、データプランの場合、10ドルだとわずか1GBしか利用できません。Apple SIMの特別プランは、使えるデータ容量が5倍になるということで、かなりのお得感があります。ドコモやauは、24時間980円の国際ローミングサービスを提供していますが、その1日分プラスαの金額で、5GB使えるようになるのは魅力的。テザリングも利用できるため、渡航中、iPad ProをWi-Fiルーター代わりに利用できるのも便利です。

 現地についたあと、早速上記の設定アプリから、「新規プランを追加」をタップしてみました。すると、日本とは異なり、米国キャリアのAT&T、Sprint、T-Mobileの3社が表示されます。ほかにも、ローミング専用キャリアのAlwaysOnlineとGigskyも選択可能。ただし、コスト的にはローミングという性質上、どうしてもT-MobileのApple SIM専用プランにはかないません。ここでは迷わず、T-Mobileを選択します。

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アメリカで「新規プランを追加」をタップすると、現地キャリアが表示される

 すると、料金選択の画面が表示されます。ここに「iPad exclusive offer」というメニューが出ていることを確認しましょう。これが上記で紹介した、5GBが10ドルになる格安のデータ通信プランです。あとは、メニューに従っていくだけ。途中でアカウント入力画面が表示されますが、Apple SIMの画面から、新規アカウントの開設も可能です。プランを選び、アカウント作成画面が出たら「Sign up」をタップしましょう。

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T-Mobileを選ぶと、iPad向けの限定プランがある旨が表示された

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次に表示された画面では、何も入力せず、「Get connected」のボタンを押すだけでOK

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その他のプランも表示されるが、やはり限定プランはお得度が高い

 上記料金プランの画面を見ればわかるとおり、基本的には5GB、10ドルのApple SIM専
用プランがお得ですが、ほかには、1日500MBで5ドルという料金も用意されています。超弾丸出張で、米国滞在が1日のみというようなときは、こちらの方が総額では安くなるため、念頭に置いておいてもいいでしょう。ちなみに、10ドルのプランは有効期間が約1年と長いため、年2回以上アメリカを訪れるようなときにもオススメ。筆者も、1回契約して、何回の出張に分けて5GBを使っています。

 Apple SIMがアクティベートされると、「設定」の「モバイルデータ通信」内にあるモバイル通信プラン」の中に、「T-Mobile」という項目が加わります。ここをタップすると、利用する通信回線を切り替えることが可能。複数のプランを契約しておき、国や地域に応じて必要なものを選択するといったこともできます。

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プラン選択後にアカウントを作り、クレジットカード情報を入力する

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アクティベーションが終わると、T-Mobileがモバイル通信プランに追加された

通信環境には要注意、Wi-Fi接続時の方が安定性はアップ

 その後の通信はスムーズで、基本的にはエリア内であれば速度も安定していました。ただし、日本と比べると、エリアはやや狭め。ビルなどの建物内には電波があまり強く届いていないような場所もあり、電波状況が悪いとそれだけ通信速度も落ちてしまいます。日本と比べると、大人数が集まるような場所にも弱い印象があります。

 とはいえ、通信があるとないのとでは大違い。格安SIMの場合、データローミングサービスを提供していない会社がほとんどなので、米国に行った際には、このプランを契約し、iPad ProをWi-Fiルーター代わりにするというのもいいでしょう。5GBで済んでしまえば、わずか10ドルと、Wi-Fiルーターをレンタルしたり、海外データ通信用のローミングSIMを買ったりするよりも、はるかに安く済ませられます。

 1つ注意しておきたいのが、アクティベーション時の通信環境。先に挙げたように、Apple SIMはeSIMとは異なり、別の通信手段を用意しなくても契約画面が表示され、そのまま契約を進めることが可能となっています。Apple SIMは、アップル独自技術のため、仕組みが公開されているわけではありませんが、契約時の画面を表示するため、いったんどこかのキャリアにローミングで接続しているようです。この通信が、非常に遅いのです。

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画面上のアンテナマークを見ると分かるように、別の回線に接続する必要なく、契約を進められる

 実際、筆者は空港に着いたあと、すぐにApple SIMをアクティベーションしようと思い、何度かトライしてみましたが、途中で表示が止まってしまうことが多々ありました。アカウントを作成している途中でエラーが出てしまうことも。途中でT-Mobileアカウントのパスワードを間違えてしまったせいもあり、結局、ホテルに着くまでの間、回線を有効にすることができませんでした。

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表示に時間がかかることも。エラーが出てしまうこともあった

 その後、ホテルの部屋につき、Wi-Fiに接続したあと、再びApple SIMの「新規プランを追加」をタップしてみたところ、サクサクと画面が表示され、あっさり契約が完了しました。どうやらWi-Fi接続時は、そちら経由で申し込みの画面が表示されているようで、表示も安定していました。遅いと思ったら、無理に契約を進めず、Wi-Fiに接続してみるのが正解と言えます。

 空港で申し込みしたいときも、画面が出るのが遅いと思ったら、まずは無料Wi-Fiを探し、そこに接続したあとに手続きを進めた方がいいでしょう。eSIMとは異なり、場所を選ばず契約できるのが魅力のApple SIMですが、残念ながら、必ずしも契約時の画面が快適に表示されるとは限らないようです。海外渡航時にいきなり失敗が続いてしまうと焦ってしまうおそれもあるため、あらかじめ表示が遅いことは知っておくようにしましょう。


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