SIM道場スペシャル

バリエーションが広がり、SIMロック解除も可能に――2015年のSIMフリー事情を振り返る

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 2015年は、端末にも大きな動きのあった1年でした。5月には、キャリアにSIMロックの解除が義務化され、周波数などの課題はあるものの、MVNOに端末そのままで移ることが容易になりました。

 こうした動きをにらみ、SIMフリーのスマホを販売するメーカーの参入も相次いでいます。

 それと同時に、昨年からSIMフリースマホを販売してきたメーカーのラインナップはさらに拡大。格安SIMを利用するユーザーにとって、選択肢が多彩になりました。

 2015年の締めくくりとして、SIMフリースマホに関する1年の動きを振り返っていきましょう。

 

ミッドレンジモデルが主流になりつつも、端末のバリエーションが広がる

 2015年も、やはりヒットしたモデルはミッドレンジでした。SIMフリー市場では、3万円前後という価格帯が、1つのボリュームゾーンになっています。

 中でも、躍進したのが中国メーカーのファーウェイ。同社は2014年から、SIMフリー市場に本腰を入れ、幅広いバリエーションの端末を投入してきました。

 今年投入した端末の中では、「P8lite」が特に注目を集めました。P8liteは、3万円を切る本体価格を実現しながら、オクタコアCPUを搭載するなど、コスパのよさが光るモデル。グローバルで販売されているフラッグシップモデルの「P8」から、デザインテイストを受け継ぎつつ、さまざまな面でコストダウンした1台です。

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 こうした端末のヒットもあり、ファーウェイは、SIMフリー端末メーカーとして上位につけるようになりました。月によっては、1位になることもあります。

 ファーウェイは、12月にナックルセンスUIなどに対応したハイエンドモデルである「Mate S」を発売したほか、Google Playでも「Nexus 6P」が取り扱われています。流行のミッドレンジモデルだけでなく、上から下までは、フルラインナップをそろえたメーカーとして注目しておきたい1社と言えるでしょう。

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 同様に、SIMフリー端末メーカーとしては、日本を拠点にするスタートアップ企業のFREETEL(プラスワン・マーケティング)も話題を集めました。

 同社は、同クラスの端末と比べて、一段安く、プラスαの機能やスペックの提案を得意とするメーカーです。

 たとえば、1万9800円の「雅」は、ストレージが32GBと多く、カメラも1300万画素。通常のメーカーであれば、3万円前後はするスペックを、1万9800円で実現しています。

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 逆に、ハイエンドモデルもお得感があり、オクタコアCPU搭載でディスプレイもWQHDと高解像度な「極」は、3万9800円で発売され、すぐに完売してしまいました。

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 SIMフリーモデルの市場を切り開いてきた、ASUSも健在です。同社はハイスペックなインテルの64ビットCPUを搭載した「ZenFone 2」を皮切りに、2015年はそのバリエーションを多数投入しました。

 ボリュームゾーンを狙うモデルにはレーザーオートフォーカスを搭載した「ZenFone 2 Laser」を用意しつつ、インカメラを強化した「ZenFone Selfie」や6インチ版の「ZenFone 2 Laser」を展開するなど、点ではなく、面でユーザー層を取り込む動きが目立っていました。

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 MVNOが自ら端末を開発、発売する動きもありました。日本通信のVAIO Phoneや、トーンモバイルの「TONE(m15)」などは、端末で独自性を出そうとする試みと言えるでしょう。

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HTC、Acer、Windows 10 Mobile……相次ぐメーカーの新規参入

 市場の拡大を受け、新規にSIMフリースマホを開発するメーカーも、相次ぎました。

 大きなところとしては、ドコモやauなどの大手キャリアに端末を提供してきたHTCが、SIMフリースマホの販売に踏み切ったニュースを挙げることができます。

 HTCは、「HTC Desire 626」と「HTC Desire EYE」の2機種を発売。グローバルで展開しているフラッグシップの「ONE」シリーズや、日本市場に特化しauから発売されている「butterfly」シリーズとは異なる、ミッドレンジモデルをSIMフリーとして投入しています。

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 同じ台湾メーカーとしては、Acerの動きにも注目しておきたいところです。

 Acerはブックオフとタッグを組み、試験的にSIMフリースマホを販売してきましたが、ミッドレンジモデルの「Liquid Z530」で日本市場に本格参入を果たします。

 楽天モバイルとタッグを組み、ローエンドながらLTEに対応した格安スマホの「Liquid Z330」も発売しました。

 同社は元々、PCメーカーとして有名で、海外ではWindows Phone、Windows 10 Mobileスマホもラインナップしています。こうしたモデルの一部は、日本でも発売する予定です。

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 そのWindows 10 Mobileも、新規の端末が相次いで発表されました。

 先駆けとなったのが、マウスコンピューターの「MADOSMA」。Windows 10 Mobileが世に出る前に、Windows Phone 8.1を搭載して、約4年ぶりのWindows Phoneとして日本で発売されました。12月には、Windows 10 Mobile版に加えて、Windows 10 Mobileへのアップデートサービスの提供も開始しています。

 ほかにも、アクセサリーメーカーのトリニティや、VAIO、Acer、FREETELなど、幅広いメーカーがWindows 10 Mobileへの参入を表明しており、年末にかけ、端末の発売が相次ぎました。

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 よりハイエンドなモデルは来年から発売される予定で、こちらも今から楽しみです。SIMフリー市場の拡大を受け、端末バリエーションだけでなく、OSの選択肢も広がってきたというわけです。

 

SIMロック解除が義務化に! 来年3月には多くのiPhoneが対象に

 端末関連のニュースとしては、SIMロックの解除義務化も大きな話題になりました。

 本サイトでも、その手続き方法を解説。本来は、購入から180日経過後にSIMロックの解除が可能になるところを、ドコモの特例を利用し、iPhone 6sをSIMフリー化してみました。

 iPhoneは、大手3キャリアの主要周波数にきっちり対応しているのが特徴。SIMロックさえ解除してしまえば、どのキャリアでも変わりなく使える、“万能端末”になります。

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 このiPhone 6s、6s Plusは、通常だと、3月からSIMロックの解除が可能になる予定。auやソフトバンクのユーザーも、SIMロック解除が可能になり、ドコモ系MVNOへ移りやすくなります。

 一方で、Androidの場合は、発売元のキャリアの周波数に最適化されていることが多く、今後は、端末がどの周波数に対応しているかの知識も必要になってきます。

 周波数がきちんと合っていないと、一部エリアで通信できなかったり、思ったよりも速度が出なかったりといった事態も考えられます。

 こうしたトラブルに合わないよう、各社がどのような周波数でサービスを行っており、自分が使おうとしている端末がどの周波数に対応しているかは、きっちり把握しておきましょう。

 

 2015年に発売された夏モデルは、すでにSIMロック解除の対象になっていますが、2016年にかけ、引き続き、対応モデルは徐々に増えていきます。

 このように、2015年はSIMフリーの端末が急増しただけでなく、手持ちの端末のSIMロックを解除することも容易になりました。かつては“端末の選択肢が少ない”と言われていたMVNOですが、その状況も急速に改善しつつあると言えるでしょう。

 とは言え、まだまだ市場規模は、話題性の割には大きくありません。統計の取り方にもよりますが、SIMフリーモデルは、全体の10%にも満たない割合です。認知度向上など、まだまだ課題は残っており、2016年はこうした点が徐々にクリアされていくことを期待しています。

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