SIM道場スペシャル

2015年もあとわずか! 格安SIMの1年間を振り返る(前編)

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今年も、残すところもうあとわずか。2015年は、格安SIMやSIMフリー端末にとっても、大きな動きのあった1年でした。

一言でまとめれば、よりMVNOが一般化した1年だったと言えるかもしれません。4月に各社が容量を改定したのを皮切りに、5月にはSIMロック解除の義務化が行われました。また、MNPの即日対応が始まったのも、今年のできごとです。12月には、総務省のタスクフォースの結論が出て、大手キャリアが持つ顧客データベースの開放に向けた動きも健在化しました。

また、SIMフリー端末メーカーの参入も相次ぎました。直近では、HTCやAcerといった台湾メーカーが、本格的に端末を投入し始めています。

わずか1年とは思えないほど、濃い1年間だったと言えるでしょう。

これらの動きを、2回に渡って振り返っていきます。

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相次ぐデータ容量の拡大で、格安SIMのデータ通信は「1GB=900円台」が相場に

4月には、MVNO各社がデータ通信の容量を拡大させました。値段を据え置きつつ、最低価格で使えるデータ容量がアップしたというのがその動きです。

IIJmio、OCNモバイルONE、BIGLOBE、楽天モバイルなどなど、MVNO大手は約3GBで900円台という価格を打ち出しています。

現状では、ドコモやau、ソフトバンクといった、大手通信キャリアが、新料金プランで2GBからデータパックを提供しています。それらの価格は、3500円。MVNOなら、その1/3以下の価格で、3GB使えるというわけです。

調査によっても異なりますが、一般的に、平均的なデータ通信の使用量は3GB前後と言われています。この改定によって、MVNOは、最低容量の料金プランでも十分1カ月間使えるものになったというわけです。

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背景には、MVNOに帯域を貸す大手キャリアが、接続料を値下げしたことがあります。一般的な商売に置き換えても分かりますが、仕入れ価格が下がったから、その分をユーザーに還元したと言えるでしょう。ドコモは値下げ幅が小さくなっていましたが、KDDIやソフトバンクは大きく値段を下げており、今後は、これら2社の回線を使うMVNOが増えることも期待できます。

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結果として、MVNOの伸びも拡大しました。

調査会社のMM総研が12月に発表したデータによると、2015年9月末時点でのMVNOの回線数は405.8万。1年前の230.5万から倍増とはいきませんでしたが、70%以上の大幅な伸びを記録しています。

 

各社がリアル店舗へ進出、MNPの即時開通も可能になり契約のしやすさがアップ

料金の改定とともに、MVNOの利用者増に貢献したのが、リアル店舗への進出です。

ビックカメラとタッグを組んだIIJmioはBIC SIMカウンターを2014年から設置していましたが、これを拡大。ここへ追随するように、家電量販店でのカウンター設置が一般的になりました。

それまでは、ネットで申し込まなければならなかったところが、店舗に行き、その場で開通が可能になったというわけです。

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また、楽天モバイルやトーンモバイルのように、独自の店舗を拡大する動きも見られました。

こうした店舗では、そのMVNOが出している端末も見ることができます。実際に契約、購入する前に、どのような使い勝手なのかをしっかり試すことができるため、好評を博しています。

コンビニでのリチャージカードの取り扱いや、空港での自販機設置も増え、飛躍的にSIMカードを買いやすい環境が整いつつあると言えるでしょう。

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さらに、MNP利用時の利便性も上がりました。

これまでは、郵送で音声対応のSIMカードをWebで申し込もうとすると、本人確認の関係もあり、開通〜発送、到着までにどうしても数日間のブランクが発生していました。

通常の新規契約であれば、すぐに使えないだけで特段大きな問題ではなかったものの、困るのがMNPです。すでに使っている電話番号を移さなければならないため、電話が使えない期間がどうしても発生してしまっていたのです。

こうした問題を解決するために、Web上でアクティベーションをするという仕組みが導入されました。これによって、手元にSIMカードが届いたら、電話番号を切り替えることが可能になりました。

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各社が一斉に即時開通を始めたのは、回線を貸している大手キャリアのドコモがこうした仕組みを導入したため。オンラインアクティベーションを当初から導入していたau系MVNOと比べても、そん色なく利用できるようになりました。

 

新規参入も相次ぎ、MVNOの選択肢がさらに広がる

新規参入するMVNOや、大幅にサービスを改定したMVNOも、登場しました。

新規参入という点では、ケーブルテレビ事業者のJ:COM MOBILEが記憶に新しいところ。ケーブルテレビ加入者をターゲットにしたMVNOで、動画が見放題になる料金プランを打ち出しました。

端末とのセット販売が基本となり、VoLTE対応の折りたたみ型スマホ「Wine Smart」を導入したのも、注目を集めたポイントです。

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また、既存のMVNOが持つ設備を、すべてソフトウェアでクラウド上に実装し、IoT(モノのインターネット)向けをうたった「SORACOM」の参入も、いわゆる開発者の間では大きな衝撃を与えました。

純粋な新規参入とは言えないかもしれませんが、元々au回線を使ってMVNOに参入していたmineoが、ドコモ回線のプランを提供し始めたのも、大きなニュースになりました。これによってmineoは、ドコモとauの2社から回線を選べるようになり、ユーザーの受け皿が大きく拡大しています。2つの回線のVoLTEに対応した、「arrows M02」も発売しました。

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SIMフリー端末を開発、販売してきたFREETELも、通信サービスを強化。キャリアとしての位置づけをより明確にし、段階制で料金が変動する「使った分だけ安心プラン」を打ち出しています。

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CCCグループに入り、よりTSUTAYA色を強くした「トーンモバイル」も、サービスを大きく転換した1社です。料金プランや基本的なサービスは前身であるフリービットモバイルから変わっていませんが、Tポイントとの連携ができるようになったり、TSUTAYAの店頭での販売を開始したりなど、大きな変化がありました。

11月には、フリービットモバイルからカウントしても初となるLTE対応モデルの「TONE(m15)」も発売しています。

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こうして見ていくと、料金(データ容量)、販路に大きな変化があり、ユーザーの選択肢も増えていることが分かります。成長途上にあるMVNOは、1年前の常識がまったく通用しない業界とも言えるでしょう。

一方で、2015年は、そのMVNOで使うことを前提にしたSIMフリー端末も、大きく拡大しました。次回は、端末を中心とした動きを、振り返っていきましょう。

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