SIM×デバイス指南

TONE(m15)を発表! 端末からサービスまでを一手に手掛けるトーンモバイルとは?

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 トーンモバイルが、新端末、新サービスを発表しました。それが、「TONE(m15)」です。同社は、MVNOとしては異色の存在で、端末からサービス、サポートまでを、自社で直接手掛けています。

 月々1000円の料金で、動画などの視聴で高速通信を利用したいときだけ「高速チケットオプション」を購入するなど、ネットワークサービスにも特徴があります。今回は、このTONEが発表した新端末、新サービスを見ていきましょう。

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LTEに対応し、質感も一新したTONE(m15)

 フリービット時代は「PandA」という名称で販売されていた「TONE」ですが、これまでの機種は残念ながら3Gにしか対応していませんでした。トーンモバイルでは、アプリごとに通信を制御しているため、全く利用できないということはありませんでしたが、やはりLTEに比べると、3Gは遅延が大きく、使い勝手が悪いのも事実です。

 トーンモバイルの代表取締役社長、石田宏樹氏は「89%のユーザーが満足していた」と述べているものの、やはりこれから手に取ってみようと思っていた人にとっては、3Gであることがネックになっていたのではないでしょうか。以前の端末に関しては、満足度も75%と、やや伸び悩んでいたようです。

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 こうした状況の中、満を持して投入されたTONE(m15)は、「ハードの部分に関しては1年前から機構設計してきた」(石田氏)端末で、最新のSIMフリースマホと比べても、遜色ないスペックになっています。

 チップセットには、MediaTek製のクアッドコアCPU「MTK6735」が搭載されており、64ビット化を実現。ディスプレイも、1280×720ドットと、HD化を果たしました。バッテリーは3000mAh。背面のカバーは手に取ったときにザラっとした質感が伝ってくるもので、石田氏によると「モノとして仕上げるときの安心感を重視した」といいます。

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 LTEへの対応にも力を入れています。一般的なSIMフリースマホはドコモの3バンド(Band 1、Band 3、Band 19)に対応することが多い中、TONE(m15)はBand21まで利用できます。これは、「都市部での接続性を考えて、かなりこだわった部分」(石田氏)とのこと。

 ドコモは、大都市圏で帯域を増やすため、キャリアアグリゲーション用にBand 21を整備しています。現状ではドコモのAndroid端末がBand 3とBand 21を組み合わせたキャリアアグリゲーションを利用できます。トーンモバイルはこのBand 21を重要視して、対応したというわけです。

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 最新のミッドレンジモデルと並ぶ性能を実現しながら、価格も2万9800円に抑えており、競争力はありそうです。

 

 

スペックだけじゃないTONE(m15)の実力

 とは言え、この端末の売りはスペックだけにあるのではありません。トーンモバイルはフリービット時代から一貫して「垂直統合型」のビジネスモデルにこだわっており、端末からサービスまでを作りこむのが特徴です。

 その一端は、TONE(m15)からも見て取れます。非常におもしろいのが、新たに搭載されたIP電話アプリ。このIP電話アプリは、Wi-Fiに接続せず、LTE(もしくは3G)だけで通信をするようになっています。石田氏によると、これはWi-Fiは品質が担保できないためだといいます。

 アクセスポイントにつながっている回線がどのような状態か分からず、IP電話の音質低下につながるのであれば、いっそのことモバイル回線だけにしてしまおうという逆転の発想と言えるでしょう。こうした作り込みは、端末だけ、サービスだけを提供している事業者には、なかなかできません。まさにトーンモバイルならではの仕組みと言えるでしょう。

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 また、端末の「箱」にはNFCのタグが埋め込まれており、これをタッチすることで、端末が自己診断モードになります。トーンモバイルではこれを「置くだけサポート」と呼んでいます。

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 ほかにも、ネットワーク側から端末を探してデータの消去などを行う「TONEを探す」や、特定の場所に入ったときに通知を行う「ジオフェンシング」など、様々なサービスがセットになっています。こうしたサービスを利用できるのも、トーンモバイルの特徴と言えるで
しょう。

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 ただし、注意したい点もあります。月額料金は1000円ですが、通常の通信速度は数百Kbpsに抑えられています。アプリごとに制御を変えていると言いますが、動画などをストレスなく見たり、容量の大きなアプリを使うには、別途高速チケットが必要になります。使いすぎると、料金がかさんでしまうおそれがある点には注意しましょう。

 また、先に述べたように、トーンモバイルは垂直統合型のビジネスモデルを志向しているため、基本的に、端末と通信サービスはセットになります。一般的なMVNOのように、自分で好きな端末を選べないところには、不満を感じる人がいるかもしれません。

サポートも自社で行い、唐津にBPOセンターを持つ

 垂直統合を志向するだけに、トーンモバイルは、サポートセンターも自社で抱えています。しかも、石田氏によると、「正社員率88%」。フリービット時代からこれは継続しており、同社傘下のMVNOでもあるDTIは「コールセンターでずっと満足度NO.1を取り続けてきた」(石田氏)といいます。

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 ここでは、端末の遠隔サポートや、電話サポートの受付だけではなく、物流やSIMカードの作成などまで行っているそうです。SIMカードは「月間17万枚の発行スキルがある」(石田氏)といい、トーンモバイルだけでなく、フリービットがMVNEとして支援するMVNOのSIMカードも作られているようです。

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 先に挙げたTONE(m15)のような自社端末は、中国製ではありますが、いったんこのセンターに運ばれ、検品や梱包などを行ったうえで出荷されています。「ゴミがついてないか、箱の汚れがないかまで、すべてここでチェックしている」(石田氏)といい、品質に対するこだわりがうかがえます。

 このBPOセンターは佐賀県の唐津市に設置されており、トーンモバイルでは「SiLK Hotlines」と呼んでいます。将来的には、「コンシェルジュのようなサービスも想定している」といい、こうしたサービスがトーンモバイルの新たな売りになることも考えられます。

 このように、トーンモバイルは通信サービスだけでなく、端末からアプリケーション、サポートまでを、すべて自社で一貫して行っています。MVNOとしては異色の存在ですが、逆に、サービスシンプル。これまであまりMVNOと縁のなかったユーザーにとって、分かりやすい仕組みになっていると言えるのかもしれません。

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