SIM入門

格安SIMの伏兵か? 通話のヘビーユーザーにはオススメなワイモバイル

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「格安SIM」と呼ばれることの多いMVNOですが、大手キャリアと比べて安いのはあくまでデータ通信。通話料は、どこもおおむね30秒20円となっており、割安感はありません。

たとえば、以前紹介した「楽天でんわ」のようなサービスを使えば通話料を下げることはできますが、大手キャリアのような通話定額には非対応。電話すればするだけ料金がかかる従量制になっています。

そんな中、格安SIMとして唯一通話定額を提供しているのがワイモバイル。
ソフトバンクモバイルのいちブランドであるため、厳密にはMVNOではありませんが、SIMカード単体で簡単に契約でき、データ通信料も比較的安価なため、MVNO感覚で契約できるキャリアと言えるでしょう。

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元々はイー・モバイルとしてサービスを提供してきたキャリアですが、その後ソフトバンクに買収され、4月1日からはソフトバンクモバイルのいちブランドになりました。そのため現在では、ソフトバンクモバイルがソフトバンクとワイモバイルの両方を運営する形になっています。

今回はそんなワイモバイルの特徴を解説していきます。

データ量別に3つのプランを用意。通話は10分300回まで定額

ワイモバイルのSIMカード単体で契約できる料金プランは3つ。「スマホプランS」「スマホプランM」「スマホプランL」がそれです。

料金はそれぞれ2980円、3980円、4980円ですべて音声通話対応。1カ月に使えるデータ通信の量は1GB、3GB、7GBになります。

  料金 データ容量 2年契約
スマホプランS 2980円 1GB あり
スマホプランM 3980円 3GB あり
スマホプランL 4980円 7GB あり

 

ドコモ系のMVNOが音声通話対応のもので、大体1カ月1600円からでデータ通信が3GBまで使えることを考えると、少々割高のようにも思えます。

単純にデータ通信量を比べると、それも事実。また、上記の料金は、すべて2年契約をした時にものです。

MVNOの音声契約には最低利用期間が設けられているものの、一定の期間を過ぎれば解約は自由にできます。また、期間もおおむね1年程度。2年契約は、少々”縛り”が厳しいようにも思えます。

一方で、ワイモバイルならではのメリットもあります。その1つが無料通話。スマホプランS、M、Lそれぞれに、1回辺り10分、1カ月300回までの通話無料サービスが付属しています。

仮に、10分間の通話を30日間毎日したとすると、MVNOの標準的なプランで、通話料は1カ月1万2000円。「楽天でんわ」のようなプレフィックスサービスを使っても、6000円の料金がかかります。

通話をすればするほど、”元が取れる”料金プランになっているというわけです。

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また、もっと通話をしたいという人には、「スーパーだれとでも定額」というオプションが用意されています。

スーパーだれとでも定額は、月額1000円で1回10分、月300回までという制限が外れるオプションのこと。すべての人に必要なものではありませんが、長電話が多い人には、うってつけのプランと言えるでしょう。

  料金 データ容量
スマホプランS+スーパーだれとでも定額 3980円 1GB
スマホプランM+スーパーだれとでも定額 4980円 3GB
スマホプランL+スーパーだれとでも定額 5980円 7GB

 

「シェアプラン」を用意しているのも特徴で、最大3枚までのSIMカードを無料で追加できます。

その際のデータ量は、主回線のものをシェアします。ちなみに、シェアプランは本来ならスマホプランMで490円、スマホプランSで980円の基本料がかかりますが、「シェアプランセット割」というキャンペーンで無料になっています。

MVNOでも似たシェアプランを持っているところはありますが、たとえばIIJmioだとシェアできるのは「ファミリーシェアプラン」限定。OCNモバイルONEでも1枚ごとに450円の料金がかかります。

これに対し、ワイモバイルは今のところ追加料金がかからないため、気軽に2回線目、3回線目を追加できます。

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こうした料金プランを見ると、通話の量が多く、複数端末を使いたいという人にはピッタリのサービスと言えるでしょう。

LTEの対応周波数もグローバルスタンダードに近い

では、ワイモバイルでスマホを使うには、どうすればいいのでしょうか。

ワイモバイルはあくまでMVNOではなく、ソフトバンクモバイルの「サブブランド」という位置づけです。そのため販売方法も、大手キャリアとMVNOのちょうど中間のような形になっています。

従来のキャリアと同様、端末をセットで買うこともできますし、MVNOのように自分で買ったSIMフリー端末を持ち込むことも容易にできます。

同社はNexusシリーズなどを販売しており、一部例外を除くとこうしたモデルは最初からSIMフリーになっています。

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SIMフリー端末を持ち込む場合に気をつけたい対応周波数は以下のとおり。

3GがBand I(2GHz帯)とBand VIII(900MHz帯)、LTEがBand 1(2GHz帯)、Band 3(1.8GHz帯、ワイモバイルでは1.7GHz帯と表記)、Band 8(900MHz帯)で、Wireless City Planningが運用するAXGPのBand 41(2.5GHz帯)にも対応しています。

3G(W-CDMA) 4G(LTE、AXGP)
Band I(2GHz帯) Band 1(2GHz帯)
  Band 3(1.8GHz帯)
Band VIII(900MHz帯) Band 8(900MHz帯)
  Band 41(AXGP、2.5GHz帯)

 

これをSIMフリー端末に当てはめると、主な最新機種では次のような形になります。

ZenFone 2
3G(W-CDMA) 4G(LTE、AXGP)
Band I(2GHz帯) Band 1(2GHz帯)
  Band 3(1.8GHz帯)
Band VIII(900MHz帯) Band 8(900MHz帯)

 

Honor6 Plus
3G(W-CDMA) 4G(LTE、AXGP)
Band I(2GHz帯) Band 1(2GHz帯)
  Band 3(1.8GHz帯)
Band VIII(900MHz帯)  

 

g03
3G(W-CDMA) 4G(LTE、AXGP)
Band I(2GHz帯) Band 1(2GHz帯)
  Band 3(1.8GHz帯)

ご覧のように、「ZenFone 2」のようにAXGP以外すべての周波数帯に対応しているモデルもあれば、「g03」のように一部にとどまるものもあります。

ワイモバイルに向けて完全対応しているSIMフリースマホはまだ少数となっているため、注意が必要です。

 単純な接続状況は、ワイモバイル側でも確認しており、結果はこちらで公開されています。

現状では完全対応する端末はまだ少数派かもしれませんが、ワイモバイルの持つ周波数帯は海外では比較的メジャーになります。そのため、ドコモ系MVNOと同時にワイモバイルで利用することまで意識した端末も、今後は増えていくでしょう。AXGPへの対応が課題ですが、iPhoneのような一部モデルは対応済みです。

エリアも周波数さえきちんとすべてに対応していれば、ソフトバンクと同等。ドコモ系のMVNOと比べると面では弱い場所があるのは確かですが、最近ではそん色なくなりつつあります。

エリアマップも公開されているため、こうしたサイトを選択時の参考にしてみてください。なお、ワイモバイルのエリアマップは周波数の違いから機種ごとになっているため、SIMフリーで利用する際は近い機種のものを選ぶことをオススメします。

  以上をまとめると、2年縛りと、MVNOに比べるとやや高い料金プランはネックと言えますが、通話定額の安心感は抜群。全国にショップを展開しているのも、ワイモバイルの強みと言えます。まさに一長一短ですが、「格安SIM」の選択肢の1つとして、検討してみるのもいいでしょう。

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