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今、急速に増えている「デュアルSIM」機能とは? その使い方を検証した

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 ASUSの「ZenFone 2」や、ZTEの「g01」「g02」「g03」といった最新モデルで採用が増えているのが、「デュアルSIM」と呼ばれる機能です。まだ発売していませんが、ファーウェイが投入する「Honor 6 Plus」にも、この機能が載っています。

 まだなじみのある人が少ないと思われる、このデュアルSIM機能。どのように使うのかを、解説していきます。

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2枚のSIMカードで同時に通信できる

 デュアルSIMとは、2枚のSIMカードをさせる仕様のこと。SIMカードを入れるためのスロットが2つ付いていることを、このように呼びます。

 なぜ、2枚のSIMカードを入れる必要があるのでしょうか。それは、通信会社を切り替えた方が、料金が安くなる可能性があるからです。

 元々、デュアルSIM仕様は中国や欧州など、国が陸続きになっている地域で生まれ、人気を得てきました。これらの国では、周りを海で囲まれた日本よりも簡単に出入国できます。何度も行き来するのに、割高になりがちな国際ローミングの料金を払うのはナンセンス。そのため、SIMカードを入れ替えて使うというニーズが生まれました。

 とは言え、SIMカードをその都度抜きさしするのは、少々面倒です。普段使っているSIMカードを抜いてしまうと、重要な電話を取り逃してしまう可能性もあります。デュアルSIMは、こうした問題を解決するために生まれた仕様です。
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LTEとGSMの通信を同時に受ける

 とは言え、国内で発売されている端末は、日本で使う限り、基本的には1つのSIMカードしかさせません。厳密に言えば、2つ目のSIMカードスロットは使えません。

 それは、片方が日本では使われていないGSMという通信規格のものだからです。

GSMはグローバルスタンダードとなった第2世代の通信規格です。日本ではPDCと呼ばれる第2世代の通信方式が採用されていましたが、今ではすべて3Gや4Gに置き換わっています。

 一方で、海外ではまだまだGSMが現役。地方や電波の届きにくいビルの中でなどでは、いまだにGSMしか使えないケースもあります。

 となると、このデュアルSIMが生きてくるのが海外渡航時。日本で使っているいつもの電話を国際ローミングで受けつつ、海外の割安な音声通話やデータ通信を利用できます。

 

実際にデュアルSIMを使ってみた!

 筆者は取材のため、今、台湾にいます。そこで、早速、このデュアルSIMを試してみました。

 使用した端末はZenFone 2。冒頭の写真にあるように、SIMスロット1には現地の、SIMスロット2には日本で使っているドコモのSIMカードを入れています。

 すると、以下の画面のように、アンテナマークが2つ表示されます。左が現地キャリアの台湾モバイルのもの。右が、ドコモがローミングしている台湾モバイルのものになります。

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 この状態だと、台湾内でデータ通信するときは、現地のデータ料金が適用されます。料金は2.2GBで500台湾ドル(約2000円)。国際ローミングで「海外パケ・ホーダイ」を使ったときの、1日分である2980円より安くなっています。

 デュアルSIMは、意外と細かな設定ができるのもポイント。設定メニューで片方のSIMカードを無効にしたり、音声通話を発信する際にどちらのSIMカードを優先するかを選択したりと、様々な設定が可能です。

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 通話時には、ボタンを押してどちらで発信するかを選択できます。いつもの電話番号で折り返したいときは日本のSIMで、現地の国際通話料が安いときは現地のSIMでというように、使い分けることができるわけです。

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 これまで、海外渡航時には、現地のSIMカードを使うための端末とは別に、国際ローミング用の端末を持ち歩く必要がありました。それが1台にまとまっているのは、非常に手軽。ポケットの中に1台だけ入れておけばいいので、身軽さもアップしました。

 このように海外では便利なデュアルSIMですが、残念ながら、日本では役に立つことがありません。

 一方で、海外では、すでに両方が3G以上の通信に対応しているデュアルSIM端末が登場しています。このようなモデルがもし日本に上陸すれば、SIMフリー端末の使い方が変わる可能性もあります。

 たとえば、片方には音声定額がある大手キャリア(MNO)のSIMカードを入れ、もう一方にはデータ通信料の安いMVNOのSIMカードを入れるといったことができます。
MNPをせず、データ通信だけを気軽にMVNOに乗り換えられるので、デュアルSIM端末をラインナップに持つメーカーには、ぜひ国内導入を検討してほしいと思っています。

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