SIM道場スペシャル

ついに義務化! SIMロック解除のメリットやそのやり方とは?

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携帯電話事業を管轄する総務省の方針を受け、5月1日以降に発売する携帯電話にはSIMロック解除が義務付けられます。これまで、SIMロック解除はドコモがiPhone、iPadを除くほぼ全機種、ソフトバンクが一部機種を対象に行っていましたが、義務化にともない、auもSIMロック解除を行うようになります。

また、手続きの方法も一部変更になり、発表済みのドコモとauでは、WebからのSIMロック解除が可能になります。

では、SIMロック解除をするとどのようなメリットがあるのでしょうか。義務化以降の手続き方法や、注意点も合わせて紹介していきます。

 

他社のSIMカードを挿せるようになるのがメリット

SIMロックとは、端末をロックして、特定の携帯電話会社のSIMカードしか認識しないようにすることです。キャリアが販売する端末は、その会社のSIMカードとセットで使うことを前提にしていました。そのため、他社のSIMカードは認識しないようにしていたのです。

これを解除して、他社のSIMカードを使えるようにすることを、SIMロック解除と言います。どの会社のSIMカードでも認識する状態のことは、SIMフリーとも呼ばれています。

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SIMロック解除が義務化されたのは、携帯電話会社同士の競争を促進するためです。これまでだと、携帯電話会社を移るために、わざわざ端末まで買い直す必要がありましたが、端末がSIMフリーであればSIMカードを取り換えるだけで済むというわけです。

具体的には、たとえばドコモのユーザーがソフトバンクに乗り換え、同じ端末を使い続けることができます。

また、MVNOのユーザーにとってもメリットがあります。現状では、ドコモから回線を借りるMVNOが多く、そうしたMVNOではドコモの端末が使えます。つまり、ドコモからドコモ系MVNOに移った人にはSIMロック解除は必要ありません。一方で、その他のキャリアからドコモ系のMVNOに移ったとき、端末にSIMロックがかかっていると、同じ端末を継続して利用できなくなってしまいます。SIMロック解除を行えれば、こうした問題も解決するわけです。

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とは言え、これはあくまでSIMカードを携帯電話が認識するようになるというだけ。実際には使えないこともあるので注意が必要です。その点は後ほど解説します。

Webから手続きができるように! 手数料も無料に

義務化がスタートする前から、ドコモやソフトバンクではSIMロック解除を行えました。ただし例外もあり、iPhone、iPadなどは非対応。ソフトバンクについては、対象端末は数機種と非常に限定的でした。

これが原則として、全機種に拡大されます。

元々SIMロック解除を行っていなかったauも、前倒しでSIMロック解除を開始しました。auは、4月に発売された「Galaxy S6 edge」もSIMロック解除の対象にしています。

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また、手続きの方法も簡単になりました。これまではショップに行って解除をお願いする必要があったのに対し、新方式ではWebで申し込むだけで解除を行うことができるようになります。ショップが混雑していても、待たされる心配はありません。

Webへの対応に伴い、手数料も改定されました。

すでに手続きの詳細を発表しているドコモとauに関しては、Webから行う場合の手数料は無料。ショップで手続きをすると3240円の手数料がかかりますが、フィーチャーフォンなど、WebからSIMロックを解除できない機種だとこれが免除されます。以下が、ドコモのWebサイトに掲載されている手数料の一覧。auも状況は同じです

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一方で、ユーザーにとっては不便になりかねない制度の”改悪”もありました。

1つ目として挙げられるのが、SIMロック解除に対応しない期間ができてしまったこと。ドコモ、auとも、端末の購入から180日間はSIMロックの解除を受けつけない仕組みになりました。

auについては、対象機種のGalaxy S6 edgeがすでに発売されていますが、発売日の4月23日から約6か月経った10月までSIMロックは解除できません。

ドコモについては、まだ新方式の対応機種が発売されていませんが、夏モデルの発表も間もなくです。この機種をSIMロック解除しようとした場合、11月までできないのです。

これまでは、端末を買い替えてすぐにSIMロックを解除できました。買い替え後、すぐに海外に行く場合などにも、SIMロックを解除して現地のSIMカードを挿すことができました。ところが、新方式では、機種変更してすぐに海外に行くようなときは、別途SIMフリーの端末を用意しなければなりません。ユーザーにとっては、不便になってしまったというわけです。

ドコモとauは、どちらもこの180日間という期間を定めた理由に、不正防止を挙げています。端末を割賦で手に入れ、代金を払わず転売するような犯罪行為を防ぎたいようです。

ただ、端末代を一括で支払った場合、不正のしようがありません。そのような人も、180日間はSIMロックが解除できないのです。新方式が始まったばかりで、動向を見たいのは分かりますが、取り決めが厳格すぎるような印象も受けます。

 

また、ドコモに関しては、いわゆる白ロムとして購入した端末のSIMロック解除は、受けつけなくなります。ここには中古端末も含まれています。

SIMロックを解除できるのはドコモから購入した本人のみ。SIMロックが解除される前に売られてしまうと、その端末は永遠にSIMフリーにできないのです。そのため、新古品、中古品のドコモ端末を買うときは、SIMロックの有無に注意する必要があります。

 

SIMロック解除は万能じゃない! 通信方式や対応周波数には要注意

SIMロックを解除した機種はSIMフリーになり、どの会社のSIMカードでも認識するようになります。

ただし、必ずしも通信が確実に使えるわけではない点には、注意が必要です。SIMロックを解除した端末と、その端末を発売している会社以外のSIMカードを組み合わせたときは、あくまで自己責任。最悪の場合、通信が一切できないこともありえます。

また、他社のSIMカードで使う場合は、端末とその会社の持っている周波数が一致している必要があります。

この大原則は、SIMフリーの端末を買うときと同じ。こちらで解説した、周波数についてもご確認ください。

SIMフリー端末よりやっかいなのが、キャリアが販売する端末はそのキャリアの周波数に最適化されているということ。他社が持っていない周波数にまできっちり対応している機種が多い半面、他社しか持っていない周波数に対応していないことも多いのが現状です。

すでにauがGalaxy S6 edgeの対応周波数を公開しているので、実例を見ていきましょう。auのサイトによると、この機種が対応している周波数は以下のとおりになります。

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上の表を元に、各社が利用している周波数との対応状況を整理してみました。赤い丸がau版Galaxy S6 edgeで使える周波数帯、黒い丸がそのキャリアが持っている周波数帯を意味しています。

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この表を見れば分かるように、auのGalaxy S6 edgeは、ドコモやソフトバンクの持つ周波数にフル対応していません。LTEについては、ドコモのバンド19(800MHz帯)や、ソフトバンクのバンド8(900MHz帯)に非対応です。そのため、一部地方では、LTEで通信できない可能性があります。

3Gについても同様で、au版のGalaxy S6 edgeはバンドI(2GHz帯)のみの対応となります。ドコモのバンドVI/XIX(800MHz帯)や、ソフトバンクのバンドVIII(900MHz帯)が使えないため、場所によっては通話すらできない可能性も残されています。

このように、SIMロックを解除した機種には限界もあります。自分が使いたい会社の対応周波数や、端末の対応状況をよく見極めないと、思わぬ不便が生じる可能性もあるでしょう。

その意味で、SIMロックを解除した端末使う場合には、ユーザーにも一定の知識やスキルが求められることになりそうです。

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