SIM×デバイス指南

「格安スマホ」とは呼ばせない! 大本命「Xperia J1 Compact」の実力をチェック

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SIMフリースマホの大本命とも言えそうな端末が、間もなく登場します。その端末は、ソニーモバイルの「Xperia J1 Compact」。SIMフリーモデルで初のおサイフケータイ対応となり、2070万画素のセンサーを搭載、防水・防塵仕様に対応するなど、多彩な機能が特徴です。

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ディスプレイは4.3インチと片手で持てるコンパクトサイズながら、CPUもクアッドコア2.2GHzで、メモリも2GBと十分なスペック。OSにはAndroid 4.4を採用しています。もちろん、通信方式はLTEに対応。下り最大150Mbpsで利用でき、ドコモが持つ4つの周波数帯(2GHz、1.7GHz、1.5GHz、800MHz)にはフル対応しています。

スマホの中でも特に人気の高いブランドであるXperiaの名に恥じぬ、高機能な端末に仕上がっています。では、実際使ってみたときの印象はどうでしょうか。ソニーモバイルから試作機を借りることができたため、実機の使い勝手等をレポートしていきます。

 

まずはプレミアムな外観をチェック

まずは、Xperia J1 Compactの外観からチェックしてきましょう。

前面にはソニーのロゴがあり、スクウェアな形状ながら、四隅が丸くなっていることが分かります。実際、手に持ってみると分かりますが、この部分が当たるため持ち心地がよくなっています。少なくとも尖っているために、長時間操作していると手が痛くなるというようなことはありません。

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周囲を囲むフレームには、アルミが使われており、触れると、金属特有の少しヒヤッとした感覚が伝わってきます。この部分は、非常に高級感の高いXperiaならではのポイントと言えるでしょう。3万円台のSIMフリースマホは、すべて樹脂でできていることも多く、デザインで差別化できているポイントとも言えます。

右側面の電源キーもアルミでできており、クリック感は良好です。比較的ボタンが大きめで、サイドに配置されているため、片手で操作してもスムーズに押すことができるのも特徴です。音量キーがすぐ下にありますが、これだけ形状が違えば、押し間違えることもないでしょう。

また、音量キーの下にはカメラボタンが設置されています。このボタンは撮影時にシャッターに使えるだけでなく、長押しして、カメラを起動することもできます。撮りたいものがあったとき、わざわざカメラのアイコンを探す必要がなく、すぐに起動できるのがメリットです。

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ボタン類がまとめられている右側面に対し、左側面には各種スロットが搭載されています。上から、microUSBポート、SDカードスロット、SIMカードスロットになります。Xperia J1 Compactは防水・防塵仕様のため、裏を見るとパッキン処理が施されていることが分かります。

また、中央付近にある接点は、充電時に使用します。専用の卓上ホルダにマグネットでカチッと差し込むタイプで、ドコモやKDDIから発売されているXperia用の卓上ホルダと共通の仕様です。microUSBで充電するためには、キャップを開ける必要がありますが、この端子を使えばその手間が省けるというわけです。

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背面はフラッグシップモデルのXperia Zシリーズに通じるフラットなデザインになっています。

残念ながら、Xperia Zシリーズとは異なり、ガラス素材ではありませんが、カメラ部分が飛び出しているなどのデザイン上の妥協点は少なく完成度は高いと言えるでしょう。中央やや上寄りにソニーのロゴが、その上にはこの機種の特徴であるおサイフケータイのマークが刻印されています。

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ベースとなる性能が高いのも魅力、ベンチマークで実力も検証

3万円前後のいわゆる格安スマホの多くがSnapdragon 400などのミッドレンジ向けCPUを搭載している中、Xperia J1 CompactのCPUはハイエンド向けのSnapdragon 800を採用しています。メモリ(RAM)も、2GB。大手キャリア向けのハイエンドモデルには3GBメモリのモデルも増えていますが、SIMフリー端末としては十分と言えるでしょう。

実際、操作してみた限りでは、動作がモタつくようなことはまったくありませんでした。

では、Xperia J1 Compactはどのくらいの性能が出るのか。実機でベンチマークを取ってみました。

以下は、「AnTuTuベンチマーク」の結果になります。

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総合スコアは4万691点。ベンチマークの中に参考として表示されているミッドレンジの「ZenFone 5」より、大幅に数値が高くなります。ハイスペック端末として人気を博した「Nexus 5」よりも、わずかながらスコアは上になります。結果の詳細を、以下のZenFone 5と比較してみると、特にCPUの「整数演算」や「Single-thread integer」が優れています。ハイエンド向けのCPUを搭載している、Xperia J1 Compactならではと言えるかもしれません。

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こちらがZen Pone 5の結果。Xperia J1 Compactの半分のスコア。

1つのベンチマークだけでは指標として少々心もとないため、もう1つのベンチマークアプリである「Quadrant」も使ってみました。こちらでのスコアは、以下の画面のようになります。

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トータルスコアは2万35。こちらも以下に掲載したZenFone 5のスコアと比較してみると、数値が大幅に高いことが分かります。

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もちろん、ベンチマークの数値がすべてではなく、動作の滑らかさはソフトウェアのチューニングによるところも大きくなるため、これらの数値だけをもって性能が優れていると断言することはできません。

ただ、端末の性能は高く、負荷のかかる処理をしてもある程度の快適さを保てることは確か。日本で発売されているSIMフリースマホの中では、トップクラスと言えるでしょう。

 

Xperiaらしい独自機能とは?

Xperiaの名を冠するだけに、独自性の高い機能も搭載されています。

端末のロックを解除してまず気づくのが、ソニー製アプリがきちんと搭載されていること。写真は拡大・縮小がピンチイン・アウトでスムーズに行える独自のアルバムアプリで表示でき、音楽再生には「Walkmanアプリ」を使用します。

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粗い映像を補正してきれいに表示できる「X-Reality for mobile」や、楽曲の音質を自動的に補正する「ClearAudio+」といった、ソニーならではの技術がふんだんに盛り込まれているのもXperiaの特徴。こうした機能も、Xperia J1 Compactにしっかり受け継がれています。

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また、カメラ機能もチェックしてみました。

先に説明したとおり、Xperia J1 Compactは2070万画素のカメラを搭載しています。ただし、高いのはスペックだけではありません。

Xperia J1 Compactには、Xperiaシリーズでおなじみの「プレミアムおまかせオート」も搭載されています。これは、自動的にシーンを認識して、最適な撮影モードに切り替えてくれる機能のこと。2070万画素をフルに使わず、800万画素相当で撮影して、余った性能を手ブレ補正やノイズ削減に使う工夫もされています。

発売前の端末のため、外に持ち出して撮影することは控えましたが、やや暗い室内でも以下のように、写真がくっきり写っていることが分かります。比較のため、ZenFone 5でも同じシチュエーションで撮影してみました。上がXperia J1 Compact、下がZenFone 5です。

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また、明かりを完全に消した状態でも被写体を十分判別できる程度には仕上がりました。日本で発売中のSIMフリー端末で、ここまでの性能を実現している機種はなかなかありません。こちらも同様にZenFone 5で撮影したものと並べてみました。

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細かな点では、日本語入力アプリの「POBox Plus」にも注目です。

これは、ソニーモバイルが独自に開発した日本語入力アプリで、変換性能の高さや、かゆいところに手が届くカスタマイズ性能で人気を得ています。

ZenFone 5のように定評のあるATOKを搭載する機種もありますが、SIMフリー端末は日本語入力が必要最小限ということが一般的。その点、Xperia J1 Compactは日本語入力でも独自性を発揮できていると言えるでしょう。

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SIMフリー端末として初のおサイフケータイ対応

Xperia J1 Compactは、大手キャリア以外が販売する端末として初のおサイフケータイに対応しています。

これまで、MVNOのSIMカードでおサイフケータイを使うには、いわゆるキャリア端末の新古もしくは中古品を使う必要がありました。ただし、キャリア端末は元々、販売元のキャリア向けに最適化されているため、一部機能に制限があります。新古、中古で購入すると、保障の面でも完璧ではありません。

その点、Xperia J1 Compactなら、新品を購入しても普通におサイフケータイが利用できます。Xperia J1 Compactのおサイフケータイアプリを起動すると、「モバイルWAON」「楽天Edy」に対応していることが分かります。

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残念ながら現時点では「モバイルSuica」には非対応となりますが、関係者とは協議中とのこと。過去のXperiaが対応してきた経緯を考えると、あとからモバイルSuicaが使えるようになっても不思議ではありません。

 

高い性能が魅力ながら価格も比例、トータルパッケージにお得感を見出せるか?

と、ここまでXperia J1 Compactの性能の高さを見てきましたが、それもそのはず、この機種のスペックは、ドコモから2014年の夏モデルとして発売された「Xperia A2」とほぼ同じだからです。ロゴや内蔵アプリの違いをのぞけば、外観にも大きな差はありません。本音を言えば、新機種として出すのであれば、もう少しだけデザインには違いを出してほしかったところ。せめてほかにはないカラーを採用するなどの違いはほしかったと感じています。

 

また、本体にはSo-netの「PLAY SIM」が付属しており、その開通手数料と合わせて価格は5万7800円になります。一般的なミッドレンジクラスのSIMフリー端末が、3万円前後であることを考えると、その差は2倍弱。ある意味、性能が高くて当たり前とも言えます。

とは言え、So-netの専用料金は比較的安く、たとえばイオンで契約すると、1日100MBまでデータ通信が利用できるプランは月額1480円。2年契約をすれば、1280円に料金が下がります。ソニーストアで契約できる料金プランは、4GBで1580円。いずれも、音声通話まで利用できるプランです。

イオンで2年契約をして、端末を24回払いにすると月々の料金は3563円。トータルで見れば、大手キャリアよりは割安と言えるのかもしれません。もちろん、もっと安いミッドレンジモデルとデータ通信のみのSIMカードを組み合わせて月額料金を抑えるという手はありますが、格安スマホと呼ばれるミッドレンジ端末では物足りないという人には、オススメできる機種と言えるでしょう。

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石野純也
ケータイジャーナリスト。通信業界を中心に取材し、幅広い媒体で原稿を執筆している。国内はもちろん、海外の通信、スマホ事情にも詳しい。