SIM×デバイス指南

CPUの違いがスマホの性能の違い!? クアルコムのSnapdragonシリーズからスマホをチェックしてみる

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 スマホは、一般的に、ハイエンドクラス(おおむね7万円以上)、ミドルレンジクラス(2万円台後半から6万円台)、ローエンドクラス(2万円以下)と販売価格によって表現される事が多いです。
この販売価格に大きく影響するのがスマホのスペック。スペックには、ディスプレイサイズや解像度、カメラ性能など注目すべき点がいくつもありますが、特に価格を大きく左右し、そして一般的には分かりにくいのが「CPU」です。
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 スマホ用のCPUを制作しているメーカーはいくつかあります。
有名なCPUメーカーといえば、パソコンでもおなじみのインテルやNVIDIA。また、スマホ本体を製造しているメーカーでも、サムスンやファーウェイなどは、自社製のCPUを採用しているケースもあります。

採用モデルの多いSnapdragonシリーズ

 そんな数あるスマホ用CPUのなかでも、多くの端末で採用されているのが、クアルコムの「Snapdragonシリーズ」です。
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クアルコムはフィーチャーフォン時代からチップセット製造を手掛けており、特に通信系のチップセットとしては老舗のメーカーです。最先端の技術を取り入れた通信用チップもいち早く投入しています。

スマホの場合、メインのCPUだけでなく、通信系のチップを組み合わせる必要があり、このあたりがクアルコム製CPUの採用モデルが多くなる理由のひとつです。
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Snapdragonシリーズは、ハイエンド向けの800シリーズから、600シリーズ、400シリーズ、そしてローエンド向けの200シリーズの4つから構成されています。

また、それぞれのシリーズにも複数のモデルが用意されていて、キャリア端末のスペック表などではシリーズ名ではなく、「MSMxxxx」といった感じでモデル名で表記されている場合もあり、ぱっと見ではどのシリーズか分らないことも。
ちなみに、筆者もすべての型番を覚えてはおらず、新モデルが発表されるたびに検索して調べています。
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 スマホのスペック表からは、CPUの型番、「xxMHz」と表記されるクロック周波数、「クアッドコア」などのコア数しか記載されていないため、「ハイエンド向きはコア数が多くて処理速度が速い」くらいの性能差に思いがちですが、実はそれ以外にも大きな違いがあります。
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 この記事も含めて、一般的に「CPU」と表記していますが、スマホ用のチップセットは計算処理をする機能以外にも、グラフィック処理やカメラなどのコントロール、無線LAN機能など、数々の機能をまとめた「SoC(System on a Chip)」という形になっています。
 このSoCとしてまとめられている機能にも、シリーズごとに差があるのです。たとえば、ハイエンドモデルには処理能力の高いグラフィック機能が搭載されています。そのため下位モデルと比べて、3Dゲームなどではより精細な映像が描画できます。
 さらに通信機能でも、LTE-Advancedの上位カテゴリー規格が導入され、最新の通信規格の速度をいち早く体験できるといったアドバンテージもあります。

Snapdragon800シリーズ

 Snapdragon800シリーズの最新モデルは「810」で、3月のスペインで開催されたMWCでは、ソニーモバイルから搭載端末として、「Xperia Z4 Tablet」が発表されました。
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 スマホとしては、LDエレクトロニクスの「LG G Flex2」などが採用していますが、国内向けモデルとしてはまだ発売例がなく、今年中盤から後半にかけて搭載端末が多数登場することが予想されます。
 とはいえSnapdragon800シリーズは、残念ながら国内では格安SIMと組み合わせて使うようなSIMフリー端末への採用はあまり多くはありません。Snapdragon800シリーズの端末と格安SIMを組み合わせるなら、キャリア端末の中古や新古品を入手するのが一般的です。
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 現在購入できるSIMフリー端末としては、前モデルの「805」や「801」を搭載したモデルがメインとなり、Googleの「Nexus 6」がSnapdragon805を搭載。また、パナソニックの高級デジカメスマホ『LUMIX DMC-CM1』がSnapdragon801を搭載しています。
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 ちなみに、Snapdragon800シリーズは4k動画の撮影にも対応しているのがポイント。Snapdragon800搭載のキャリア製端末が登場したときに、各社4K対応を大きくうたっていたのは、CPUが対応したためとも言えます。

Snapdragon600シリーズ

800シリーズのひとつ下のモデルとなるのが「600」シリーズです。現行モデルは「615」、「610」となっており、こちらも海外モデルはHTCの「HTC One(M8s)」など採用例はあるものの、国内端末には現状では採用例がありません。

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 シリーズの位置づけとしてはミドルレンジですが、グラフィック性能や通信性能などは800シリーズに近く、ミドルレンジのスマホのなかでも、価格の高いモデルに採用されるケースが多くなっています。
 国内向けのSIMフリー端末としては、業務用のため一般向けではありませんが、前モデルの「600」をパナソニックの「タフパッド FZ-X1」が採用しています。
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Snapdragon400シリーズ

 ミドルレンジのもうひとつのシリーズが、Snapdragon400。世界的にも採用例が多く、日本でも格安スマホとして、多くのSIMフリー端末が採用しているシリーズです。
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 国内モデルとしては、日本通信から発売された「VAIO Phone VA-10J」が最新モデルの「410」を搭載しています。また、前モデルの「400」は、ASUSの「ZenFone 5」、LGエレクトロニクスの「LG G2mini LG-D620J」などが採用しています。
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 400シリーズは、グラフィック性能こそ上位モデルに劣りますが、ウェブサイトの表示など2D画面のサクサクと動作し表示は問題なしのレベル。また、LTEにも対応し格安SIMの高速通信機能もキッチリと利用できるモデルとなっています。

Snapdragon200シリーズ

 シリーズとしてはローエンド向けのモデルで、最新モデルは「210」です。ローエンド向けながらLTEに対応しており、デュアルSIMも利用可能というスペックになっています。
 ただし、世界的にもあまり採用例は見当たらないのが現状。ローエンド向けは、3G対応のMediaTek製CPUがより低価格のため人気となっています。とはいえ、各国でもLTEがスタートしており、プリペイドSIMでも利用できるケースが増えているので、今後の各メーカーの動きに注目といったところです。

さらに進化するSnapdragonシリーズ

Snapdragonシリーズはほぼ毎年アップデートされており、そのつど最新機能や性能アップが図られています。また、現状では最上位モデルの800シリーズにしか搭載されていない機能でも、のちに400シリーズでも採用されるということもあります。

 スマホの価格差が気になったとき、CPUの違いを調べてみると、「同じシリーズでも最新モデルを採用している」といった理由が分ったりするので、細かくチェックしてみましょう!
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