格安SIM比較

au系2社目のMVNO、UQ mobileを試す!

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 au系MVNOとして昨年話題を集めたケイ・オプティコム「mineo」ですが、12月に強力なライバルが誕生しました。それが、KDDIバリューイネイブラーの展開する「UQ mobile」です。

 WiMAX、WiMAX 2+のサービスを行うUQコミュニケーションズと名前が似ていますが、UQ mobileはあくまでMVNO。KDDIの子会社が立ち上げた、au回線を使う”格安SIM”と言えば分かりやすいでしょう。

 今回は、このUQ mobileの特徴をまとめつつ、実際にそのSIMカードを使ってみました。

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UQ mobileの料金や特徴をチェック

料金プランは2種類

 UQ mobileは、KDDIが子会社を使って自ら立ち上げたMVNOです。格安SIMと呼ばれるMVNOの多くはドコモの回線を利用していますが、これに対抗する意味合いもあります。

 そのため、UQ mobileはネットワークをauから借りてサービスを行っています。

 特徴は、やはり実人口カバー率で99%を超えたLTEのエリアの広さ。本家のauでは、VoLTE対応とともに、LTEのみに対応した端末もリリースしていますが、それができるのはLTEのエリアが広いからこそ。実際に、auを使っていると、「3G」の表示を目にすることはほとんどありません。

 UQ mobileも、このauとエリアは同じ。mineoと同様、音声回線には3Gを利用しますが、データ通信はLTEのみになります。

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 サービス開始とともに用意された料金プランは2つ。1つが、毎月2GBまで高速通信が利用できる「データ高速プラン」。データ通信のみの場合が月額980円、音声通話対応のものが月額1680円です。

 もう1つの料金が、「データ無制限プラン」。こちらは、利用できるデータ量に制限はありませんが、速度が300Kbpsに制限されています。ただし、キャンペーンとして、今年の12月31日までは速度制限がやや緩和されており、最大500Kbpsで通信を行えます。料金はデータ通信のみが1980円。音声通話対応だと、2680円になります。

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サービスも充実、メールまで利用できる

 サービスが充実しているのも、UQ mobileのおもしろいところ。留守番電話サービス、三者通話サービス、迷惑電話撃退サービスをパックにした「電話基本パック」のほか、購入した端末の盗難・紛失に備える補償サービスも用意されています。

 MVNOとして珍しいのが、メールサービス。「@uqmobile.jp」のメールアドレスをもらうことができ、ケータイメールとして利用できます。このメールはSMSを拡張したMMSとして扱うことができ、Android端末では「ハングアウト」アプリで読み書き可能です。

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それぞれのプランの速度はどのくらい出る?

時間帯によらず、安定した速度を記録

 UQ mobileの「データ高速プラン」と「データ無制限プラン」、それぞれのSIMカードで速度を計測してみました。

 時間帯によって速度が変わる可能性があるため、12時台、15時台、18時台の3回、それぞれ3回ずつ速度を測っています。

 また、比較のため、大元であるau回線でも同じ時間に速度を測りました。その結果は、下の表のとおりです。

12時台
  下り 上り 遅延
 UQ mobile(データ高速プラン) 13.95Mbps 5.82Mbps 80ms
12.86Mbps 13.12Mbps 68ms
12.99Mbps 13.03Mbps 80ms
 UQ mobile(データ無制限プラン) 0.87Mbps 0.97Mbps 70ms
0.87Mbps 1.33Mbps 69ms
0.88Mbps 1.50Mbps 67ms
 au 14.87Mbps 8.57Mbps 60ms
13.
14Mbps
7.24Mbps 62ms
13.14Mbps 8.95Mbps 61ms

 

15時台
  下り 上り 遅延
 UQ mobile(データ高速プラン) 16.02Mbps 9.13Mbps 77ms
13.57Mbps 6.78Mbps 78ms
15.03Mbps 8.34Mbps 71ms
 UQ mobile(データ無制限プラン) 0.83Mbps 0.56Mbps 53ms
0.89Mbps 0.82Mbps 53ms
0.87Mbps 1.46Mbps 69ms
 au 14.86Mbps 12.08Mbps 49ms
12.51Mbps 8.00Mbps 60ms
13.21Mbps 10.57Mbps 50ms

 

18時台
  下り 上り 遅延
 UQ mobile(データ高速プラン) 15.57Mbps 12.34Mbps 67ms
16.50Mbps 12.60Mbps 71ms
16.49Mbps 13.40Mbps 68ms
 UQ mobile(データ無制限プラン) 0.88Mbps 1.22Mbps 76ms
0.73Mbps 1.13Mbps 66ms
0.76Mbps 1.00Mbps 62ms
 au 16.59Mbps 13.92Mbps 54ms
18.74Mbps 14.11Mbps 51ms
16.58Mbps 15.06Mbps 49ms

 

 この結果を見ると、「データ高速プラン」であれば、大元のauとほぼ同等の速度が出ていることが分かります。品質的には十分と言えるのではないでしょうか。まだサービスを開始したばかりなので一概には言えませんが、今のところは安定して利用できそうです。

 一方の「データ無制限プラン」についても、うたい文句どおりと言ったところ。上限であるはずの500Kbpsより速度が速いのは気になるところですが、キッチリ制限はかけていないのかもしれません。ただ、速度が高いぶんにはユーザーにとってはメリットとなります。これなら、比較的軽量なWebの表示などはスムーズ。SNSやメッセージ中心の使い方なら、十分と言えます。

契約前にチェックしておきたい注意点

データ量を使い切っても、追加不可

 サービスを開始したばかりとあって、使い勝手の面ではまだまだ改善の余地があります。この点を知らずに契約すると、あとで後悔することにもなるので、契約前に確認しておきましょう。

 もっとも気になるのが、データ量の追加ができない点。「データ高速プラン」の場合、2GBを使い切ったら200Kbpsに速度が制限されますが、追加で容量を購入することができません。

 極端な話、月の最初に2GB使い切ってしまったら、残りはずっと200Kbpsということになります。そのため、データ通信はなるべく計画立てて使うようにしましょう。

 UQ mobileがサービスを拡充することにも期待しています。

 

端末のバリエーション

 au系の端末は、3Gの規格に「CDMA2000 1x」を採用しています。これは、ドコモやソフトバンク、ワイモバイルと異なる規格。世界的に見ても、この方式を利用している国はアメリカなどの一部に限られます。

 そのため、出回っているSIMフリー端末も限定的。発売済みのSIMフリー端末も、UQ mobileに非対応なことがほとんどです。

 もちろん、auの端末は利用できるため、auからの乗り換えや、中古で手に入れたau端末を使うことはできます。ただし、ドコモ系のMVNOと同じように、端末のバリエーションがあることは期待できません。

 UQ mobile自身も「LG G3 Beat」と「KC-01」という端末を発売しているため、手持ちの端末がないときは、これらを検討してみるのもいいでしょう。

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iOSは動作保障対象外

 また、端末という点では、mineoと同様、iOSが利用できないのもネックです。UQ mobileはnanoSIMを提供していないため、そもそもiPhone 5以降の端末には物理的にSIMカードを挿せませんが、それ以前のiPhoneでも動作は保障されていません。

 試しに、iPhone 4sにSIMカードを挿してみましたが、LTE非対応のため通信はできませんでした。また、仮にnanoSIMがあっても、mineoと同様、iOSのバージョンによっては通信できないことがあるようです。

 事実上、端末の選択肢はAndroidかルーターになると考えておいた方がよさそうです。

 

 このように弱点もあるUQ mobileですが、au回線を2GBまで、980円で使えるのは大きな魅力。通信速度についても、申し分ありません。

 au系のMVNOとして、今後も注目しておきたい1社です。 

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