新しいiPad Proが発売されました。このモデルは、iPad史上最大級と呼べるほどの進化をしており、機能性だけでなく、見た目も大きく変わりました。また、iPadでおなじみのApple SIMも、eSIMになり、使い勝手が向上しました。ここでは、そんな最新モデルの中身を見ていきましょう。

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ホームボタンを廃してデザイン一新、機能も最先端

 新しいiPad Proは、その姿を見ただけですぐに分かるほどのフルモデルチェンジを果たしています。これまで、伝統的にiPadに搭載されてきたホームボタンを廃し、iPhone Xシリーズと同様、前面からは物理的なボタンがなくなり、スッキリしたデザインになりました。ベゼルこそありますが、従来よりも目立たなくなっているため、まるでディスプレイそのものを持っているかのようです。

 ホームボタンがなくなり、Touch IDは使えなくなりましたが、代わりにiPhone Xシリーズと同じFace IDが採用され、iPad Proを見るだけでロックが解除されるようになりました。iPadは、iPhone以上に顔と一定の間隔を空けて使うことが多いため、ロック解除の失敗が少ない印象。あたかも最初からロックをかけていないかのように使えます。

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本体上部にTrueDepthカメラを備え、Face IDに対応した

 iPad Proシリーズの特徴ともいえるパフォーマンスの高さも、健在です。新しいiPadには、「A12X Bionic」と呼ばれるチップセットが内蔵されています。名称こそ、iPhone XS、XS Max、XRに搭載された「A12 Bionic」と似ていますが、「X」があるとないのとでは大違い。8コアのCPUをフルに使うことができ、GPU性能も大幅に強化されているため、アプリがとにかく快適に動きます。

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CPU、GPUともにベンチマークではハイスコアを記録

 さらに、同シリーズの代名詞ともいえるApple Pencilも第2世代に進化。形状が変わり、本体側面(横位置のときは上部)にマグネットでカチッとくっつけることで充電が可能になり、Lightningを使用していた第1世代のApple Pencilより、取り回しがしやすくなり、見た目もスマートになりました。Apple Pencilのダブルタップにも対応しており、これでツールを切り替えられるようになったため、操作もスムーズです。

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Apple Pencil(第2世代)は本体側面に装着できるようになった

 

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Apple Pencilのダブルタップに対応し、鉛筆と消しゴムなどのツール切り替えが可能に

Apple SIMからeSIMへ進化、キャリアの拡大にも期待大

 格安SIMユーザーにとって重要な変化が、Apple SIMがeSIMになったことです。iPhone XS、XS Max、XRと同様、新しいiPadも従来までのApple SIMではなく、eSIMが搭載されるようになりました。iPhone発売以降、海外キャリアやローミングキャリアが続々とeSIMに対応しているため、渡航前に設定しておくなどすれば、便利そうです。

 ただ、eSIMは設定にQRコードやアプリが必要になり、Apple SIMのようにiPadの設定画面上からキャリアを選んで手続きを済ませるだけといった手軽さがありません。開始されたばかりのサービスのため、上記のような使い方をするのはまだまだハードルが高いといえます。

 ところが、ふたを開けてみたところ、そんな心配は不要だと分かりました。新しいiPadでも、Apple SIMのようにメニューからキャリアを選べたからです。以下の画面は、日本で「モバイルデータ通信」の設定内にある「新規プランを追加」をタップした際に出たものです。過去のiPad Proを持っていた人なら分かるとおり、出てくるメニューはほぼApple SIMのものと同じ。唯一の違いは、「その他」の項目があるところで、QRコードで提供されるeSIMは、この項目から設定できるようです。

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Apple SIMと同様、対応キャリアが表示された

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「その他」を選ぶとQRコード読み取り画面に

 このように、新しいiPadのeSIMは、Apple SIMの機能を統合したもの。キャリアから提供されたQRコードなどがなくても、メニューを選んでいくだけで簡単にデータ通信プランを契約できます。

試しにGigSkyを契約してみた

 試しに、ローミングキャリアのGigSkyをiPad Pro上で契約してみました。先に述べたように、設定を開き、メニューから「モバイルデータ通信」をタップして、「新規プランを追加」を選択します。すると、利用できるキャリアの一覧が表示されるので、この中にあるGigSkyを選択します。アカウントがない場合は、ここで作成することも可能です。

 今回筆者は、中国出張が控えていたため、15日2GBのプランを選んでみました。日本を含むアジア・パシフィックで使う際の料金は3600円。アクティベートが終わると、モバイルデータ通信内で通常のSIMカードとGigSkyをワンタッチで切り替えられるようになりました。

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ローミングキャリアのGigSkyを契約してみた

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海外出張が控えていたため、2GBプラン(3600円)を契約

 日本ではローミング経由でつながっているため、速度はやや遅め。ドコモの純正回線と比べると、遅延も気になるところですが、1日だけデータ通信を使いたいという人にも1日300MBで1200円という料金があるので、便利なキャリアといえるでしょう。ほかにも、auやソフトバンクがプリペイドプランを提供しているため、使いたいときだけデータ通信をアクティベートできます。

 海外で現地キャリアと直接契約するということもできます。試してみた限りでは、北米でT-Mobileなどの現地キャリアが選択できました。ほとんどの格安SIMでは、データ通信の国際ローミングが提供されていないため、海外渡航時には別の通信手段を用意する必要があります。こうしたときに、iPad ProのeSIMは便利。Apple SIMと仕様が似ているため、メニューから直接選択できるキャリアは限られていますが、北米や英国などの国に渡航する際にはいい選択肢といえるでしょう。

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上がGigSkyで下がドコモ。ローミングのため、遅延がやや気になる