ブランド刷新から1年経ったnuroモバイルが、料金プランを大幅にリニューアルしました。もともと1GB刻みだった料金体系を整理し、ドコモ、ソフトバンク両回線ともに同容量のプランを用意して「分かりやすさ」が前面に出ています。その内容や料金改定の狙いを解説していきます。

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1GB刻みの料金を廃止してシンプルに

 これまでのnuroモバイルは2GBから10GBまで、1GB刻みの料金プランを主力に据えていました。料金はデータプランのみの場合、2GBで700円となり、1GB上がるごとに200円料金が上がる仕組みでした。この料金体系を、4つに整理したのが改定の主な内容です。

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1GB刻みの料金プランを用意していた 

 新たに用意されたのは、月2GBの「Sプラン」、月7GBの「Mプラン」、月13GBの「Lプラン」と、月200MBの「お試しプラン」の4つです。Sプランは700円と料金据え置きですが、Mプランは1500円と200円の値下げ、Lプランの13GBはこれまでになかった容量ですが、2700円と従来の10GBプランより400円高い金額に収まっています。

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リニューアル後の料金プラン

 また、お試しプランはデータ通信のみの場合、月300円。音声通話はすべてのプランで月700円の基本使用料がかかりますが、それをつけても1200円で済んでしまいます。さらに、お試しプランについては、音声通話をつけても最低利用期間がなく、まさにお試し感覚で選べるプランに仕上がっています。

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月200MBのお試しプランも用意 
 上記はドコモ回線を選んだときのプランですが、ソフトバンク回線でも同様の4プランが用意されており、金額はSプランが980円、Mプランが2300円、Lプランが2980円で、お試しプランが500円に設定されています。音声通話に関しては、ドコモ回線と同じ700円の基本使用料がかかります。
 
 nuroモバイルでは、「Xperia XZ Premium」専用の帯域を用意し、アップロードがすべてカウントフリーになる「Xperia限定プレミアム帯域オプション」を展開していますが、新プランでもこれは利用できます。また、1GB刻みの料金プランが廃止されたのを受け、データチャージの金額も下がり、1GBあたり600円(ソフトバンク回線の場合900円)になりました。 

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Xperia XZ Premium専用のプレミアム帯域オプションはそのまま残る格好に

選びやすくなったのが新料金のポイント

 では、nuroモバイルが料金プランを改定した狙いはどこにあるのでしょうか。背景には、「MVNOがずいぶんと浸透し、市場比率も11%を超え、マジョリティの方々に移ってきた」(モバイル事業部門ビジネス開発部長 細井邦俊氏)ことがあります。ニッチな存在だったMVNOが、ここ数年でメジャーな選択肢の1つになり、より分かりやすさが求められていたというわけです。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

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MVNOの会社数も増え、市場がマジョリティ化していた

 1GB刻みのプランは一見ユーザーフレンドリーに見える部分もありますが、ユーザーが毎月どの程度の容量を消費するのかを見極めるのは非常に難しいのが実情です。月2GBが3GB程度であれば、毎月の利用量の推移を見れば分かるかもしれませんが、5GBと6GBや7GBと8GBなど、容量が増えてくると、そのぶん変動も大きくなるため、最適なプランを選ぶのが難しくなります。
 
 実際、nuroモバイルでも、「2GBプランをお使いの方がほとんど」で、7GBや10GBプランの比率も増えてきてはいるものの、特定の容量にユーザーが偏っている状況がありました。1GB刻みの料金プランを用意してはいましたが、ユーザーがきちんと選べていなかったと言えるでしょう。

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ユーザーも特定の料金プランに集中していた現状がある

 一方でソフトバンク回線の料金プランは選べる容量が2GBと5GBの2つしかありませんでしたが、ユーザーからの大きな不満は上がっていなかったといいます。こうした事情に鑑みて、料金プランに大ナタを振るって整理したというのが改定の背景にあります。サブブランドの料金プランを見ても基本的には3つから選ぶ仕組みのため、ユーザーにとってはこちらの方が分かりやすいはずです。

時間プランがなくなったのは残念

 ただ、逆に言えばサブブランドとの差別化ポイントがあまりなくなってしまったような印象も受けます。テレビCMなどを大々的に展開する大手キャリアのサブブランドとは異なり、MVNOにはニッチを攻めるという選択肢もあるはずです。お試しプランのような特色はありますが、以前のようなnuroモバイルらしさはなくなったようにも感じました。
 
 特色の1つであった「5時間プラン」や、夜間だけ高速回線が使える同プランの「深夜割」がなくなってしまったのは少々残念なところ。帯域の空いている時間を安価に提供するという手法は、非常にMVNOらしかっただけに、ニーズがあれば復活を期待したいところです。

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nuroモバイルの特徴だった時間割プランもなくなってしまった

 5時間プランを廃止したのは、「価格としても訴求できるのか不明確になった。ここを色々といじるのではなく、今回は基本のプランの改定に注力した」(細井氏)という理由からだといいます。
 
 確かに時間制と容量制が並存しているとやや複雑になってしまう感はあるため、同時にリニューアルしてしまうと混乱の原因になります。廃止はやむなしといったところでしょう。とは言え、nuroモバイルらしい何かもほしいのが正直なところ。Xperiaのミドルレンジモデルを導入するなど、ソニーグループとの連携にも期待したいと感じました。