スマホ全盛の中、あえて通話やSMSに特化した端末が登場しました。フューチャーモデルの「NichePhone-S 4G」がそれです。同モデルは昨年、3G版が開発され、クラウドファンディングに成功したこともあり、話題を集めました。その後継機となるのが、LTEに対応したNichePhone-S 4Gです。実機を入手したため、早速、その使い勝手を見ていきましょう。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

潔く割り切った機能、テザリングボタンも搭載

 大型化が進むスマホに逆行するように、NichePhone-S 4Gの本体は非常にコンパクト。ちょうど、タバコの箱や名刺入れなどと同じぐらいのサイズで、シャツの胸ポケットにもスッポリ収まります。本体は樹脂でできているため、持ったときに軽いのもポイントです。

 初代NichePhone-Sと比べると厚みはやや増してしまっていますが、そのぶん、手へのフィット感は上がっている印象。ボタンも四角になり、サイズもアップしているため、押しやすくなっています。この端末で文字入力をすることはあまりないかもしれませんが、電話番号を入力する際や、電話帳登録する際にはいい仕様といえます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
厚さは9.5mm。初代より厚くなっているが、そのぶん持ちやすさはアップ

 「6」キーの隣には、テザリングボタンが配置されています。LTEに対応しているため、ルーターにしても便利。電話とSMSに特化した端末ではありますが、Wi-Fi版のiPadなどを通信につなぐためにも使えるというわけです。

 SIMカードは本体上部に挿入します。キャップがついているだけで、抜き差しも簡単。nanoSIMを利用する形になるため、多くのスマホとSIMカードを共用できるのも、うれしいところです。本体下部にはストラップホールも設けられています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
SIMカードは本体上部に直接挿しこむ。落下防止のキャップがついている

 背面にある金属端子は、充電のためのもの。NichePhone-Sは、microUSBなどがなく、専用の充電器で充電する仕組みです。外出先でモバイルバッテリーを使って充電しようと思うと、ケーブルごと持ち運ばなければならないのは難点ですが、サイズ感を考えると致し方ないところかもしれません。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
背面には充電端子が。専用充電器も付属する

操作感はシンプル、文字の打ち心地も◎

 ベースとなるOSにはAndroidが採用されていますが、スマホのようにタッチパネルはなく、操作はすべてキーで行います。シンプルなケータイながら、アラームや録音機能は搭載されいますが、これらは端末上の「△」「▽」ボタンで呼び出す仕様。ややクセのある操作体系ですが、もともと機能もそこまで多くないので、慣れてしまえばスムーズに操作できるはずです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
操作は上下キーやOKキーで行う

 ちなみに、試用にあたってはOCNモバイルONEのSIMカードを挿してみましたが、APNは自動で設定されていました。APNは手動で打つこともできますが、テンキーしかなく、アルファベットなどは少々打ちづらいため、これはありがたいポイントといえるでしょう。ただし、自動で設定されるMVNOは一部に限られているため、マイナーな会社の場合は、手動でAPNを作成する必要があります。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
APNは自動で設定された

 実際にSMSを打ってみましたが、ややキーが固いところをのぞけば、打ち心地も悪くありません。NichePhone-S 4Gでは、FSKARENを採用し、文字入力の精度を上げたというだけあって、変換も比較的正確です。いわゆるEメールは搭載していませんが、SMSで短いメッセージのやり取りをするにはいいでしょう。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
変換精度は悪くない印象

 残念だったのが、いわゆる中継電話に対応していないところ。MVNOは、電話番号の頭にプレフィックスの番号をつけ、電話の経路を変えることで通話定額を実現しています。スマホの場合、アプリをインストールすれば簡単に使えますが、この端末ではそうはいきません。

 電話番号を入力する際に手動でプレフィックスの番号をつけたり、電話帳にあらかじめプレフィックスつきの番号を登録しておけばいいのですが、それも少々面倒。自動で番号を付加する機能がほしかったというのが正直な感想です。

NichePhone-S 4Gをお得に使えるMVNOはどこ?

 通話やSMSに特化したNichePhone-S 4Gですが、テザリングを使わないときMVNOの選択肢は、あまり多くありません。MVNOのビジネスはデータ通信が主戦場で、音声通話やSMSは、大手キャリアのものをそのままユーザーに貸し出している形になります。MVNOにとって、関与できる部分が少なく、提供のメリットもないため、どうしてもデータ通信つきが一般的になります。

 そのため、ほぼ通話のみで使うというケースでは、できるだけ容量の少ないプランを選ぶといいでしょう。たとえば、nuroモバイルの「0 SIM」の場合、データ通信は500MBまで無料。それもあって速度はあまり期待できませんが、音声通話とSMSを契約しても、最低月額700円で維持することができます。

1
0 SIMなら月額料金は700円から

 中継電話サービスの「nuroモバイルでんわ 10分かけ放題」が月額800円で、基本使用料と合算しても1500円で済みます。なお、この通話定額サービスを利用する場合は、上記に書いたようにプレフィックスを手動でつける必要があります。

 あらかじめ速度制限された状態で、料金を安く抑えるプランも存在します。たとえば、DMM mobileのライトプランは、200Kbpsと速度が遅い代わりに、料金が音声の基本使用料込みで1140円。10分かけ放題の通話オプションが850円で、これをつけても合計は1990円と、2000円に収まります。

2
DMM mobileのライトコースも200Kbpsと低速ながら安い

 LINEモバイルのLINEフリープラン(1GB)も、割安に維持できるプランの1つです。こちらの料金は1200円。10分かけ放題のオプションは880円で、合計すると2080円で利用できます。nuroモバイルやDMM mobileよりは割高になりますが、通信速度に定評のあるソフトバンク回線を選べば、テザリングも快適に利用できるでしょう。

3
速度重視ならLINEモバイルのソフトバンク回線を選ぶのも手か

 どこまでの機能を使うかで選ぶ会社や料金プランは変ってきますが、通話定額をつけなければ、1000円前後で維持できるのも魅力。ネット接続機能をあまり使わない親や、学校の行き帰りの電話だけでいい子どもなど、NichePhone-S 4Gは、自分以外の人に渡すのにもオススメできそうな端末です。