iPhoneの最新モデルとなる、iPhone XS、XS Maxが21日に発売されます。今年は、iPhone Xのバリエーションを3機種に拡大したのがポイント。iPhone Xの直接的な後継機となるiPhone XSに加えて、画面サイズを6.5インチまで拡大したiPhone XS Maxや、画面に液晶を採用したiPhone XRがラインナップされました。このうち、iPhone XSとXS Maxの2機種がまず発売されます。ここでは、発売に先立って使った実機レポートをお届けしていきます。

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iPhone XS Max(左)とiPhone XS(右)

デザインはほぼキープ、XS Maxは迫力満点のディスプレイ

 新機種といっても、デザインはiPhone Xを踏襲しているため、すでに見慣れている形かもしれません。改めて復習しておくと、どちらの端末もiPhone Xと同様、iPhoneの伝統だったホームボタンを廃し、画面上部にノッチのある全面ディスプレイの形状を採用しています。

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デザインやコンセプトはiPhone Xを踏襲している

 側面には、光沢感があるステンレススチールを採用。光に当たると、キラリと反射して高級感があります。また、新色としてゴールドが採用され3色展開になりました。ゴールドの背面はiPhone 8のそれに近い色合いですが、フレームが光沢感のある金色で、ゴージャスな印象を与えるデザインにまとまっています。

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新色のゴールド

 持ち心地や操作感に関しては、iPhone XSとXS Maxで異なります。まず、iPhone XSですが、これはiPhone Xとほぼ同じです。ディスプレイサイズが同じで、デザインもディテールの非常に細かい部分しか変わっていないため、これは当然といえるでしょう。一方で、iPhone XS Maxは、6.5インチとディスプレイが大きいため、持ったときにやはり存在感があります。

 とはいえ、持ちにくいということはなく、手の大きな人であれば、ギリギリ片手である程度までは操作できそうです。画面全体を引き下げる「簡易アクセス」を活用すれば、上部に配置したアイコンなどもタップできるでしょう。サイズ感に関してはiPhone 8 Plusとほぼ同じぐらいですが、上下にあった無駄なベゼルがないぶん、画面が広々としていて、片手持ちしたときも、より上の方に指が触れやすくなっています。
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ベゼルが狭くなったぶん、画面の上に手が届きやすい

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簡易アクセスを併用すれば、大画面でも操作しやすくなる

高いパフォーマンスとそれを活かしたカメラ性能

 見た目的には大きな変化のなかったiPhone XS、XS Maxですが、中身は一新されています。特に大きいのがチップセット。両機種ともに、7nmのプロセスルールで製造された「A12 Bionic」が搭載されています。このA12 BionicはGPU性能が大幅に強化されているほか、AIの処理を司るニューラルエンジンのコア数が2つから8つに増えています。

 以下にGeekbench 4で取得したベンチマークの結果を掲載しておきますが、確かにGPU性能が大きく伸びています。これに対してCPU性能も伸びてはいますが、伸びは小幅といえます。CPUそのものではなく、GPUやニューラルエンジンを強化し、グラフィックスや機械学習を使ったアプリをより快適に動かせるように強化したのがA12 Bionicの特徴といえるでしょう。

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CPUは小幅に、GPUは大幅にiPhone Xから強化された

 これによって、iPhone XS、XS Maxでは、機械学習を活用した機能が強化されています。中でもユーザーにとって分かりやすいのが、カメラでしょう。カメラ自体もセンサーが新しくなり、暗所性能が向上していますが、機械学習を組み合わせることでポートレートモードで撮った際の画質もより自然になっています。

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カメラに機械学習の力を取り込み、写りをよくしている

 以下にiPhone XS Maxで撮影した写真を掲載してみました。拡大して見ていただくと分かるように、髪の毛と背景の境界がキレイにボケていて、前景との分離が非常にうまくできていることが見て取れます。奥に行くに従って自然とボケが多くなっているのも好印象。これは、さまざまなレンズを使った際のボケ方を機械学習で学ばせて再現しているからできることです。

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ボケ味が自然だ

 また、iPhone XS、XS Maxでは、被写界深度の情報を写真に記録しておけるようになったため、後からボケ具合を編集することができます。撮ってみたあとでボケが足りないと思ったときは被写界深度を浅くすればいいですし、逆に背景までキッチリ残したいというときは被写界深度を深くすることもできます。

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被写界深度を後から調整できる

ギガビット級LTEに対応、MVNOでの利用は可能か?

 iPhone XS、XS MaxはLTEの通信性能も進化しており、公式には「ギガビット級LTE」に対応しているといいます。ギガビット級とはあいまいな表現ですが、およそ1Gbpsに近い性能ということ。5波を束ねるキャリアアグリゲーションや、4×4 MIMOに対応しており、たとえばドコモの場合、下り最大794Mbpsを実現しています。

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ギガビット級のLTEに対応

 では、MVNOでの利用は可能なのでしょうか。ここではひとまず、3キャリアそれぞれから回線を借りるMVNOのSIMカードをiPhone XSに挿してみました。ドコモ回線はOCNモバイルONE、au回線はmineo、ソフトバンク回線はLINEモバイルです。

 結論からいうと、3社とも、普段と同様、APN構成プロファイルをインストールするだけで普通に使うことができました。iPhone XS、XS Maxも従来と同様、アップル自身がSIMフリー版を販売しているため、MVNOで使いたいユーザーは端末のみを買うことが可能です。

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各MVNOで通信できた。ギガビット級の速度は出ていないが、帯域が空いていれば過去機種以上の速度が出そうだ

 価格はiPhone XSがiPhone Xと同じ12万1824円。iPhone XS Maxがディスプレイサイズが大きいぶん、それより1万円強高めの13万4784円になっています。これまでは端末購入補助がつく大手キャリアで購入した方が割安な傾向もありましたが、今年はauに続き、ソフトバンクも分離プランを導入しています。

 そのため、主要な料金プランを選ぶと端末価格はほぼ横並びか、むしろキャリア版の方が高くなります。毎月のランニングコストを抑える意味では、SIMフリー版とMVNOの組み合わせを選ぶのも手といえるでしょう。