8月31日から9月5日に渡って、ドイツ・ベルリンで世界最大の家電見本市「IFA」が開催されました。ここ数年はスマートフォンの冬モデルが発表される場としても注目集めているIFAですが、今年もさまざまな端末が展示されていました。

 「Xperia XZ3」や「Galaxy Note9」など、大手キャリアから発売されるであろう端末の話題は目にした方も多いかもしれません。一方で、IFAで発表、展示された端末は、それだけではありません。中には、日本でSIMフリースマホとして発売を期待したいモデルや一風変わったなかなか珍しいモデルも。ここでは、そんな端末を一挙に紹介していくとともに、日本上陸の可能性もジャッジしました。

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TCLはBlackBerry KEY2の廉価版を発表

 BlackBerryからブランドを引き継いだ中国TCLは、IFAに合わせて、「BlackBerry KEY2 LE」を発表しました。この端末は、日本で発売されたばかりの「BlackBerry KEY2」の廉価版にあたるモデルです。

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廉価モデルの「BlackBerry KEY2 LE」

 具体的には、金属フレームがポリカーボネート素材になっているほか、チップセットもSnapdragon 660からSnapdragon 636に、メモリ(RAM)は6GBから4GBにダウングレードされています。また、BlackBerryの特徴でもあるキーボードにも違いがあり、通常版はセンサーが内蔵されており、タッチ操作ができますが、LEではそれも省略されています。

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側面がポリカーボネートなのが外観上の大きな違い。内部のコストダウンも図られている

 一方で、実機を見てみると、質感はポリカーボネートとすぐに気づかないほどしっかり仕上がっていて、使い勝手も上々です。BlackBerryの特徴でもあるセキュリティアプリの「DTEK by BlackBerry」も内蔵されていますし、キーボードでアプリを一発で立ち上げる機能も利用できます。コストパフォーマンスに優れたBlackBerryを求める人には、いい端末といえるでしょう。

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BlackBerryシリーズではおなじみのセキュリティアプリも完備

日本上陸度 ★★★★☆

 

ゲーミングスマホや腕時計型スマホを展示したNubia

 日本ではまだまだな印象もありますが、海外でにわかに盛り上がりを見せているのがゲーミングスマホ。通常のスマホよりもCPUやGPU、メモリのスペックを上げたり、ゲーム専用モードを設けたりして、よりゲームを遊びやすくしている端末のことを指します。デザイン的にも、ゲーミングPCのように、“盛った”感じのモデルが多い印象です。

 元々ZTEの子会社として発足したNubia(現在はZTEが出資比率を下げ、関連会社になっている)も、ゲーミングスマホの「Red Magic」をIFAに出展しました。同モデルは、チップセットにSnapdragon 835を採用。CPUこそ1世代前のものですが、メモリ(RAM)は8GB、ストレージ(ROM)は128GBと、かなりのスペックで、ゲームブーストモードも備えています。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

Nubiaのゲーミングスマホ「Red Magic」

 背面のデザインがゲーミングPCのように、かなりサイバーな印象に仕立て上げられているのも印象的です。しかも背面中央のスリット部分にはLEDが内蔵されており、ゲームブーストモードをオンにするとこの部分がピカッと光ります。ド派手な演出で好みは分かれそうですが、ゲーミングスマホらしい個性を持った端末といえるでしょう。

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背面はLEDが光るド派手な仕様に

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ゲームブーストモードを搭載

 また、Nubiaのブースにはコンセプトモデルとして、腕時計型のスマホが展示されていました。このモデルはeSIM内蔵で、電話やネット閲覧などもできるとのこと。しかもディスプレイ部分には有機ELを採用しており、表示部分をグイッと曲げて腕に装着することができます。Apple Watchのように、メインの番号と同時着信できる機能にも対応していくとのこと。まだコンセプトモデルの段階ですが、発売を目指しているそうで、期待が持てそうです。

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腕時計型のコンセプトモデル「α」も出展

 ちなみに、Nubiaは日本展開はまだしていませんが、なぜか日本法人のWebサイトがあり、「Z17 mini」という端末だけはしっかりと日本語に翻訳されています。OPPOに次ぐメーカーとして、日本市場に参入する可能性もあるかもしれません。

日本上陸度 ★★★☆☆


変態端末ぶりはNO.1か? ハイセンスの良画面スマホ

 日本では家電メーカーとしておなじみの中国・ハイセンスですが、地元である中国を中心に、海外ではスマホも展開しています。そんなハイセンスがIFAにフラッグシップとして送り出したのが、両画面スマホの「A6」。背面は液晶や有機ELではなく、モノクロの電子ペーパーになります。

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背面が電子ペーパーになった「A6」

 もちろん、前後の画面は連動しており、背面に画面を送るためのボタンも存在します。たとえば、写真を見ているときに背面に送り、そのままにしておけば、オリジナルの模様として使えるというわけです。電子書籍を読むときに、紙のように見やすい背面を使うのもいいでしょう。専用ランチャーも用意されており、頑張れば背面だけで使うことも不可能ではありません。

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表の画面からコンテンツを送ったり、背面だけで直接操作したりできる

 背面に電子ペーパーを搭載したスマホでは、ロシアのYotaPhoneが有名ですが、3代目以降は後継機のウワサが聞こえてきません。一方でハイセンスは、昨年のIFAに続いて両画面スマホを発表するなど、かなりのアグレッシブぶり。実用性については実機を触っても「?」な部分はありましたが、横並びになりつつあるスマホの中では、抜群の個性であることは間違いありません。

日本上陸度 ★☆☆☆☆

 

ZTE、制裁解除後初の発表はフラッグシップモデル

 アメリカからの制裁措置で端末の出荷などを停止していたZTEですが、8月には体制を変え、事業を再開しています。これに伴い、IFAではフラッグシップモデルの「AXON 9 Pro」を発表しました。

 AXON 9 Proは、ZTEのフラッグシップモデルに位置づけられるスマホで、ディスプレイはノッチつきの6.21インチ。有機ELを採用しているため、色も鮮やかでした。チップセットにはSnapdragon 845、メモリ(RAM)は6GB、ストレージ(ROM)は128GBと、スペックも最上級です。

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ZTEの「AXON 9 Pro」

 ディスプレイが特徴的で、動画やゲームなどを利用している際にフレームの補間が可能。これによって、より滑らかな動きが実現します。

 背面には1200万画素と2000万画素のデュアルカメラを搭載。2つのカメラの焦点距離の違いを活かし、ポートレートモードで背景をボカした撮影などを楽しめます。ややiPhone似の端末ですが、カメラではRGBの一部の色を残したままモノクロ撮影ができるなど、より多機能な端末に仕上がっている印象を受けました。

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ディスプレイやカメラに特徴のあるフラッグシップモデルに仕上がっている

 AXON 9 Proは、対応周波数に「JP」の文字もあり、日本上陸が期待できそうな1台。過去にSIMフリーモデルとして発売されてきた経緯があるだけに、今回も期待しておきたいところです。

日本上陸度 ★★★★☆

 ほかにも、端末ではありませんが、ファーウェイがAI処理能力を高めた新たなチップセットの「Kirin 980」を発表し、それを搭載した「Mate 20」シリーズを10月16日にロンドンで披露する予告をIFAで行いました。Mate 20シリーズもSIMフリーとして発売される可能性は高く、注目しておいた方がよさそうです。

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ファーウェイが発表した「Kirin 980」