世界最大の家電見本市IFAを取材するため、ドイツ・ベルリンにやってきました。海外に来たときに頼りになるのが、やはり現地SIM。最近では前回レポートした「変なSIM」のように、海外で割安に使えるSIMカードも登場していますが、やはりコスト面だけを考えると、現地でSIMカードを買った方がベターです。

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SIMカードが買いにくくなったドイツの通信事情

 ただし、SIMカードは、どの国でもすぐに買えるわけではありません。契約が伴うため、国や地域によっては非常に買いにくいこともあり、先進国では身分証明書が必要になることもあります。簡単に一般化はできませんが、欧州にはテロ対策などを理由としてSIMカードの発行を厳しくしている国もあります。

 ドイツもその1つ。実は昨年も、同様にSIMカードを購入しようとしましたが、最大手キャリアのドイツテレコムは、旅行者へのプリペイドSIM発行を中止していました。ただ、これはすべてのキャリアが一律にそうしているというわけではなく、対応はまちまち。そのため、昨年は、契約が可能だったVodafoneでSIMカードを買っています。

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昨年訪れたドイツテレコムのショップでは、SIMカードを売ってもらえなかった

 とはいえ、その値段があまりリーズナブルではありませんでした。金額にすると、およそ50ユーロ強で、これなら手間を考え、大手キャリアの国際ローミングに頼ってもいいと思ったほどです。そこで今年は、別の手を取ることにしました。それが「欧州ローミング」です。

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VodafoneではSIMが手に入ったものの、50ユーロ強と高額に

欧州内ならローミングが無料で使える

 一般的に国際ローミングというと、追加で料金がかかるイメージがあると思いますが、こと欧州に関してはそれが当てはまりません。欧州内に限った話ですが、ほとんどの場合、国際ローミングは無料で利用できるようになっています。

 これは、単純に言えば、欧州委員会が各国のキャリアに規制をかけているため。背景には、国際ローミングに高額な料金がかかることに批判が集まっていたことが挙げられます。こうした声を受けるかたちで、昨年あたりから、国際ローミングの無料化が実現しました。

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Orangeの料金プランの説明には、欧州内のローミングは無料との記載がある

 そこで筆者は、2月にスペイン・バルセロナで契約したOrangeのSIMカードを使ってみることにしました。Orangeはフランスに本拠地を置くキャリアですが、欧州内に展開しており、スペインでも1つのキャリアとして事業を行っています。

 文字にするとちょっとややこしくなってしまいますが、「Orange(本社フランス)のスペイン支社でSIMカードを買い、ドイツで使う」というわけで、なんだかグローバルな感じがします(笑)。

 スペインのOrangeのメリットは、やはりその料金の安さ。3GBのプランが15ユーロで選択できます。ただし、この容量がキャンペーンで3倍になっており、合計容量はなんと9GBに。わずか15ユーロで9GBというのは破格といえます。

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15ユーロで3GBだが、キャンペーンで容量は9GBに

料金追加はオンラインでOK

 OrangeのSIMカードには日本で料金をチャージしました。プリペイドSIMカード用のサイトがあり、ここで現在契約しているプランの確認や、プランの変更などができます。ただ、このサイトで日本のクレジットカードを使おうとしたところ、うまく決済ができませんでした。これも欧州キャリアでは割とよくあることです。

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オンラインで料金プランの変更などができる

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日本のクレジットカードはエラーに

 スペインに行く機会があれば、キャリアショップを直接訪れてチャージしたのですが、今回の出張では目的地のドイツ以外に立ち寄る予定はありません。そこで、仕方がなく、チャージ専用のサイトを使ってみることにしました。

 海外では、この手のプリペイドSIMカード用チャージサイトは珍しくなく、利用も簡単。手数料はかかってしまいますが、本家のサイトでは弾かれてしまった、日本のクレジットカードも利用できます。筆者は今回、タイの「Mobile Topup」というサイトを使いました。ここはタイのサイトになるため、バーツ建てで支払うことになりますが、欧州キャリアにも対応しており、きちんとチャージができました。

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タイのMobile Topupというサイト経由でチャージができた

 手順も簡単で、自分の電話番号を入力して表示されたキャリアからOrangeを選択、あとはチャージしたい料金を選んでクレジットカード番号を入力するだけです。

現地での利用はデータローミングをオンにするだけ、欧州はSIMの維持もオススメ

 チャージに成功したらあとは現地で使うだけ。機内でSIMカードを入れ替え、経由地のベルギー・ブリュッセルで機内モードをオフにしたところ、すぐにLTEをつかみ、通信が始まりました。

 ブリュッセルまでのフライト中にたまった大量のメールもすぐに読み込めたため、通信速度も速そうです。最終目的地のベルリンでも同様で、着陸後、フライトモードを解除したところ、すぐに通信が始まりました。

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データローミングをオンにしたところ、すぐに通信が始まった

 国際ローミングなので当たり前といえば当たり前なのですが、使い勝手は国内キャリアで国際ローミングしたときと大差はありません。ベルリンで速度を測ってみましたが、繁華街にある宿の付近でも28Mbpsと高速で、ストレスはほとんどありません。ベルリンの場合、地下鉄乗車時に一部電波が途切れることはありますが、地上であれば問題なく通信できます。

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速度も速く、ストレスなく通信できる

 日本のSIMカードで国際ローミングするのとは異なり、欧州内で通信経路が完結していることもあってか、遅延の数値も低めに出ています。これなら、海外のサーバーにあるサイトと通信するときにも、スムーズに表示がされそうです。

 今回のレポートはあくまで一例ですが、欧州内のローミングは追加料金が発生せず、お得に使うことができます。国によって価格差があるため、SIMカードが安く、買いやすい国で手に入れておくことをオススメします。欧州は比較的、SIMカードの有効期限が長いキャリアが多いため、年1回、2回訪れるようであれば、SIMカードを維持しておいてもよさそうです。