MVNOのほとんどは、データ通信の国際ローミングに対応していません。海外で利用できるのは音声通話やSMSのみ。そのため、海外でデータ通信をするには、Wi-Fiルーターをレンタルしたり、現地のSIMカードを購入したりと、何らかの対策が必要になります。その1つの選択肢になりそうなのが、7月にサービスが始まった「変なSIM」です。

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24時間500円で海外データ通信が可能な変なSIM

 変なSIMは、日本通信と海外旅行大手のH.I.S.が合弁で設立した、H.I.S.モバイルの提供するSIMカード。eSIMで中身を書き換えることができ、75の国や地域で利用できます。大手キャリアの国際ローミングに比べると国数は少なめではありますが、料金が1日、200MBまで500円で一律と、リーズナブルなのが特徴。格安料金を求めるMVNOユーザーには、うってつけのサービスといえます。1
料金は1日500円

 しかも、変なSIMは、通常のSIMカード型に加えて、手持ちのSIMカードに貼って使うタイプのシール型SIMカードも用意されています。普段のSIMを使うか、変なSIMを使うかはアプリで切り替えるだけでOK。これなら、SIMカードスロットが1つしかない端末でも、簡単に利用することができそうです。8月に米ニューヨークに出張する機会があったので、早速この変なSIMを試してみました。

貼り付けは簡単、アプリで事前にプランを購入

 貼るタイプのSIMカードということで、今回はソフトバンク回線のLINEモバイルに、これを貼り付けてみました。まずは国内での準備から。貼る位置がずれてしまうのが心配でしたが、実際の作業は非常に簡単でした。SIMカードの台紙にある“くぼみ”に手持ちのSIMカードを入れ、シールを貼り付けるだけ。このちょっとした工夫のおかげで、正確に変なSIMを貼り付けることができます。dav

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くぼみに手持ちのSIMを入れ、変なSIMを貼り付ける。その後は、普段と同様、SIMカードを端末に入れる

 次に行ったのが、専用アプリのダウンロード。今回はiPhone Xを利用しましたが、iPhoneの場合、アプリはH.I.S.モバイルのサイトからダウンロードする必要があります。App Storeで配信されているわけではないので、注意しましょう。まずエンタープライズAppをインストールし、iPhone側でそれを「信頼」にすればOK。法人用の仕組みを応用しているようです。

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H.I.S.モバイルのサイトからアプリをダウンロード

 

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変なSIMのアプリを「信頼」に設定

 アプリをインストールしたら、次はプランの購入です。SIMカードへの書き込みにはインターネット環境が必要になるため、これは渡航前にあらかじめ行っておく必要があります。うっかり忘れてしまうと、Wi-Fiを探して作業しなければならないため、到着してすぐに使いたい場合は、国内で忘れずにやっておきましょう。

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国を選択して、日数を選んでプランを購入

 今回は、アメリカを選択。国際ローミングや現地SIMも持っているため、お試しとして1日を選択しました。これで料金は500円。利用開始から24時間使うことができ、200MBを超えても低速で通信が可能です。

SIMカードの切り替えをして通信すればOK、ただしトラブルも

 準備が済んだら、飛行機の中でSIMカードの切り替えを行います。元々のSIMカードと貼った変なSIMのどちらを読むかは、アプリで切り替えられるというわけです。アプリを開き、「変なSIM」ボタンをタップするだけと手順もシンプル。現地に着いたら、「このプランを使う」ボタンをタップします。24時間のカウントは、このボタンを押した段階から始まります。

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アプリから端末が読み込むSIMカードを切り替える

 これですぐに通信できた……と書きたかったところですが、ちょっとしたトラブルもありました。アンテナマークは表示され、電波はつかんでいたのですが、いつまで経ってもデータ通信ができません。APNを設定し直してみたのですが、それでも解決はできず。そこで、iPhoneにインストールされていた、LINEモバイルのプロファイルを削除してみました。

 プロファイル削除後に再起動したところ、無事にデータ通信が成功。空港で速度を測ってみましたが、下りで6Mbps程度出ており、TwitterやFacebookなどのSNSや、マップなどもスムーズに読み込めました。

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スピードテストの結果もまずまずといったところ

 若干はトラブルがあったものの、通信は快適にでき、24時間で500円という料金も安いと感じました。ただ、200MBという容量は少々微妙なところ。SNSなど、データ容量が大きくなりがちなアプリを使っているとすぐに上限に達してしまいます。また、プランの購入にインターネット接続が必要なところも、注意したいポイント。渡航先では、24時間ごとに買い足すのではなく、あらかじめ必要な日数分をまとめて購入しておいた方がよさそうです。