SIMフリースマホ市場でシェア1位を誇るファーウェイが、夏モデル2機種を発表しました。「P10」「P10 Plus」と、フラッグシップモデルを大小2機種発表した昨年とは異なり、今年のSIMフリーモデルは「P20」のみに集中。大ヒットモデルになった「P10 lite」の後継機にあたる「P20 lite」も発売されました。

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AI対応でダブルレンズカメラが魅力のP20

 P20はチップセットにKirin 970、背面にライカと共同開発したダブルレンズカメラを搭載したフラッグシップモデルで、ドコモからすでに発売されているP20 Proの“兄弟機”という位置づけになります。トリプルカメラや1/1.7インチのセンサーを搭載したP20 Proには一歩及びませんが、P20にも1/2.3インチとP20 Proに次ぐサイズのセンサーが搭載されており、暗所でもきれいな写真が撮影できます。

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フラッグシップモデルのP20

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背面にはダブルレンズカメラを搭載

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厚さ7.65mmとスリム

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本体下部にはUSB Type-Cの端子が。3.5mmのイヤホンジャックは非搭載

 機械学習の処理に特化したNPUを内蔵するKirin 970を搭載しているため、パフォーマンスはP20 Proとほぼ同等。被写体を瞬時に見分けて最適な撮影モードを選択する機能も搭載されているほか、AIによって手ブレを抑える機能にも対応します。夜景モードにすれば、手持ちでも明るく夜景を撮影できる点は、P20 Pro譲りといえるでしょう。

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AI対応のカメラで自動的に最適なモードをチョイス

 AIはインカメラでも活用されており、人の顔を3Dで認識します。これによって、「3Dポートレートライティング」という、自撮りに照明効果を加える機能が利用できるようになっています。3Dで顔を認識できることもあって、顔認証でのロック解除も素早く行えます

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インカメラは3Dポートレートライティングに対応する

 ディスプレイが5.8インチとP20 Proより一回りコンパクトなため、人によってはこちらの方が持ちやすいと感じるかもしれません。
ディスプレイの形状はP20 Proと同じく上部にノッチがあり、19:9と縦に長いのが特徴です。

 キャリアモデルとして発売されたP20 Proにはない機能としては、DSDV(デュアルSIM/デュアルVoLTE)が挙げられます。2枚のSIMカードが同時に利用できるため、複数のMVNOを使い分けたり、海外で国際ローミングしつつ現地SIMを挿したりといったことも可能。フラッグシップながら、P20 Proよりもスペックが抑えられていることもあって、価格も6万9800円とリーズナブルな設定になっています。主なスペックの比較は以下のとおりになるため、購入を考えている人は参考にしてみてください。

  P20 Pro P20
ディスプレイサイズ 6.1インチ 5.8インチ
CPU Kirin 970 Kirin 970
RAM 6GB 4GB
ストレージ 128GB 128GB
カメラ 4000万画素カラー+2000万画素モノクロ+800万画素望遠 1200万画素カラー+2000万画素モノクロ
DSDV 非対応 対応
おサイフケータイ 対応 非対応
防水・防塵 IPX7/IP6X IP53

必要十分な機能を備え、大ヒット間違いなしなP20 lite

 もう1機種、SIMフリーとして発売されたのが、ミドルレンジモデルのP20 liteです。本ブログでも取り上げたとおり、すでにau版が発表されていましたが、仕様はほぼ同じです。価格は3万1980円です。詳しい機能は、こちらを参照してください。

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SIMフリー版のP20 lite

 チップセットにはKirin 659を採用しており、ミドルレンジながらメモリ(RAM)は4GBと十分なスペックです。また、画素数や仕組みはP20などと異なりますが、背面にはダブルレンズカメラも搭載されています。P20はモノクロで撮った写真にカラーセンサーで色をつけていく仕組みですが、P20 liteは1600万画素のカメラをメインにしつつ、200万画素のカメラで深度を測定する仕組みです。P6110430

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ライカブランドはつかないが、ダブルレンズカメラで背景をボカした写真も撮れる

 au版と、SIMフリー版の違いはストレージ(ROM)のスペックにあります。au版は64GBなのに対し、SIMフリー版は32GB。写真などをたくさん撮るにはやや心もとないスペックになっているので、メイン端末としてフル活用したい人は、microSDカードで容量を補っておくといいでしょう。

キャリアとSIMフリーで全方位戦略を取るファーウェイ

 SIMフリースマホ市場を切り開いてきたファーウェイですが、2017年は大手キャリアへの進出が目立っています。ここまで触れてきたように、フラッグシップモデルはP20 Proをドコモ独占にしたのに対し、P20はSIMフリー市場へ投入するといったように、端末を販路ごとに出し分けています。

 同じフラッグシップでも、より価格帯の高くなりがちなP20 Proは月々サポートのあるドコモに、逆に、高機能ながら約7万円と買いやすいP20はSIMフリー市場に投入したというわけです。P20 Proを待ち望んでいたMVNOユーザーには残念なお知らせになってしまったかもしれませんが、市場規模を考えると両方をSIMフリーとして発売するのは難しいだけに、この戦略は理解できます。

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ドコモとSIMフリーというように販路を分けたP20 Pro(左)とP20(右)

 一方で、ミドルレンジモデルはボリュームゾーンになる価格帯なだけに、販路を問わずに販売しています。上記のP20 liteはau、ワイモバイル、UQ mobileのほか、SIMフリー版は家電量販店だけでなく、各MVNOからも発売されています。

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売れ筋モデルなだけに、販路も広いP20 lite

 また、MVNO専用モデルで販路を絞っていたnova lite 2も、家電量販店などで購入できるようになりました。それとほぼ同時期に、ソフトバンクでの発売も決定しています。ソフトバンクからは、昨冬のフラッグシップモデルでKirin 970を搭載したMate 10 Proも発売になりました。SIMフリー市場でシェアトップを盤石にしたファーウェイですが、キャリアから端末が発売されることで、スマホ全体でのシェアもさらに上っていくことになりそうです。

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ソフトバンクもフラッグシップモデルのMate 10 Proを取り扱う