ASUSは、2月にスペイン・バルセロナで発表された「ZenFone 5Z」「ZenFone 5」「ZenFone 5Q」(グローバルではZenFone 5 Lite)の3機種を、日本で発売します。

 発売日は、ZenFone 5と5Qが5月18日に、ZenFone 5Zが6月下旬。家電量販店で販売されるのはもちろん、人気の高いシリーズとあって、各MVNOも取り扱いを表明しています。早速、その特徴を見ていきましょう。

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「AI」が売りのZenFone 5と5Z、ノッチありのディスプレイも

 ZenFone 5シリーズの中で、ど真ん中になるのが、Snapdragon 636を搭載した、ミドルハイの「ZenFone 5」です。このZenFone 5と同じデザイン、同じカメラを搭載しながら、チップセットをハイエンド端末向けのSnapdragon 845に置き換えた最上位モデルが、ZenFone 5Zになります。共通点も多いため、以下ではZenFone 5をベースに紹介していきます。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

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ZenFone 5Z(上)とZenFone 5(下)。見た目では区別がつかない

 両機種の特徴は、機械学習や深層学習といった「AI」をフル活用しているところにあります。AIを前面に打ち出した端末は、最近だとファーウェイの「Mate 10 Pro」や「P20 Pro」などがありますが、ASUSもこのトレンドに真正面から取り組んだというわけです。

 AIを応用した機能は「AIカメラ」「AIディスプレイ」「AI着信音」「AIブースト」「AI充電」「AIフォトラーニング」の6つ。中には、「これ、ホントにAI必要?」と疑問に感じた機能もないわけではありませんが、カメラのシーン認識がより正確になったり、写真の設定の好みを学習してくれたりする点は、AIならではの特徴といえるでしょう。

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AIを応用した機能を6つ搭載

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撮影時にシーンを判別するAIカメラ

 色温度を環境に応じて変えてくれるAIディスプレイや、周囲の音に合わせて着信音の音量を調整してくれるAI着信音も、AIの必要性云々を抜きにすると、便利な機能といえます。バズワードになっているAIですが、あまり難しいことを考えず、ユーザーに合わせて、設定を自動で最適にしてくれる機能と考えておいた方がいいのかもしれません。

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色味を自動調整するAIディスプレイや、音量を自動調整するAI着信音を搭載

カメラは通常と広角のデュアル、ディスプレイも迫力

 カメラは2機種ともに共通で、1200万画素のメインカメラと、800万画素の広角カメラが背面に搭載されています。インカメラも同じく800万画素。広角カメラは、120度と風景などをダイナミックに撮るのに適しています。背景ボカシなど、デュアルカメラ搭載機ではおなじみの機能にも対応します。

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通常と広角を切り替えられるデュアルカメラを搭載

 インカメラはビューティモードに対応。自然に被写体を美しく加工してくれるため、SNSなどに自撮り写真をアップする際にはうってつけです。また、インカメラを使い、表情に合わせてスタンプのようなアバターを動かす、「Zenimoji」にも対応しています。iPhone Xの「アニ文字」に似た機能ですが、こちらは幅広いアプリで利用することができます。また、Zenimojiはアップデートで、ライブ配信にも対応する予定です。

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ビューティモード対応。インカメラを活かしたZenimojiも搭載

 ZenFone Max Plusで初めて縦長ディスプレイを採用したASUSですが、ZenFone 5、5Zも比率は19:9と縦長で、しかもiPhone Xのような切り欠き(ノッチ)のある形状になっています。どちらもIPS液晶ですが、色は鮮やか。ノッチの左右に黒い帯を表示させて、切り欠きが最初からないように見せる機能もアップデートで対応するため、この形状が気になる人には朗報です。

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ノッチを隠す機能はアップデートで対応

 スペックも充実。もともと4GBだったZenFone 5ですが、メモリ(RAM)は国内仕様として6GBにアップしています。バッテリーが犠牲になりますが、AIブーストを使えば性能も向上するため、よりハイエンドモデルに近づきます。プレミアムモデルとしてZenFone 5Zが用意されてはいますが、ゲームなどの性能を要求されるアプリを使うのでない限り、ZenFone 5で十分といえそうです。

 価格はZenFone 5が5万2800円、ZenFone 5Zが6万9800円。SIMフリースマホの売れ筋よりは高めですが、機能性を求める人にとっては手頃といえるかもしれません。

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価格はZenFone 5が5万2800円

前後に2つずつのカメラを搭載したミドルレンジのZenFone 5Q

 グローバル発表時にはZenFone 5 Liteという名称だったことからも分かるように、ZenFone 5Qは一段価格の安い、ミドルレンジモデルという位置づけです。価格も3万9800円と、ギリギリですがSIMフリースマホのボリュームゾーンである3万円台に収まっています。

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4つのカメラを搭載したZenFone 5Q

 一方で、ZenFone 5Qは単なるZenFone 5の廉価版ではありません。デザインが異なるのはもちろんですが、最大の違いはカメラになります。ZenFone 5がアウトカメラのみデュアルカメラだったのに対し、ZenFone 5Qは、イン、アウト、両方がデュアルカメラになっています。

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インカメラもデュアルになって広角撮影が可能に

 どちらもメインカメラと広角カメラの2段構成で、ZenFone 5Qであれば、ZenFone 5や5Zで撮れなかった、広角での自撮り写真も撮ることができます。チップセットはSnapdragon 630、メモリ(RAM)は4GBと、スペックだけを見るとZenFone 5にやや劣りますが、ことセルフィに関しては、ZenFone 5Qの方が優れているというわけです。インカメラのメインカメラは画素数が2000万と高いのも、特徴です。

 ただし、ZenFone 5QはZenFone 5、5Sで売りになっていたAI機能が搭載されていません。スピーカーもシングルになっているなど、細かな点でもコストダウンが図られています。そのぶん、ZenFone 5より1万3000円も安くなるため、どちらを選ぶかはお財布との相談になるでしょう。セルフィを重視する人には、悩ましい選択ともいえます。