ゴールデンウィークを利用し、中国・香港を旅行してきました。海外滞在時にまずやることと言えば、やはりSIMカードの確保。SIM道場でも、過去に何度か海外SIMの話を取り上げてきましたが、今回は香港でのSIMカードの買い方、使い方をご紹介します。

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空港到着ロビーでSIMカードが入手可能、時間もわずか5分程度

 世界各国からモノが集まる貿易拠点として栄えた香港は、知る人ぞ知るSIMフリー端末大国でもあります。スマホ全盛期以前から、あちこちに携帯電話を販売するショップがあり、人口700万人強ながら、キャリアも4社体制が続いています。こうした事情もあり、SIMカードが簡単に手に入るのも、大きな特徴といえます。

 実際、香港の玄関口である香港国際空港には、「CSL」「3」「中国移動香港」と3社のキャリアショップが集っています。このうち、CSLと中国移動香港が到着ロビーにあり、旅行者用のSIMカードなどを販売しています。フロアの移動が必要になってしまいますが、3のSIMカードも出発ロビーで入手できます。

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到着ロビーにあるCSLと中国移動香港

 今回は家族旅行という形だったため、単独での出張のように自由な時間が取れなかった筆者ですが、上記のような充実した環境だったこともあり、到着後、すぐにCSLショップでSIMカードを入手できました。CSLが旅行者用に販売しているのは、「Discover Hong Kong Tourist SIM Card」。種類は2つで、88香港ドル(約1224円)のものと、118香港ドル(1642円)のものがあり、それぞれ利用期間と容量が異なっています。

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Discover Hong Kong Tourist SIM Card

 前者はデータ通信の有効期間が5日間で1.5GB。これに対し、後者は8日間で5GBになります。期間的には5日間の旅行だったため、安い前者で十分でしたが、1.5GBだとやや容量に不安があったため、118香港ドルの後者を購入。SIMカードは店頭でお金を払うだけで、すぐに受け取ることができました。本人確認なども必要ありません。所用時間は、APN設定まで含めて、わずか5分程度でした。

 店頭では、ロックを解除した端末を渡せば、APNの設定もしてくれます。今回は、SIMロックを解除したドコモ版Galaxy Note8を使いましたが、APNを設定した瞬間、すぐにLTEでデータ通信がつながりました。APNは「PCCW」で、これはCSLと合併した通信会社の名称になります。

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APNはPCCW。ユーザー名やパスワードは不要

速度も上々、対応バンドにはやや注意が必要

 設定後は、特に問題なく、スムーズに使うことができました。エリアも広く、建物内に入ってもほとんど圏外になることはありませんでした。ちなみに、香港のキャリアは基本的にBand 3(1.8GHz帯)を中心にエリアを構築しており、CSLや3、中国移動香港はBand 7(2.5GHz帯)も使っています。

 Band 3は日本だと、ドコモとソフトバンクがすでに利用しており、グローバルで幅広く使われる帯域のため、ほとんどのスマホが対応しています。そのため、SIMフリースマホやSIMロックを解除したキャリアのスマホを持ち込んでも、周波数が合わずに使えないという心配はありません。

 ただし、Band 7はやや特殊で、一部の端末は対応していないことがあります。一方で、今回、筆者が使用したGalaxy Note8は、国際ローミング用にこのバンドをサポートしていたため、Band 7の電波もきちんとつかむことができました。

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Band 7のLTEをつかんだ

 試しに宿泊先のホテルでスピードテストしてみましたが、下りが24.7Mbpsとまずまずの結果に。これは、20MHz幅ある、Band 7につながっていたためだと思われます。旅行ということもあり、通常の出張以上に写真や動画を撮りまくり、それらを即座にGoogleフォトにアップロードしましたが、速度が十分だったこともあり、スムーズに利用できました。SNSのタイムラインもすぐに表示されます。
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約25Mbpsと速度もまずまず

 余談ですが、香港は中国ではありますが、特別行政区として自治権もあり、法律や制度もほぼ別の国のように扱われています。先に挙げた4キャリアも、中国移動香港以外は、香港や中国以外の国の資本で運営されています。中国移動香港も中国のキャリアですが、悪名高い金盾による検閲はなく、GoogleやFacebookなども自由に利用できます。価格も安く、国際ローミングに頼るより、断然お得といえるでしょう。

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Wi-Fiを使わなかったこともあり、4.5GBを消費

iPad ProでのApple SIMは、キャリアの書き込みに失敗

 快適だったCSLですが、もう1回線試してみたくなり、iPad ProのApple SIMで、SmarToneの契約にチャレンジしてみました。香港内では、3とSmarToneがApple SIMに対応しているようです。SmarToneの価格は、3日/2GBで38香港ドル(約528円)から。データ通信だけとはいえ、通信料金は激安です。

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3やSmarToneがApple SIMに対応

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料金も安い

 ところが、ここで問題が発生。画面の指示に従い、メールアドレスやクレジットカードの番号などを入力するだけで契約は完了……と思いきや、最後のキャリア設定を書き込む段階で、設定アプリがシャットダウンしてしまい、SmarToneの情報が書き込めませんでした。

 その後、Apple SIMで新規契約を何度も試みたのですが、エラーが頻発。結局、帰国までApple SIMは使うことができませんでした。帰国後も、本来表示されるはずであるauやソフトバンクの選択画面が表示されていないため、書き込み段階で何らかのトラブルが起こってしまった可能性が考えられます。

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トラブル発生後から、新規プランの追加ができなくなってしまった

 Apple SIMは便利な反面、なかなかキャリア選択の画面が出ないこともあり、安定性が今一歩といった印象。選べるキャリアの数も、あまり広がっていません。今回のようなトラブルは初めてですが、サービスのクオリティをより向上させてほしいと感じています。