IIJが、加入者管理機能を自ら持ち、フルMVNOのサービスを開始しました。まずは法人向けのサービスが開始されていますが、個人の利用者がフルMVNO回線を使ってみる手もあります。訪日外国人向けに販売されている、「Japan Travel SIM」を購入するというのがそれです。訪日外国人向けと銘打たれてはいますが、日本人の利用も可能。モバイル回線を一時的に利用したいときなどに、検討したいサービスです。さっそく、このSIMカードを購入し、使ってみました。

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これまでよりも低価格で、サイズの事前選択も不要

 購入の際にまず気づくのが、価格の違いです。フルMVNOは1.5GBのものが1998円、3GBのものが3024円と、これまでのJapan Travel SIMよりも割安になっています。これは、フルMVNOになることで、SIMカードの維持費用などのコストが下げられているためです。2000円を切っている1.5GBは買いやすく、タブレットなどに一時的に使うのにも向いた料金といえるでしょう。

 これまでのJapan Travel SIMとは異なり、あらかじめSIMカードのサイズを指定する必要もありません。SIMカードは「3-in-1」タイプになっており、nano、mini、通常と3サイズに切り取ることができます。最近の端末であれば、ほぼnano SIMにしておけば問題はありませんが、SIMフリーのWi-Fiルーターなどにminiサイズが必要なこともあるため、サイズを自由に選べるのもうれしい仕様といえます。

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SIMカードは3サイズに切り取り可能

 パッケージには、SIMカードのほか、説明書やWi-Fiサービスの案内なども入っています。台紙には初期登録に必要な2つのパスコードが書かれているため、SIMカードを切り取ったあとも捨てないようにしましょう。なお、初期登録には、パスポートが必要になります。

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訪日外国人向けのWi-FiサービスやIP電話サービスも付属する

 SIMカードを切り取ったら、端末に挿入します。ただし、この段階では、電波をつかみません。マニュアルに記載されているように、ここで端末を再起動させます。すると、電波をつかみ、「3G」や「LTE」のピクトが表示されました。今回、SIMカードを挿したのはSIMフリーのiPhone Xですが、APN設定をする前に、ネットにつながってしまいました。

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端末にSIMカードを挿入した

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再起動前は圏外に

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端末を再起動させる

 どうやらiOSではAPN不要でネットにつながるようですが、IIJによると、正式にはAPN設定を推奨しているとのこと。OSのバージョンによっても挙動が変わってしまう可能性があるため、APNはきちんと設定しておいた方がいいでしょう。iOSの場合、インターネット共有もAPN設定後でないと利用できません。

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APNが空の状態でもネットにつながった

初期登録を済ませたら、ネットに接続

 ネットワークにつながったら、初期登録を済ませます。iPhoneの場合、Safariを開き、適当なサイトにアクセスしようとすると、IIJのサイトにリダイレクトがかかります。

 ここでは、「Register」を選択。画面に表示される手順に従って、名前やパスポート番号、生年月日などを入力していきます。同じ画面で開通日を選択することができますが、今すぐ使いたい場合は「今すぐ」にしておくようにしましょう。この初期登録が済むと、ネットにつなげられるようになります。

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IIJのサイトで本人確認を行ったあと、すぐにネットにつながった

 試しに速度を測ってみましたが、15時台の東京・渋谷で下りが57Mbps程度出ており、十分快適に使える印象を受けました。ただし、フルMVNOといっても、ドコモから回線を借りていることに変わりはなく、通信が混み合う12時台には速度が低下している様子も見られました。

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速度も上々

ドコモ端末では認識できず、要SIMフリー端末

 スムーズに接続できたJapan Travel SIMですが、注意点もあります。これまでIIJが提供してきたドコモSIM版のJapan Travel SIMとは異なり、フルMVNO版はIIJが自らSIMカードを発行しています。そのため、端末にSIMロックがかかっていると、フルMVNO版のJapan Travel SIMは認識されません。

 試しに、ドコモのSIMロックがかかっている「Galaxy S7 edge」にJapan Travel SIMを挿してみましたが、「無効なSIMカードです」と表示されてしまい、通信ができませんでした。パッケージにも、「for unlocked phone」と記載されているように、利用にはSIMフリー端末が必要になります。

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SIMロックがかかった端末では使えなかった

 また、あくまで訪日外国人向けのSIMカードという位置づけのため、有効期限も30日に設定されています。容量が足りなくなったときはチャージすることもできますが、手元に置いておいて、好きなときに通信するといった使い方はできません。一方で、フルMVNOはSIMのアクティブ/非アクティブを自由に切り替えることもできます。今後のサービスにこうした機能が反映されることも、期待しておきたいところです。