R11sで日本上陸を果たした中国のスマホメーカーOPPOが、本社および本社工場を日本のメディアに公開しました。筆者も、この本社ツアーに参加。急成長で話題を集める中国メーカーの端末は、一体、どのようなところで作られているのでしょう。ここでは、その様子をお届けします。

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中国・深センにあるOPPOのヘッドクオーター

平均年齢はなんと20歳代、若者が働くOPPOの深センオフィス

 OPPOのヘッドクオーターは、目覚ましい経済成長で注目を集める、中国の深センにあります。登記上の本社は深センのお隣にある中国・東莞にあり、ここには工場も併設されていますが、意思決定や戦略策定など、いわゆる本社としての機能は深センのオフィスに集約しているとのことです。

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オフィスビルの上層階にあり、対岸の香港も見渡せる

 オフィスの中は、流行りのIT企業といったような雰囲気。働いている人が非常に若く、活気があると感じました。休憩用の長めのいい屋外スペースや、フィットネスジムを併設しているのも、IT企業っぽいところといえるかもしれません。また、社員食堂も完備していて、低料金でランチが提供されているそうです。

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ジムや社食などを完備しており、イマドキのIT企業といった雰囲気

 OPPOは、採用に際して、若者を重視する戦略を取っています。採用担当のヘルソン氏によると、これは、同社のCEOの「健康で持続的な企業になるためには、チームが時代についていかなければならない」というポリシーに基づいているとのこと。一方で、こうした若者をバックアップする体制もきちんと取られているそうです。

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社員の平均年齢は20歳台とのこと

端末は外注なしで自社生産、品質にもこだわりが

 スマホの世界では、メーカーといっても自社で製造まで行っていないことの方が珍しくありません。中国や台湾などのOEM、ODMに、生産を任せることができるからです。フラッグシップモデルは自社で製造しても、ローエンドなどはお任せにしてしまうというように、端末によって生産体制を分けることもあります。

 ところが、OPPOはローエンドからフラッグシップモデルにいたるまで、すべてを自社で生産しているといいます。その生産を担うのが、東莞にある工場です。

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中国・東莞の本社工場模型

 東莞には、敷地面積およそ22万平米の巨大な工場があります。設立は2004年のことで、台湾人が設計に携わったといいます。2015年に改装を経て今に至ります。単なる生産拠点ではなく、従業員の生活スペースを兼ねているのも特徴。この工場には、社員寮や社員食堂も併設されており、およそ7000人の従業員がここで暮らしているそうです。

 OPPOは、中国全体で3万人の社員を抱えているそうですうが、この工場と本社オフィスには、その1/3にあたる1万人が働いています。生産体制を重視するところや、社員の職住が一体となっているところは、全盛期だったころの日本メーカーを彷彿とさせるところがあります。

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東莞の工場は、社員寮、社食、スポーツコートなど、職住一体となった巨大施設

 この工場では、基板の製造から組み立て、品質管理までを一手に行っています。メディア側に公開されたのは、PCB基板の製造ラインと、品質管理の行程です。基板の製造は半自動化されており、次々と表面に回路がプリントされていく様子を確認できました。この工場のライン1つで、約1万の基板を製造するキャパシティがあるといいます。元々OPPOは、MP3プレイヤーなどを製造していましたが、2008年に携帯電話へ参入するのに伴い、このラインを開設したそうです。

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スマホ用基板の製造ライン。半自動化しており、生産能力は高い

 組み立てられたスマホの一部は、「QE」と呼ばれる品質検査にかけられます。これは、3万台の中から100台のサンプルを抜き出し、チェックする行程。オーディオ機能や、電波の強さのチェックなどに加えて、落下試験やねじり試験など、耐久性もここで確認します。もちろん、他のメーカーでもこうした試験は実施していますが、行程を公開するところに、OPPOの品質に対する自信が見え隠れします。

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上からオーディオテスト、落下耐性試験、ねじれ耐性試験

カメラフォンとして成長して世界シェア4位に成長

 元々OPPOは、MP3プレイヤーを手掛ける小さなメーカーでした。携帯電話の製造に参入したのは、2008年のこと。当時はまだフィーチャーフォンでした。スマホの第一弾は2011年と、今から約7年前。他社と比べると、決して参入は早かったわけではありませんが、そこから急成長を遂げました。

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MP3プレイヤーメーカーとして参入。2008年にはフィーチャーフォンを開発

 その理由の1つは、カメラ機能や充電機能など、ユーザーが重視する機能を徹底的に掘り下げていったところにあります。OPPOは、早くからカメラに着目し、センサーをソニーと共同開発したり、ISPをクアルコムと共同開発したりと、デバイスレベルでの差別化を意識していました。

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センサーをソニーと共同で開発した「Find 7」

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Snapdragon 600シリーズもクアルコムと共同で開発

 セルフィにも早くから力を入れており、参入1年後に開発された「U701」には、すでに美顔機能が搭載されていました。OPPOはここから、美顔機能をさらに進化させ、「Ulike2」で第2世代に、回転カメラで話題を呼んだ「N3」で第3世代に、そして「R9」で第4世代に進化させています。

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早くからセルフィに注目

 もちろん、日本で発売中のR11sにも、こうした特徴は受け継がれています。他の機種にはない、明るさに応じて使うカメラを切り替えるデュアルカメラや、AIを活用した美顔機能などを搭載しているところは、イン、アウト、それぞれのカメラにこだわってきたOPPOならではといえるでしょう。

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日本で発売されたR11s

 日本に正式参入したOPPOですが、現在はまだチーム作りの段階。ローカライズを重視しているというだけに、R11sの反響を見て、日本のユーザーの声に応えてくれる可能性もあります。日本市場には根を張ってじっくり攻略していきたいというだけに、今後も注目しておきたいメーカーといえるでしょう。