海外渡航中のスマートフォンを使ったモバイル通信は、現地のプリペイドSIMを購入するのがもっともコストパフォーマンスの高い方法です。とはいえ現地で購入するには言葉の問題もあり、旅慣れていない人にはややハードルの高い方法でもあります。さらに最近では海外でもプリペイドSIMを購入する際の本人確認が厳しくなってきており、気軽に購入して使うという状況ではない国や地域も多くなっています。

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▲台湾・桃園空港のキャリアカウンター

 そのため筆者はここ最近の海外渡航では、モバイル通信にキャリアのローミングサービスを利用しています。といってもドコモ、au、ソフトバンクなどの国内キャリアのローミングサービスではなく、タイのキャリア『AIS』のローミングサービスです。

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 AISは海外ローミングとして、「SIM2Fly」というサービスを提供しており、「アジア&オーストラリア」が8日間で4GB、「ヨーロッパ、アメリカ&そのほか」が15日間で4GBというプランを提供しています。ちなみに「アジア&オーストラリア」は日本や中国、東南アジア諸国を含む16ヵ国が対応エリアで、「ヨーロッパ、アメリカ&そのほか」は「アジア&オーストラリア」の16ヵ国を含む欧州や南北アメリカなど70ヵ国が対応です。

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 ちなみに対応国のうち1ヵ国だけ通信できるのではなく、一度開通すれば期間中は対応国すべてで通信可能。「アジア&オーストラリア」なら日本から台湾、香港、中国へと渡り歩いても8日間はトータルで4GBまで使用できます。

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 AISの「SIM2Fly」はプリペイドSIMのプランですが、専用のSIMとしても販売されており、日本ではAmazonのマーケットプレイスに出品されているので、手軽に購入できます。価格は「アジア&オーストラリア」が1500円前後。「ヨーロッパ、アメリカ&そのほか」は3500円前途が相場になっています。

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 利用方法はカンタンで、SIMフリースマートフォンに「SIM2Fly」のSIMをセット。しばらく待つと現地キャリアの電波をつかみ、SMSを受信します。次にAndroidならAPNを「internet」に設定。iOSの場合は基本的には自動でAPNが設定されるので入力の必要はありません。
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 あとは「デーローミング」をオンにすれば、データ通信がスタート。データローミングをオンにするとSMSを受信し、そこから利用期間のカウントが開始します。どちらのプランも対応国として日本が含まれているので、うっかり渡航前の日本でスタートさせると飛行機での移動時間などを無駄に消費してしまうので、現地に到着してから開通作業をしたほうが良いでしょう。

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 開通のタイミングさえ気をつければ、あとは対応する国と地域で自由に通信可能。別の国に移っても対応国ならそのまま利用できるのは便利。4GBというデータ量はPCなどでテザリングをしたり、動画をみたりしなければ8日間や15日間の旅行には十分でしょう。

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▲開通時に届くSMSには、プランの終了日時(タイ時間)も記載されている

 このように使い勝手の良いAISの「SIM2Fly」ですが、同じSIMを再利用して使うにはちょっとしたコツが必要。「SIM2Fly」はプリペイドSIMのプランなので、SIMに料金がチャージしてあれば、電話アプリからコードを入力して再登録自体は可能です。

 このSIMへのチャージが関門で、AISの公式オンラインチャージは日本発行のクレジットカードが使用できずチャージできません。そこで「Mobile Topup in Thailand」というサービスを使ってチャージをします。このサービスは5%の手数料で、タイのキャリアが発行しているプリペイドSIMにチャージできるシステム。たとえば500バーツをチャージしたい場合は525バーツ支払うといった感じです。

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 Mobile Topup in Thailandは英語表記ですが、チャージの手続きはサイトからSIM2Flyの電話番号を入力して、必要な金額を選択し支払うだけなのでカンタンです。支払いはクレジットカードのほかPayPalやビットコインが利用可能。支払いが完了すると、SMSで料金チャージの案内が届きます。SMSには金額のほか、SIM自体の有効期限も記されています。この有効期限を越えてしまうとチャージはできなくなりますが、期限以内にチャージすれば期限は延びるので、有効期限をメモしてうっかり期限切れにならないよう注意しましょう。
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▲いちばん下のメッセージがチャージ時のもので、SIMの有効期限は2018年1月10日になっている

 ふたたび「SIM2Fly」のプランを利用したいときは、通話アプリからコマンドを入力します。「アジア&オーストラリア」なら「*111*354#」と入力して通話ボタンをタップ。「ヨーロッパ、アメリカ&そのほか」は「*111*358#」です。しばらくするとプラン受付のSMSを受信するので、あとは最初に購入したときと同じ手順で利用開始となります。

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 利用料金は「アジア&オーストラリア」が349バーツ(約1215円)で、「ヨーロッパ、アメリカ&そのほか」は849バーツ(約2960円)なので、チャージ時の手数料5%を考慮してもチャージして再利用したほうが若干安いです。さらに割り引きキャンペーンを提供していることもあるので、さらにおトクに使えることもあります。

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 SIMフリースマートフォンを片手に世界をあちこち旅する人は、1枚持っておくと便利なSIMカードですよ。