ドイツ・ベルリンで開催されるIFAを取材するため、ドイツにきています。取材前にやっておきたいのが、プリペイドSIMの調達。ドイツは、比較的簡単にSIMカードを購入でき、有効期間も長いため、筆者もすでに2枚ほどSIMカードを持っています。ただ、料金プランがイマイチだったため、改めてVodafoneでSIMカードを購入すること。そこで分かった注意点などを、お届けします。20170829_082734
ベルリンへの経由地、デュッセルドルフでSIMカードを購入した

プリペイドSIMのルールが変わり、旅行者の購入が厳しめに

 冒頭、比較的簡単にSIMカードが買えると書きましたが、それは去年までの話。今年に入り、法律に基づいてルールが変わったほか、欧州内での国際ローミングが無料になったこともあり、SIMカード入手の難易度がやや上がっていました。

 ドイツは、大手3キャリアと、それらの回線を使うMVNOがSIMカードを販売しています。まず、最大手のドイツテレコムの店舗を訪れてみましたが、ここでは購入がNGに。欧州在住の証明書が必要とのことで、日本に住む筆者は買うことができませんでした。日本の家電量販店に近いSaturnでも、昨年まで大量にあったプリペイドSIMが少なくなっていました。

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ドイツテレコムでは、SIMカードを買うことができなかった

 次に訪れたVodafoneでは、SIMカード自体は購入できました。ただし、料金はやや高め。基本料は約10ユーロですが、店舗によって、ミニマムで支払うべき料金が決められていました。筆者が買った店舗では、4GBのデータオプションがマストで、最低支払額は55ユーロとのこと。日本円にして、7000円近くかかってしまいました。

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最終的に、SIMカードはVodafoneで購入。目立つ位置にプリペイドSIMが並べられている

 昨年はもっと安い料金で購入できた記憶があったため、店員にたずねたところ、確かに値上げされているとのこと。欧州内での国際ローミングが法律で無料になったため、それに伴う値上げだそうです。購入したSIMカードも、無料で欧州ローミングができるようですが、今回はドイツのみの滞在になるため、筆者にとってはデメリットにしかなっていないのが残念です。

 もう1つのキャリアであるO2では確認していませんが、少なくともドイツテレコムではSIMカードが買えなくなり、Vodafoneでは値段が上がっています。MVNOのSIMカードも入手が難しくなっているため、日本から旅行や出張で訪れる際には、注意が必要です。

LTEの対応バンドにも注意が必要

 とは言え、何とかVodafoneのSIMカードを入手でき、通信もできています。端末は、ドコモで発売されているGalaxy S8+のSIMロックを解除して使っています。SIMカードを挿し、APNを設定すると、すぐにLTEにつながりました。

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Vodafoneで購入したSIMカード

Galaxy S8+のサービスモードを開き、接続しているBandを確認したところ、2.5GHz帯のBand 7でつながっているようです。VodafoneのBand 7は20MHz幅と広く帯域が取られているため、速度も上々。キャリアアグリゲーションはしていませんが、下りで50Mbps以上も出ていました。料金はやや高めですが、通信はいたって快適です。

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Band 7でつながり、速度も50Mbps以上出ていた

 ただし、周波数に行く場合は注意が必要です。VodafoneのLTEは、Band 3、Band 7、Band 20の3つが運用されています。この内、ドコモ版Galaxy S8+は、Band 3とBand 7の2つに対応。800MHz帯で電波の飛びやすいBand 20には非対応になるため、地方に行く場合は、あまりお勧めできません。

Band 3以外は日本だと使われていない周波数になるため、対応端末は限られています。グローバルモデルだと、ファーウェイのMate 9やP10、P10 Plus、アップルのiPhoneなどは3つの周波数ともカバーしていますが、ASUSのZenFone 3はGalaxy S8+と同様、Band 20に非対応。日本に特化した端末だと、Band 3のみということもありえます。手持ちのSIMフリースマホの対応周波数は、あらかじめ確認しておくようにしましょう。

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Band 20に非対応なZenFone 3のように、機種によっては一部周波数が利用できない

データ容量のチェックやリチャージはアプリが便利

Vodafoneは、Google PlayやApp Storeに、「Mein Vodafone」と呼ばれるアプリを用意しています。これをインストールすると、アプリを開くだけでデータ残量が表示されます。データオプションの適用も、このアプリからワンタッチで行えます。

 筆者がアプリをインストールしてみたところ、15ユーロぶんの残高があることが分かりました。55ユーロで買った際に、約10ユーロぶんが基本料、約30ユーロぶんが4GBオプションで使われていましたが、残りの15ユーロはそのまま残高として残っていようです。

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残高管理やオプション追加はMein Vodafoneアプリを使うと簡単

 これを使って、1.45GBぶんのオプションを追加。合計で6.6GBぶんのデータ通信が利用できるようになりました。滞在期間は全部で9日のため、テザリングなどで比較的たくさんのデータを消費しても、まかなうことができそうです。欧州では、リチャージが売店ででき、コードを入力するだけと作業も簡単。データ容量が足りなくなった場合は、追加でオプションを買ってもよさそうです。

 ただし、先に述べたように、去年とプリペイドSIMを取り巻く事情は一変していました。事前にネットで海外情報に目を通しておくのはもちろんですが、販売現場でどのような対応が取られるのかは未知数です。そのため、念には念を入れ、別の通信手段は確保しておくようにしておきたいものです。

 筆者の場合、SIMカードが買えなかったときは、auの世界データ定額を使うつもりでした。ほかにも、海外用のローミングSIMを日本から持ち込んだり、クラウドSIM内蔵のWi-Fiルーターを買っておいたりといった対策が考えられます。万が一通信できないと困るという人は、二重、三重にバックアップを考えておくようにしてください。