auが、月額1980円からの新料金プラン、「auピタットプラン」を開始しました。auピタットプランは、使ったデータ容量に応じて5段階で自動的に料金が変動する、段階制の料金プラン。その名のとおり、ピタット自分の使い方に合った料金が決まるというわけです。“格安スマホ対抗”ともいわれる、この料金ですが、何か条件はないのでしょうか。MVNOやサブブランドとの比較で、メリット・デメリットを見ていきましょう。

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1980円は確かに安い……ただし、データ量には差も

 「月額1980円」というと、ワイモバイルやUQ mobileのようなサブブランドの料金が頭をよぎるかもしれません。1980円で使える容量は1GBまでというのも、2つのサブブランドと同じ。ただし、1980円という価格は、端末購入時に受けられる「ビッグニュースキャンペーン」適用時のもので、1年間の割引が終わると2980円に料金は上がります。ワイモバイルやUQ mobileも1年間限定で1000円引きにしているため、この点も同じと言えるかもしれません。

 違いとしては、auの場合、端末の購入が必要になるという点があります。ワイモバイルやUQ mobileのように、SIMカードだけを買った場合は、ビッグニュースキャンペーンの対象外。この2社に比べると、割引の条件は厳しいといえます。一方でauはあくまで大手キャリアのため、端末の選択肢は豊富。au VoLTE対応端末が限られていることを考えると、あえてSIMカード単体で買うメリットは薄くなります。

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CMなどでは1980円という金額が大々的に打ち出されているが、これはキャンペーン適用時の話

 では、1GB以上のデータを使うとどうなるでしょう。auの場合、2GBで2980円、3GBまでが3480円、5GBまでが4980円で、以降は20GBまでが5980円になります。一方のワイモバイルは、3GBの「スマホプランM」が2980円、7GBの「スマホプランL」が4980円です(いずれもキャンペーン適用時で、1年目のみ)。容量の設定が異なるため、一概には言えませんが、3GBであればワイモバイルの方がおトクになりますが、5GBで済むのであればauの方が安いと言えます。

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料金は使ってデータ容量に応じて、1980円から5980円の間で変動する

 とは言え、これはあくまでワイモバイルの正価と比べたときの話。ワイモバイルでは、データ容量2倍キャンペーンを行っており、2年間は使えるデータ容量が倍増します。つまり、現状では、2年間限定ながら、2GB、6GB、14GBのラインナップになっているのです。これは、UQ mobileも同じ。これを加味すると、auより大幅に安い設定になっていることが分かります。

 一方で、20GBという設定があるのはauの強み。料金は5GBを超えると5480円になり、ワイモバイルのスマホプランLより500円ほど高くなりますが、ワイモバイルの14GBよりも使えるデータ容量は6GBも多くなります。このように見ていくと、auの新料金プランは、サブブランドに一歩及ばないものの、そこに肉薄していることが分かります。

最安実現には「通話定額なし」か「auスマートバリュー」が必須

 といっても、通話定額をつけると話が変わってきます。上で挙げたauの料金は、通話定額がないシンプルを選んだときのもの。この状態で通話をすると、30秒あたり20円の通話料が発生します。一方のワイモバイルやUQ mobileは、標準の料金プランに通話定額が組み込まれています。ワイモバイルであれば1回10分までの通話が回数無制限で無料。UQ mobileも、「おしゃべりプラン」は5分までの通話が回数無制限で無料になります。

 これに対し、auでも通話定額がついたプランを選ぶことができますが、料金はそのぶん高くなります。5分間の通話定額である「スーパーカケホ」を選んだ場合、料金は500円高くなり、ビッグニュースキャンペーン適用時で2480円から6480円の間で変動するようになります。通話時間に制限のない「カケホ」の場合、シンプル比で1500円料金が上がります。ワイモバイルやUQ mobileは料金内に通話定額が盛り込まれているため、これを重視する人にとっては割高に見えるかもしれません。

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スーパーカケホで500円、カケホで1500円料金が上がる仕組み

 ただし、スーパーカケホやカケホを選んでいると、最安の1GBに収まる場合でも、固定回線とのセット割引である「auスマートバリュー」の割引が効きます。スーパーカケホの場合、1GBと2GBで500円、それ以上の場合は1000円の割引になり、音声定額ありでも月1980円からという料金になります。別途auひかりやケーブルテレビなどの料金が必要になるため、一概には言えませんが、すでにこれらの固定回線を使っている人にとっては、お得と言えるかもしれません。

 別の見方をすると、auで月額1980円からを実現するには、通話定額がないシンプルを選ぶか、auスマートバリューが必須になるというわけです。同じ1980円でも、ワイモバイルやUQ mobileより、条件が多いことが分かるはずです。

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ワイモバイルやUQ mobileは標準の料金に通話定額が含まれる

 この差額が、サポートや店舗網などを含めたメインブランドの“ブランド料”と考えれば納得はできますが、純粋に金額と条件だけを見ると、積極的に選ぶ理由が乏しいのも事実。au自身もMVNOやサブブランドへの流出を防ぐプランと説明していましたが、どちらかというと他社からユーザーを取ってくるというより、他社にユーザーを逃がさないためのプランと言えるかもしれません。

iPhoneはキャンペーン適用対象外、MVNOならもっと割安になることも

 上記のビッグニュースキャンペーンは、今のところ、Androidのみが対象になっている点にも注意が必要です。auによると、iPhoneは現在協議中とのことですが、タイミングを考えると、次期iPhoneの登場に合わせてキャンペーンを開始するのが自然です。iPhoneでもプラン変更で新料金プランを選ぶことができますが、毎月割が消滅してしまう上に、キャンペーンも適用対象外になるため、お得になるケースがかなり限られてきます。

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現状、対象はAndroidのみ。iPhoneはプラン変更だけを受け付けている

 また、上記の比較はあくまでauとサブブランドで行っていますが、対MVNOという観点だと、料金の差はさらに開きます。MVNOでは3GBで1600円前後という料金が相場。auやサブブランドの1980円より、使えるデータ容量が多く、料金も安い計算になります。逆にMVNOの場合、通信が集中しがちなお昼休みの時間帯などに速度が遅くなってしまったり、店舗網が充実してなかったりと言ったデメリットもあります。こうしたコストをカットすることで、安価な料金を実現しているからです。

 手厚いサポートが必要で、サービスやネットワークの品質にもとことんこだわるという人には、auの新料金プランが向いているのに対し、料金を追い求める場合は、MVNOに軍配が上がります。MVNO対抗や格安スマホ対抗と呼ばれるauの新料金プランですが、細かく見ていくとこのような違いがあることは、押さえておいて損はないでしょう。