訪日外国人旅行者の増加を受け、MVNO各社がプリペイドSIMを続々と発売しています。羽田空港、成田空港などの主要空港を見ればわかるとおり、到着ロビーではさまざまな会社のSIMカードが販売されています。

 このプリペイドSIMカード、多くが訪日外国人観光客と銘打っている一方で、日本人が使えないわけではありません。期間限定で通信を使いたいときなどには、月額料金のかかるSIMカードを契約するより、割安になることもあります。その用途を紹介しつつ、実際の使い勝手をチェックしてみました。

急に通信が必要になったり、データ容量が足りないときに便利

 プリペイドSIMとは、期間や容量が限られたSIMカードのこと。通常の定期契約を結ぶSIMカードとは異なり、一定の期間が経過すると使えなくなるのが一般的です。料金体系は会社によって異なりますが、今回手に入れたU-mobileのプリペイドSIMは、1日200MB、7日間有効で、料金は2200円でした。

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U-mobileのプリペイドSIMカードは、1日200MB、7日使えて2200円(オープン価格)

 U-mobileのSIMカードは1日あたりの容量と日数で制限がかかったプリペイドSIMカードで、この料金以外のお金は、一切かかりません。通常のSIMカードは新規契約手数料が3000円ほどかかるため、7日間だけ使いたいというときには、お得になります。

 1日200MBでは足りないという人には、もう少し利用期間が長く、まとまった容量を使えるSIMカードもあります。IIJの「Japan TravelSIM」は、1GBの有効期限が30日間、2GBが3カ月になります。クーポンコードを使うとリチャージもできるので、たとえば3カ月間だけ国内出張が増えるので、iPadで通信したいといったシーンで役に立ちます。

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IIJは1GBと2GBをそれぞれ用意。前者が30日、後者が3カ月と有効期間が長い

 このほか、プリペイドSIMはデータ容量が足りなくなったときに、補完的に使うこともできるでしょう。たとえば、IIJmioの追加クーポンは100MBごとに200円。500MBで1500円、2GBで3000円になります。月の下旬に差し掛かったタイミングでデータが足りなくなったときに、2GB追加するのであれば、先に挙げたU-mobileのSIMカードで1週間過ごした方が、価格としては安く抑えられることになります。大手キャリアの場合も、1GBの単価は1000円なので、早めにデータ通信量がなくなってしまった際は、プリペイドSIMを使ってしのぐのも、1つの手と言えるでしょう。

 また、これから格安SIMデビューをしたい人が、お試しで使うのも手です。実際のデータ通信速度やサポート体制がどうなっているのかを、手軽に体感できるというわけです。もちろん、外国から来る友だちに買ってあげてもいいでしょう。海外赴任している人が、一時帰国する際にプリペイドSIMを使うのも、一般的です。

設定や申し込みが不要で手軽に使える

 今回は、試しにU-mobileのプリペイドSIMカードを購入してみました。販売場所は空港やU-NEXTストアなど。成田国際空港や関西国際空港には、自販機も設置されています。1日に使えるデータ通信量は200MBで、有効期限を7日、15日、30日から選ぶスタイルです。

 筆者はU-NEXTストアを訪問してみました。店舗に入り、プリペイドSIMカードが欲しい旨とSIMカードのサイズを告げてみたところ、すぐに受け渡しになりお会計に。申込書を記入するなど、面倒な手続きは一切必要ありませんでした。コンビニなどでちょっとした食品を買うのと同じように、SIMカードを受け取り、代金を払っただけです。

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SIMカードはU-NEXTストアで購入。代金を払うだけと手軽だ

 SIMカードのパッケージは、あくまで訪日外国人観光客向けといったところ。表面、裏面ともに日本語の記載はなく、英語と中国語で説明書きがあります。日本語は説明書にのみ記載。アクティベーションなどの手続きは不要で、端末にSIMカードを挿し、期限内に通信するだけと、購入から利用開始までがとにかく手軽です。

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パッケージの言語は英語で、基本は訪日外国人観光客向け

 APNはU-mobileの月額契約のものと同じ。APNが「umobile.jp」、ユーザー名が「umobile@umobile.jp」、パスワードが「umobile」で、認証タイプは「CHAPまたはPAP」を選べばOKです。iOS端末の場合はAPN設定ができないため、このページからAPN構成プロファイルをインストールします。今回はSIMフリー端末のiPhone 7に挿してみましたが、テザリングも問題なく利用できました。ただし、ファーウェイのMate 9では接続に失敗。これは、SMS非対応SIMであることが関係しているのかもしれません。

速度はまずまず、容量追加できないのは残念

 通信速度はまずまずといったところ。7月24日の15時台、16時台に渋谷で合計4回速度を測定してみましたが、いずれも6~8Mbps強のスピードでした。U-mobileにネットワークを貸し出すドコモが約68Mbpsだったので、ここには及びません。この点は、帯域単位で借りるMVNOならではの限界と言えるでしょう。

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速度は6~8Mbpsで安定していた

 また、1日200MBを使い切ってしまうと、通信速度に制限がかかってしまいます。U-mobileのプリペイドSIMカードは登録が不要な代わりに、マイページなどが用意されておらず、データ容量を追加することもできません。SMSにも非対応なため、容量を使い切ってしまったことがお知らせされないというわけです。体感で遅くなったことは分かりますが、少々不親切な印象を受けました。

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Twitterの画像読み込みが急に遅くなったと思ったら……

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200MB使い切って速度制限されてしまった

 とは言え、手軽に利用できるのは、プリペイドSIMならではのメリット。有効期限が設定されているため、メイン回線にするのは難しいと思いますが、タブレットや2台目スマホ用のサブ回線として、すぐに使えるのは魅力的です。