2月27日から3月2日に渡り、スペイン・バルセロナで携帯電話市場最大の見本市「Mobile World Congress 2017」が開催されました。それに合わせ、各メーカーが同地でプレスカンファレンスを行っています。ソニーモバイルは「Xperia XZ Premium」、ファーウェイは「P10」「P10 Plus」、モトローラは「Moto G5」「Moto G5 Plus」を発表するなど、ハイエンドモデルからミッドレンジモデルまで、幅広い端末が発表されました。SIMフリー市場が拡大している中、日本に上陸するスマホも少なくなさそうです。

 そのMWCで、ファーウェイはプレス陣に、P10の評価機を渡していました。この会見に参加していていた筆者の手元にも、評価版のP10があります。ファーストパーティではないものの、同社の端末部門社長、ケヴィン・ホー氏はP10などの日本発売を明言しており、期待が持てそうです。では、P10は一体どのような端末なのでしょう。ここでは、その実機を使い、発売前のP10をレビューしていきたいと思います。なお、評価版のP10には、日本での通信に必要な技適マークがありません。そのため、今回は海外のSIMカードを挿し、日本での法令に則る形で利用しています。OLYMPUS DIGITAL CAMERA
MWCで発表されたファーウェイのフラッグシップモデル「P10」

P9から進化したカメラを搭載し、セルフィーも進化

 P10で真っ先に取り上げたいのが、そのカメラ機能です。P9シリーズから始まったライカとの協業は、P10でも継続。背面にはデュアルカメラが搭載されています。P9からの進化点としては、モノクロ側のセンサーが2000万画素にアップしていることが挙げられます。これによって、画質がより精細になりました。

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デュアルカメラを搭載。モノクロ側が2000万画素に進化した

 モノクロ側が2000万画素というのは、日本でも発売された「Mate 9」と同等。画質に関しても、より高精細になったと言えそうです。実は、P10の上位版であるP10 Plusは、レンズもより明るくなっています。P9、Mate 9、P10に搭載されているレンズは、ライカの「SUMMARIT」でF値は2.2ですが、P10 Plusはこのグレードが上がり、「SUMMILUX」になりました。F値も1.8と明るくなっています。3
P10で撮った写真。背景のボケがキレイに出ている

 残念ながら、P10のカメラはSUMMARITのままで、F値も2.2とP9、Mate 9から変わらずですが、ライカと共同で開発したというユーザーインターフェイスもそのまま。モノクロ写真を撮ったり、飯テロ用の「ナイスフード」をダウンロードで追加できたりと、カスタマイズ性の高い撮影を楽しめます。フリック1つでプロモードに切り替えられるのも、ライカの名を冠するからこその機能と言えるかもしれません。

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ライカと共同で開発されたカメラUI

 一方で、P9比では、セルフィーの機能が大きく進化しました。P10では、インカメラもライカとのコラボになっており、自撮りの際に、背景をボカすなどの効果をかけることができるようになっています。デュアルカメラを使っているわけではないので、若干不自然になる面はありますが、ポートレートとしての仕上がりがグッと高くなった印象を受けます。

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セルフィーでもキレイな背景ボケを楽しめる

 逆に、P9やMate 9にあったビューティモードがなくなってしまいました。肌を白くしたり、輪郭を補正したりする機能で、これはこれで楽しく使えた上に、SNSに自分の写真をアップする際にも便利でした。補正のかかり具合が自然だったこともあり、自分をよりよく見せられたからです。ライカとのコラボしたためか、P10ではこの機能がなくなってしまいました。この点は、賛否両論があるかもしれません。

丸みを帯びたデザインに変わり、指紋センサーも前面に

 スクウェアな印象だったP9とは異なり、P10は丸みを帯びた、やや柔らかさのあるデザインになっています。背面には金属素材が使われており、質感も上々。さすがフラッグシップモデルと言えるだけの、高級感はります。

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背面には金属素材を採用し、高級感も高い

 より印象を大きく変えているのが、指紋センサーの位置。これまでのファーウェイ端末は背面に指紋センサーを搭載している機種が多かったのですが、P10では、これが前面の下部に変わりました。一見、ボタンのようにも見えますが、指紋センサーはガラスと一体になっており、物理的な駆動部分はありません。

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指紋センサーはガラスと一体になっている

 指紋を解除するスピードは、これまでの端末と同様、非常に速く、ストレスを感じることがありません。ただし、背面だと、手に取ったときに自然と人差し指が当たっていました。大画面の端末だと、片手で持った際に親指が届きにくいこともあったため、個人的には背面の方がスムーズにロックを解除できたと感じています。慣れや個人差もあるため、一概には言えませんが、少々戸惑った部分です。

 また、前面に移ったこともあり、通知を下ろしたりなどの操作を、指紋センサーで行えなくなりました。代わりに、指紋センサーをバックキー、ホームキー、アプリ履歴キーとして使う機能が搭載されています。短押しで戻る、長押しでホーム、スワイプでアプリ履歴といった具合で、このモードをオンにしていると、画面上のキーを消すことができ、そのぶんを表示に使えます。

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指紋センサーはナビゲーションキーとして使える

 画面が広々として、操作も指紋センサーで完結するのは、確かに便利。ただし、単押しと長押しとスワイプの使い分けは、ユーザーが改めて覚える必要があり、慣れるまでには時間がかかりそうです。筆者もまだ完ぺきに操作できているかといえば、そうではありません。

レスポンスもよく、快適に使える1台

 操作性も良好です。チップセットには、Mate 9と同じ「Kirin 960」が採用されており、レスポンスがよく、タッチにも画面の表示がしっかり追従します。メモリはフラッグシップモデルらしく、4GBを搭載しており、使っていて、動作が急激に遅くなるようなことはありませんでした。

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メモリは4GB搭載

 ユーザーインターフェイスは、Emotion UI 5.1(EMUI 5.1)が採用されており、これはEMUI 5.0のMate 9などよりも新しいものになります。EMUI 5.0からの変更点ですが、ホーム画面とアプリ一覧(ドロワー)を分けられるようになったり、通知がよりシンプルになって見やすくなったりと、操作性もよくなっています。

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ホーム画面のスタイルを2つから選択できる

 残念だったのは、P9からディスプレイが0.1インチ小さくなっている点。わずかと言えばわずかな違いかもしれませんが、大画面派にとっては、スペックダウンになってしまいます。また、評価機はシングルSIM仕様で、デュアルSIMが試せていません。P10には複数の仕様があるため、日本で発売される端末がデュアルSIM対応になっていることを期待しています。

 とは言え、P10はバッテリーの持ちもよく、カメラもキレイで、快適に使える端末です。現状ではいつになるのかは未定ですが、日本での発売も、期待して待ちたいと感じています。