オーディオ機器メーカーとして定評のあるオンキヨーが新たに開発した製品は、なんとスマホでした。2017年のCESに参考出展され、日本での発売も決定。開発にはarrowsなどを手掛ける富士通コネクテッドテクノロジーズが協力しており、「GRANBEAT」という名称も決定しました。異色のスマホである、このGRANBEATを、さっそくチェックしていきましょう。

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音楽機能に特化した重厚感あるデザインとインターフェイス

 GRANBEATは、ハイレゾ再生機能に特化して開発されたスマホ。オンキヨーのハイレゾDAP(デジタル・オーディオ・プレイヤー)「DP-X1」をベースとしながら、スマホならではの通信機能やカメラなどを搭載していきました。そのため、従来のスマホとは、設計思想が根本から異なっています。それがもっともよく表れているのが、端末のデザイン。薄型化が進むスマホの中で、11.9mmという厚みは異彩を放っています。

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分厚い筐体が高音質の証
 筐体にはふんだんに金属を使い、手に取ったときには、その重厚感も伝わってきます。通常のスマホが100g台なのに対し、この機種は234gと200gオーバー。質感からも、単なるスマホではないことがよく分かります。

 側面左上には、音量を調整できるロータリー式のボリュームノブが装備されています。ここをクルクルと回すことで、音量をスムーズに調節できます。音楽に特化し、再生をスムーズに行えるようにしたのも、この機種ならではと言えるでしょう。側面には、再生やスキップボタンに加え、誤操作を防止する、HOLDボタンも搭載されています。

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音量はノブを回して調整

 通常のスマホだと、音楽アプリを起動し、音量の調整は小さなボタンで行わなければなりません。再生やスキップの操作は、基本的には画面上で行います。これに対してGRANBEATは専用キーを搭載することで、画面を点灯させずに、これらの動作を行えます。見た目やユーザーインターフェイスが、音楽に特化しているというわけです。

 本体上部には、イヤホンジャックが2つ搭載されています。1つは通常のスマホと同じ3.5mmのイヤホンジャック。もう1つが、2.5mmのバランスケーブル用のジャックで、こちらはハイレゾ対応のDAPに採用されることが多い仕様。左右それぞれに独立したアンプから音を送るバランス接続にも対応しています。通常のスマホとは、音に対する考え方が根本から違うことは、こうした外観からも見て取れます。

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通常の3.5mmイヤホンのほか、バランス型の2.5mmイヤホンも挿すことが可能

内部にも高音質のこだわりが満載

 外観から分かる部分だけでなく、内部にも高音質に対するこだわりが満載です。まず、DACチップにはESSテクノロジーのSABRE DAC(ES9018C2M)を2基搭載。再生できるファイルは384KHz/24bitのFLACやWAVなどで、より配信を容易にした「MQA」と呼ばれる形式にも対応しています。

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DACとAMPはそれぞれ2基ずつ搭載

 一方で、スマホは電波の塊とも言える機器で、LTE、3Gのほか、GPS、Bluetooth、Wi-Fiなども搭載しています。こうした電波が、音楽再生時のノイズ源になることもありますが、GRANBEATでは、シールド構造を施すことで、DACチップに与える影響を完全に防いでいます。つまり、こうしたノイズ源となる機能のないDAPと完全に同レベルまで音質を向上させたということです。

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DACやAMPを完全に切り離し、通信のノイズを低減

 実際、GRANBEATでハイレゾ音源を聞いてみましたが、確かに通常のスマホと比べると、音1つ1つがクリアで、ボーカルが際立って聞こえました。厳密に聞き比べたわけではないため一概には言えませんが、パッと聞いた限りでの印象は、他のスマホを大きく超えていました。音楽再生時の操作性もよく、メインのスマホとは別に持つ価値もありそうです。

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視聴した限りでは、音の輪郭がはっきりしていた印象

スマホとしての性能も充実

 スマホとして作られているからには、基本性能も重要です。そのスペックを見ていきましょう。GRANBEATは、クアルコムの「Snapdragon 650」を搭載しています。これは、いわゆるミッドハイと呼ばれる性能のチップセット。ディスプレイは5インチのフルHDで、表示に関しての性能も決して低くありません。

 また、内蔵ストレージは128GBも搭載していて、最大256GBのmicro SDXCにも対応しています。ハイレゾの楽曲はファイルサイズが大きくなりがちなだけに、これはうれしい仕様。スマホとして見たときにも、ストレージが大きいのは使い勝手のよさにつながります。
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ストレージが大容量で、たくさんの音楽を持ち運べる

 さらに、SDスロットとは別に、nano SIMのSIMスロットを2基備えており、3GとLTEのデュアルSIM/デュアルスタンバイにも対応しています。バッテリーは3000mAhで、クアルコムの急速充電技術「Quick Charge 3.0」にも対応。連続待受け時間は480時間と、長時間駆動が可能になっています。音楽再生に絞ると、25時間の連続駆動が可能です。

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DSDS対応なのも、うれしいポイント

 このように、GRANBEATは、スマホとして見ても十分な性能を備えた端末と言えるでしょう。気になるお値段は市場想定価格で8万4800円前後。ミッドハイのスマホだと考えると高額ですが、高機能なDAPは10万円を超える製品も少なくないだけに、スマホとして使えることを考えると、むしろお手頃と言えるかもしれません。通信機能を備えているため、いつでもどこでも、気軽にハイレゾの音源をダウンロードできるのも魅力です。

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ダイレクトに楽曲を購入できるのが、通信機能を備えるメリット

 発売は2月下旬からで、MVNOでは楽天モバイルが取り扱いを表明しています。2月28日まで、東京・茅場町の東京証券取引所1階にある「ONKYO GRANBEAT CAFE」で体験イベントを行っているため、音質や操作性が気になっている人は、ぜひ足を運んでみてください。