米・ラスベガスで、世界最大のIT関連見本市「CES 2017」が開催されました。CESはスマホに特化したイベントというわけではありませんが、展示も多く、日本に登場しそうな機種も登場しました。世界的に注目を集めるイベントなだけに、チェックしておいて損はないでしょう。そのCESで登場した、注目モデルをここでピックアップしました。

ASUSは“カメラ”が特徴的な2機種のZenFoneを発表

 SIMフリースマホの先駆者として、日本での人気が高いASUSは、カメラに特徴のある2つの機種を発表しました。1つが「ZenFone 3 Zoom」、もう1つが「ZenFone AR」です。

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「ZenFone 3 Zoom」(上)と「ZenFone AR」(下)

 ZenFone 3 Zoomは昨年日本でも発売された「ZenFone Zoom」の後継機的な端末で、光学ズームに対応しているのが特徴はそのままです。一方で、光学ズームを実現するためのアプローチが、ZenFone Zoomとは異なっています。ZenFone 3 Zoomには、焦点距離が異なる2つのカメラが搭載されており、これを切り替え、光学ズームのように見せることができます。2つのカメラを搭載してズームに使うという点では、iPhone 7 Plusと同じ仕掛けと言えるでしょう。

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劣化のない2.3倍ズームを実現

 薄型化しているのも、デュアルカメラを搭載したメリット。複雑なズームユニットを使わなくてもよくなるため、そのぶん、本体をスリムにできます。ZenFone 3 Zoomについても、厚さは7.99mmで持った印象も、いわゆる“普通のスマホ”と変わりありませんでした。オートフォーカスが0.03秒と速く、バッテリーも5000mAhと大容量。日本での登場も、楽しみな1台です。

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ズーム対応ながら、薄型なのも特徴

 もう1機種は、Googleの技術である「Tango」と、VRプラットフォームの「Daydream」に両対応したZenFone ARです。Tangoは、通常のカメラに、赤外線センサーや魚眼レンズを加えて、空間を把握する技術。すでにレノボの「Phab 2 Pro」がこの技術に対応していますが、ZenFone VRは、これに加えて、DaydreamというAndroid標準のVRプラットフォームに対応しているのが特徴になります。

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背面のカメラで、空間を空間として認識できる

 現実の空間を認識できると、その上に、さまざまなデジタルのオブジェクトを置くことが可能になります。これによって、部屋に家具を配置したり、バーチャルなドミノ倒しを楽しんだりといったアプリを楽しめます。Tango対応のアプリはまだまだ少ないものの、今後の展開に期待したい技術で、ZenFone VRはVRも利用できるため、その応用範囲も広がりそうです。

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「Daydream」にも対応

ファーウェイは日本未展開の「honor 6X」などを発表

 ファーウェイは、CESに合わせ、honor 6Xのグローバル版を発表しました。honor 6Xは、honorシリーズの最新モデルで、すでに中国で発売されています。CESで披露されたのは、このグローバル版という位置づけ。背面に2つのカメラを搭載していながら、「P9」や「Mate 9」のようなハイエンドモデルではなく、ミッドレンジで価格は抑えられているのが特徴になります。
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デュアルカメラ対応のミッドレンジスマホ「honor 6X」

 発表されたスマホはhonor 6Xだけでしたが、ファーウェイのブースには、日本未発売のスマホも多数展示されていました。その1つが、Mate 9の上位モデルである「Mate 9 Pro」。このモデルは、ディスプレイの両サイドがカーブしたデュアルエッジスクリーンを採用。正面から見た姿は、「Galaxy S7 edge」に似ています。

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エッジスクリーンを採用した「Mate 9 Pro」

 また、Mateシリーズはポルシェデザインとのコラボも行っており、CESには、そのモデルも出展されていました。こちらのモデルは、ベースがMate 9 Proで、ブラックを基調にしたシックなデザイン。価格が1395ユーロ(約16万4677円)と、非常にアグレッシブな1台ですが、レア感もあり、日本で限定発売すれば飛びつく人もいるのでは……と思いました。

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ポルシェデザインとのコラボモデル

 Mate 9 Proは、GoogleのVRプラットフォームであるDaydreamに対応しており、ファーウェイブースには、これを利用するためのヘッドマウントディスプレイも出展されていました。残念ながら、現状では通常版のMate 9への対応が明かされていませんが、スペックが高いモデルなだけに、今後の対応に期待したいところです。

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VR用のヘッドマウントディスプレイも

ZTEは「Blade V8」を日本で発売、TCLもミッドレンジ機を出展

 デュアルカメラと言えばファーウェイの独壇場でしたが、他メーカーにも徐々に広がりつつあることがうかがえました。honor 6Xと同じミッドレンジのラインでは、ZTEが「Blade V8」と「Blade V8 Pro」の2機種を発表。前者のBlade V8は、日本での発売も予定しているとのことです。

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ZTEの「Blade V8」

 また、BlackBerryのブランドを長期契約で取得したTCLは、CESで新型のBlackBerryを予告。2月にスペイン・バルセロナで開催される「Mobile World Congress」で、正式な発表を行う予定です。TCLは、alcatelブランドの端末も出展。CESでは、ミッドレンジモデルの「alcatel A3 XL」などを発表しました。

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alcatelのミッドレンジモデル大画面モデルの「alcatel A3 XL」

 LGも、CESにはミッドレンジモデルのKシリーズの「K7」や「K10」を出展。中国メーカーのCoolpadは「conjr」を展示するなど、スマホに特化した展示会ではないとはいえ、幅広い端末がそろえられていました。多くのスマホメーカーが本領を発揮し、フラッグシップモデルを発表するのは2月のMWCになりそうな印象ですが、逆にCESは技術的な潮流が分かりやすく提示されていた展示会だったと言えます。その中でも、デュアルカメラやVR、Tangoなどは各社が注力しており、今後のトレンドになるかもしれません。

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LGはミッドレンジのラインナップをまとめて発表

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米国展開もしている中国メーカーのCoolpadは、新モデル「conjr」を発表した