スマホやWi-Fiルーターが一般的なSIMフリーの市場に、新たな製品が12月に登場します。シャープの「AQUOSケータイ」が、それです。この製品は、見た目が従来のケータイと同じ折りたたみ型。一方で、OSはAndroidをベースにしており、VoLTEなど、スマホさながらの機能を使えます。

 こうしたケータイは、ガラケーとスマホの中間という意味で、“ガラホ”などと呼ばれることがあります。元々は大手キャリアが、スマホに移行しないユーザーに向けて投入した端末ですが、格安SIMと組み合わせられるようになったことで、ユーザーの層にも広がりが出そうです。早速、その特徴を見ていきましょう。

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折りたたみ型で10キーも使える

 ガラホといっても、その形状は折りたたみ型のケータイそのもの。開くと10キーが搭載されており、カーソルキーの横には、アドレス帳やメーラーなどを呼び出すファンクションキーが搭載されています。ボタンの押し心地は、折りたたみ型ケータイと同等で、側面にあるワンプッシュボタンで、簡単に本体を開くこともできます。

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10キーやワンプッシュオープンを搭載

 形状だけではなく、メニューもケータイ風になっています。OSはAndroidベースですが、カスタマイズを徹底的に行うことで、使い勝手はケータイとそん色ないレベルに仕上げているというわけです。

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メニュー画面もケータイ風

 逆に、AQUOSケータイにはタッチパネルが搭載されておらず、メニュー操作などは、すべてカーソルキーで行います。タッチパネルを搭載したスマホに慣れていると、少々まどろっこしく感じるかもしれませんが、この点もケータイと同じ。Androidもあくまでベースになっているだけで、Google Playなどのアプリストアも内蔵されていません。

 そのため、スマホ並みにアプリを入れてカスタマイズすることができず、メールやWeb、電話が主な用途になります。スマホがベースになっているものの、使い勝手や用途に関してはケータイに近いと考えれば、理解しやすいでしょう。

スマホ並みの機能も搭載

 ただ、ベースとなるOSやチップセットは、スマホと共通化されています。AQUOSケータイでいえば、チップセットはクアルコムの「Snapdragon 210」で、RAMも1GB搭載しており、LTEにも対応しています。折りたたみ式の従来型ケータイとは異なり、スペックは充実しており、最新の通信方式も利用できます。この点が、ガラホのスマホ的な部分と言えるでしょう。

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スマホと同様、VoLTEに対応する

 スマホとの共通性という点では、Wi-Fiも搭載しており、テザリングも利用できます。APN設定などの通信周りも、ほぼスマホと同じ。そのため、大容量のSIMカードを挿しておけば、ルーターの代わりとして使うこともできます。

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テザリングにも対応

 タッチパネル非搭載で、アプリこそインストールできませんが、通信部分に関しては、ほぼスマホと同等。PC用メールのやり取りや、PC用サイトの閲覧も可能になっています。

 一方で、スマホとは異なり、アプリのインストールが制限されているため、自動的に行う通信が少なくなり、結果としてバッテリーの持ちもよくなります。そのため、通話+Wi-Fiルーターのような使い方をするにもうってつけと言えるかもしれません。もちろん、通話とちょっとしたメールしかしないシニア世代にプレゼントするにも、いい機種です。このような幅広い使い方ができるのが、ガラホなのです。

 ただ、Androidベースながら、LINEが使えないのはネック。大手キャリアのAndroidケータイでは、LINEがプリインストールされていたり、あとからダウンロードできたりしますが、残念ながらSIMフリー版のAQUOSケータイでは、これが非対応になっています。これに関しては、アップデートや後継機での対応に期待したいところです。

MVNOでも続々と採用が決定

 AQUOSケータイは、MVNOにも続々と採用されています。第一弾と決定したのが楽天モバイル。続いて、スマモバでも取り扱いが発表されています。AQUOSケータイの電話アプリにはプレフィックスの番号を登録可能で、これによって「楽天でんわ」のような、通話料を抑えるサービスも利用できます。

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プレフィックス対応で、「楽天でんわ」のようなサービスも利用可能

 MVNOで使えば、維持費が安いのもポイント。取り扱いを表明している楽天モバイルの場合、ベーシックプランを選べば、月々の料金は1250円になります。ベーシックプランは通信速度が200Kbpsに制限されていますが、スマホのように大容量のデータ通信を使うわけでなければ、このプランでも十分でしょう。

 逆に、テザリングをフル活用して、Wi-Fiルーター的にこの機種を持ちたいときは、容量の大きなプランを契約すればOK。楽天モバイルだと、5GBプランは2150円になります。

 Androidを採用したケータイ向けには、大手キャリアも安価な料金プランを出していますが、5分間まで通話無料のプランが必須で、総額は1500円から。2GBのデータを使うと、各社とも5700円かかります。本体代は別途かかってしまいますが、安価に維持しながら待受け専用で使うのも、たっぷりデータを使うのも、MVNOの方がおトクになるケースが多くなります。

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5分かけ放題」を使っても、通信料は3.1GBのプランで2450円

 上で挙げたのは楽天モバイルの例ですが、SIMフリーとして端末を単体で購入すれば、それ以外にも、幅広いMVNOが選択肢になります。通話専用に使うもよし、テザリングまでしてWi-Fiルータ―的に使うもよしと、用途も多彩な1台のAQUOSケータイですが、価格も2万円台と安め。スマホと2台持ちする人にも買いやすく、この冬注目の1台と言えるかもしれません。