SIMフリースマホの雄として市場を切り開いてきたZenFoneの新モデルが、ついに発売されました。今回日本発売が決まったのは「ZenFone 3」と「ZenFone 3 Deluxe」の2機種。前者はすでに販売中で、Deluxeは10月下旬に発売する予定です。

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ZenFone 3(右)とZenFone 3 Deluxe(左)

デザイン一新でカメラやスピーカーも高性能

 ZenFoneシリーズといえば、丸みを帯びたボディが特徴でしたが、今回はそのデザインを一新。ZenFone 3はガラスを、ZenFone 3 Deluxeは金属筐体を採用しており、どちらも高級感を高めてきました。これまでのプラスチック筐体は、柔らかみがある一方で、安っぽさもあったのは事実ですが、ZenFone 3シリーズにはその面影がありません。

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背面の素材やガラスや金属に

 機能に関しても、ZenFone 2のころから進化しています。ZenFone 3、Deluxeのカメラは1600万画素で、「PixelMaster 3.0」を搭載。レーザーオートフォーカスと位相差オートフォーカス、コントラストオートフォーカスの3つを使い分けることで、0.03秒でピントが合うのが特徴です。画質自体も上がっており、「超解像技術」を使うと、6400万画素相当に拡大した写真を撮れるのもこの機種ならではです。

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カメラの画質も上がった

 スピーカーにもこわだり、5マグネットスピーカーを搭載。ハイレゾ音源の再生にも対応しています。また、チップセットはSnapdragon 625を採用。ミッドレンジ上位のCPUで、パフォーマンスも期待できます。ZenFone 3は3GB、ZenFone 3 Deluxeは4GBのRAMを搭載しており、どちらもキャリアアグリゲーションまで利用できます。ディスプレイはZenFone 3が5.2インチ、ZenFone 3 Deluxeが5.5インチで、どちらもフルHD対応。USB端子にはType-Cが採用されています。

 ちなみに、ZenFone 3 Deluxeには「最上位モデル」の「ZS570KL」が用意されており、この機種はまさに「性能怪獣」のキャッチフレーズにふさわしい、てんこ盛りなスペックになっています。CPUにはSnapdragon 820の上位版であるSnapdragon 821を採用。メモリも6GBと大容量で、ストレージも256GB搭載しています。また、ディスプレイも5.7インチと大画面。そのぶん値段も8万9800円と高価ですが、キャリアの販売するスマホを凌駕するスペックに仕上がっています。

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最上位モデルはCPUが高性能で、メモリもストレージも大容量

au VoLTEに対応しLTEと3GのDSDSも可能に

 ネットワーク的にも、新しいトピックがあります。ZenFone 3、Deluxeのどちらも、auのVoLTEに対応しており、mineoやUQ mobile、IIJのタイプAなどで利用することが可能。すでにau回線のMVNOを利用している人にとっては、いい選択肢になりそうです。

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au VoLTEに対応

 これに加えて、LTEと3GのDSDS(デュアルSIM、デュアルスタンバイ)に対応しているのも、ZenFone 3の特徴です。DSDSとは、その名のとおり、2回線で同時に待受けできる機能。2つのSIMカードを挿し、その両方を半ば同時に使えることを意味しています。これによって、1つ目のSIMカードで音声通話の待受けをしつつ、2つ目のSIMカードでデータ通信するといった使い方が可能になります。

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LTEと3GのDSDS対応で、au系とドコモ系を組み合わせて使うことも可能

 LTEと3GのDSDS対応機種には、モトローラの「Moto G4 Plus」などがありますが、ZenFone 3の場合、片方をauのネットワークにできるのがメリット。たとえばIIJmioの場合、タイプDとタイプAでシェアを組み、ネットワークのいい方を使うといったことも容易に行えます。音声通話をVoLTEが使えるau系MVNOでしつつ、データ通信はエリアの広いドコモ系MVNOを選ぶといった使い分けも可能になります。

 もちろん、仕事とプライベート、それぞれのSIMカードを1台の端末に入れることも可能。2台持ちしていた端末を、1台に集約させるにはうってつけの端末と言えます。

少々高めの価格をどうとらえるべきか

 一方で、いわゆる売れ筋のミッドレンジモデルより、価格はやや高めに設定されています。直販価格ではZenFone 3が3万9800円、ZenFone 3 Deluxeが5万5800円で、最上位モデルのZS570KLに至っては8万9800円とキャリアの発売するスマホと同程度か、それ以上の設定になっています。

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価格は3万9800円から

 コストパフォーマンスのよさでZenFoneに魅力を感じていた人にとっては、少々手が出しづらい値段と言えるかもしれません。また、海外で販売されている同スペックのモデルと比べても、日本での価格設定高くなっているのは、ユーザーとして納得しづらいところがあります。もちろん、国内流通させるために必要な認証などのコストもありますが、「もう一声」と言いたいのも事実です。

 特に最近では、ファーウェイがハイエンドモデルの「honor 8」で楽天モバイルとタッグを組み、価格攻勢に出てきていることを考えると、3万9800円からという設定は割高に感じてしまいます。また、ミッドレンジの売れ筋はやはり3万円前後が多いため、もう少し廉価なモデルも必要になるでしょう。グローバルではZenFone 3 MaxやZenFone 3 Laserといった派生機もあるため、こうした端末の日本投入にも期待したいところです。

 とは言え、SIMフリースマホ市場では、やはりZenFoneのブランド力は健在。VoLTEへの対応など、日本向けにカスタマイズされている点も魅力で、今SIMフリースマホを買うなら、選択肢に入れておきたい1台であることも確か。デザインも上質になり、これまでZenFoneを敬遠していたユーザーからも、受け入られる可能性がありそうです。