Nexus 6などのスマホでおなじみのモトローラが、SIMフリー市場に本腰を入れ始めました。その実力を示すための機種として日本に投入されたのが、「Moto G4 Plus」です。このスマホはコスパに優れているだけでなく、ある“MVNO向き”の機能が搭載されています。その実力を、早速見ていきましょう。

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サクサク動くミッドハイの大画面モデル

 Moto G4 Plusは、いわゆるミッドレンジスマホの中の上位機種です。ハイエンド端末ほどのスペックは備えていませんが、チップセットにはSnapdragon 617を搭載しており、ディスプレイも5.5インチフルHDと、普段使いには十分です。実機を操作しても分かりますが、サクサク動いています。Snapdragon 400シリーズの機種より、一段上の操作感と言えるでしょう。

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ベンチマークのスコアも良好

 メモリとストレージのバリエーションは2パターンあり、上位モデルがメモリ3GB、ストレージ32GBなのに対し、廉価モデルがメモリ2GB、ストレージ16GBとなっています。廉価モデルの希望小売価格が3万2800円、上位モデルが3万5800円となっていますが、機能差を考えると、後者がお得な印象を受けます。

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メモリが2GBの機種は、ストレージが16GB

 また、前面には指紋センサーも搭載されています。この指紋センサーは指をスライドさせる必要なく、置くだけで認識されるタイプのもので、読み取り速度も高く、安定して利用できます。押しボタン式ではない点には、少々戸惑うこともあるかもしれませんが、慣れれば素早くロックを解除できます。指を置くだけで画面が点灯するのも、使い勝手がいいところです。

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本体前面に指紋センサーを搭載

 メインカメラは1600万画素で、レーザーオートフォーカスと位相差オートフォーカスの2つに対応。2つを使い分けることで、周囲の光量を問わず、素早いピント合わせが可能になっています。画質も良好。もちろん、カメラに優れたハイエンドモデルにはかないませんが、3万円クラスの端末として、十分な性能と言えるでしょう。

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背面のカメラは1600万画素でAFも速い

 ユーザーインターフェイス(UI)はNexusシリーズに近いものです。モトローラは「ピュアAndroid」を売りにしており、UIのカスタマイズを最小限に抑えています。ASUSのZenFoneシリーズや、ファーウェイのP9、P9 liteなど、売れ筋のSIMフリースマホはメーカーの独自色が強い印象ですが、それらとは異なり、すっきりしたUIになっています。この点は、シンプルで操作しやすいと感じる人もいる一方で、味気ないと思う人もいるかもしれません。

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素のAndroidに近いUIを採用

 ただ、カスタマイズを最小限に抑えた結果として、OSのアップデートが迅速に提供できるメリットもあります。モトローラも、Moto G4 Plusを次期Androidにアップデートすることを明言しているため、最新OSにこだわる人にはうってつけの端末に仕上がっています。

MVNOの使い勝手をさらによくする「DSDS」

 こうしたバランスの良さやコストパフォーマンスの高さは確かにMoto G4 Plusの強みと言えますが、それだけがすべてではありません。この機種でもっとも注目したいのは、むしろ、「DSDS」と呼ばれる通信機能にあります。

 DSDSとは、「デュアルSIM、デュアルスタンバイ」の頭文字から取った名称のこと。端末にはSIMカードスロットが2基搭載されています。ここまでなら、他のSIMフリースマホにもある仕様ですが、このMoto G4 Plusの場合、3GとLTEでの「デュアルスタンバイ」が可能になっています。

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2枚のSIMカードで同時に待受けできる

 デュアルスタンバイとは、日本語にすると、「同時待受け」を意味します。つまり、2つ挿したSIMカードで、待受けを同時に行えるのです。データ通信はどちらか一方しか有効になりませんが、2枚の音声対応SIMカードを挿した場合、そのどちらでも着信できるのです。

 たとえば、この機種に仕事用のSIMカードと、プライベート用のSIMカードを2枚挿しておけば、どちらに電話がかかってきても、着信することが可能。このようなケースでは、端末も2台必要でしたが、それを1台に集約できるというわけです。

データプランだけをMVNOにすることも

 片方がLTE、片方が3Gで、同時利用にも対応しているため、音声通話とデータ通信のSIMカードを、別々にすることも可能になりました。これは、A社のSIMカードは電話だけに、B社のSIMカードはデータ通信だけに使えるということです。この機能を活用すれば、節約にもなります。

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大手キャリアとMVNOを使い分けられる

 一般的にMVNOはデータ通信が大手キャリアより割安な一方、音声通話の料金はやや割高。30秒20円というレートが一般的で、中継電話などのアプリを使っても、半額になる程度です。最近では、IIJmioや楽天モバイルなど、時間制限ありの音声定額を始めるMVNOも増えていますが、大手キャリアのような完全定額を実現している会社はほとんどありません。

 このような状況でも、Moto G4 Plusがあれば、音声通話に大手キャリアのSIMを、データ通信にMVNOのSIMを使えます。大手キャリアとMVNOの“良いとこ取り”ができるというわけです。MVNOでデータSIMだけを追加で契約すれば良いため、大手キャリアからMNPをする必要もなし。手軽に格安なデータ通信を利用でき、MVNOデビューを考えている人にも最適です。

 

 コストパフォーマンスが高く、DSDSも魅力的なMoto G4 Plusですが、残念なのは、ドコモの3GのBand 6に対応していないこと。これは、いわゆる「FOMAプラスエリア」の周波数帯です。都市部で使う上では特に問題なく、筆者もきちんと使えていますが、ルーラルエリアや山間部などでは、電波の入りが悪くなる可能性があることは念頭に置いておきましょう。