毎月の決められた容量を超えると、速度に制限がかかり、Webの読み込みやアプリのダウンロードが遅くなります。これは、MVNOに限らず、大手キャリアでも一般的。制限を解除するには、1GBあたり1000円前後(単位や金額は会社によって異なる)の追加料金を支払わなければなりません。

 一方で、制限がかかっているからと言って、まったく使いものにならないというわけでもありません。制限後の速度は各社まちまちですが、軽いWebサイトの閲覧程度であれば、スムーズに読み込めます。また、MVNOの中には、「バースト転送」と呼ばれる仕組みを導入しているところもあります。

バースト転送とはどういう仕組み?

 バースト転送とは、データ通信が始まった瞬間だけ、速度を上げる仕組みのこと。これによって、Webサイトをパッと表示できます。ユーザーにとっては、速度制限がある状態でもWebサイトがスムーズに表示されるのがメリットです。
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 サービス提供側のMVNOにも、これをやる理由があります。速度が遅いまま、ずっと読み込みを続けられてしまうと、そのぶん、帯域が使いっぱなしの状態になってしまうのです。そうならないようにするためには、軽いサイトならすぐに読み込ませて、帯域を開放した方がいいというわけです。

バースト転送の効果をチェックしてみた

 では、このバースト転送の効果がどの程度あるのでしょう。実際に、あり/なし、2つのサービスで状況を比較してみました。なお今回は、バースト転送ありの例にDMM mobileを、バースト転送なしの例にワイモバイルの速度制限後の状態を用いています。

 まず、このSIM道場のサイトを、PC版にして表示してみました。PC版を開いているのは、より差が明確に出るからです。DMM mobileで高速通信をオフにした状態で読み込みが終わるまでの時間を計測したところ、16秒で表示されました。

 特徴的だったのが、最初にパッと全体が表示されてから、写真などをゆっくり読み込み始めたところ。バースト転送で、ある程度一気に全体をダウンロードして、その後速度が低下している様子がよく分かりました。サムネールやテキストなどは、2~3秒で表示されたため、これだけだと、速度制限中だとは気づかないかもしれません。

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 一方で、重たいファイルをダウンロードしてみたり、実際に速度を測ってみたりすると、速度がそれほど出ていないことが分かります。以下のように、速度測定サイトでは、200Kbpsをわずかに上回る程度でした。

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 ここで注目してほしいのが、この測定結果の時間による変化。画面上部を見ると、最初に一気に速度が出て、その後徐々に落ちていることが分かります。これが、バースト転送が効いている証拠なのです。

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 これに対し、バースト転送のないワイモバイルで同じようにSIM道場のPC版を開いてみたところ、残念ながら、10分経っても、ページの読み込みが終わりませんでした。以下のスクリーンショットのように、画像の表示が途中で止まったままになり、先に進みません。

 速度を測ってみたところ、100Kbps弱は出ていましたが、DMM mobileとの体感での差はもっとあったというのが、正直な感想です。

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使い方によっては速度制限後もストレスなし

 このように、バースト転送のありなしで、快適さは大きく変わってきます。スマホの用途は人によってさまざまなため、一概には言えませんが、外出時にはWebサイトをチェックし、重たいデータのダウンロードは家のWi-Fiを使うというのであれば、速度制限がかかっていても大きな問題はないかもしれません。

 逆に、外出先でもアプリをダウンロードしたり、動画を見たりするのであれば、バースト転送があっても、効果は限定的。既定の容量を超えてしまったときは、あきらめて追加でチャージをした方が、ストレスなく過ごせるかもしれません。

 とは言え、少なくとも、速度制限中でもWebサイトを快適に見られるというのは、バースト転送の大きなメリット。実装されているにこしたことはありません。このような仕組みは、IIJmioが先駆け的に導入しました。今回テストで使ったDMM mobileも、IIJmioのネットワークを使うことで、バースト転送を実現しています。

 ほかにも、名称は異なるものの、「mineo」などが、同様の仕組みを導入しています。また、「OCNモバイルONE」も導入を発表済みです。使い方次第なところはありますが、データ容量を超えてしまいがちな人でも、これらのMVNOを選べば、ストレスなく過ごせるかもしれません。