3月23日で、iPhone 6s、6s Plusが発売されてから180日が経ちました。そのため、au、ソフトバンクでは、ついにこれら2機種のSIMロックの解除が可能になります。また、購入から6カ月後とauやソフトバンクと規定が異なるドコモでは、3月25日がその日に当たります。一部の例外を除き、3月23日もしくは25日から、iPhoneが初めて、SIMロックの解除に対応するわけです。改めて、その意義や方法などを解説していきます。

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特定のキャリアに縛るSIMロック

 そもそも、SIMロックとはどのようなものでしょうか。改めて解説しておくと、SIMロックとは、端末側にかける縛りのことで、SIMカード側にかけるものではありません。端末に、特定のSIMカードしか読み込まないようなロックのことを、SIMロックと呼びます。

 これによって、キャリアには一定のメリットが生まれます。自社で販売した端末が、自社のSIMカードしか読み込まなければ、ユーザーは、他社に移ろうとしたとき、新たに端末を買わなければなりません。そのため、他社に移るコストが上がり、そのまま同じキャリアにとどまる動機になります。つまり、キャリアにとって、SIMロックはユーザーを縛っておく道具になるというわけです。

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 それだけではユーザーにとってデメリットだけになってしまいますが、一方で、SIMロックがあると、その分ユーザーが流出しづらくなり、キャリアは事業の計画を立てやすくなります。ユーザーが長い期間とどまってくれるため、先を見通しやすくなると言えば、分かりやすいでしょう。それを還元するために、割引などをしやすくなると言われています。また、キャリアにとっては、自社のサービスに特化した端末が作りやすくなります。

 ただ、スマホ時代になり、メーカー製の端末をほぼそのまま販売することも増えてきました。iPhoneシリーズは、その代表格と言えるでしょう。また、割引も、料金プランに対してついているため、SIMロックの効果は限定的という見方もありました。ユーザーにとっては縛りが1つ増えることは、デメリットになります。こうした声を受け、総務省はSIMロックの解除を原則化しました。そのガイドラインが改正され、より拘束力が強くなったのが昨年5月のこと。これ以降発売される機種は、原則としてSIMロックの解除に対応しています。

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 とは言え、すぐにSIMロックを解除できるようになったわけではありません。端末の不正契約などがあることに鑑みて、キャリアには、一定の猶予期間が設けられています。冒頭で挙げた180日もしくは6カ月というのは、それに当たります。昨年5月以降に発売された機種でも、購入から約半年は、SIMロックが解除できないのです。iPhone 6s、6s Plusは、2015年9月25日発売。3月23日が発売翌日からのカウントで180日目、3月25日が6カ月目ということになります。

 

 なお、ドコモだけは例外が設けられており、過去にSIMロックを解除したことがあり、そこから半年経っているケースがそれに該当します。この場合、ユーザーは端末を買ってすぐに、SIMロックを解除できます。

 ドコモは、ガイドラインが改正される以前からSIMロック解除を徹底しており、海外渡航の多いユーザーなどに歓迎されていました。一方で、昨年5月1日以降に発売された機種には、6カ月後という縛りが生まれてしまったため、一部で不満も出ていました。SIMロック解除に例外があるのは、こうしたユーザーの声を反映させたからです。


Webから申し込むだけで費用は無料

 では、実際、SIMロック解除はどのように行えばいいのでしょうか。実は筆者も、ドコモの例外に該当していたため、iPhone 6s購入直後に、SIMロックを解除しています。そちらの模様も記事にしているため、気になる方はチェックしてみてください。

 結論を言うと、解除は非常にスムーズでした。ドコモの場合、料金プランなどを管理する「My docomo」にアクセスして、iPhoneのIMEI(端末製造番号)を入力。あとはボタンを押していくだけで、自動的にiPhone 6sのSIMロックが外れました。

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 Androidの場合は若干手順が異なり、他社のSIMカードを入れたあと、送られてきたコードを入力する必要がありますが、こちらも基本的にはWebだけで手続きが完結します。わざわざ混み合うショップに行く必要もないというわけです。

 しかも、Webで手続きすれば、料金は無料です。一例としてドコモを挙げて紹介しましたが、auやソフトバンクも基本は同じ。Webから手続きでき、料金も一切かかりません。SIMロックを外したからといって、特にマイナスになることもないので、購入から半年経ったら、とりあえずSIMロックを解除しておくことをオススメします。

 

iPhoneのSIMロックを解除するメリット

 中でもiPhoneは、SIMロックを解除したときのメリットが、Androidより大きくなります。その理由は、対応周波数にあります。日本のAndroidスマホは販売されるキャリアの周波数に合わせて開発されることが多く、SIMロックを外しても、他社のネットワークだとその性能をフルに生かすことができません。

 以下に掲載したauのサイトを見ると、それがよく分かります。ドコモの800MHz帯であるBand 19に対応している機種はiPhoneシリーズだけ。これだと、ドコモはもちろん、ドコモから回線を借りるMVNOで使おうと思ったとき、予想以上にエリアが狭くなってしまうことがあります。

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 一方で、iPhoneは、基本的に、アップルが販売するSIMフリーモデルとほぼ同じ仕様のものが、キャリアから販売されています。以下の表を見れば分かるとおり、iPhoneは非常に多彩な周波数に対応しており、1台で日本の3キャリアをすべてカバーしています。そのiPhoneをSIMロック解除すれば、ほぼSIMフリー版を買うのと同じことになるというわけです。

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 大きなメリットになりそうなのが、auやソフトバンクのユーザーが、ドコモやドコモ系のMVNOに移りやすくなること。逆に、ドコモユーザーがauやau系MVNOに移る際にも、SIMロックを解除できれば、今まで使っていた端末を使いまわせます。今後は、日本通信が宣言しているように、ソフトバンクのMVNOが登場する可能性もあります。そのようなとき、SIMロックを解除できれば、MNPもしやすくなります。2年かけ、端末代を支払ったあと、好きなキャリアで使うということが、今までよりも現実的になったとも言えるでしょう。