まだあまり数が多くないau系の格安SIMですが、その1社であるUQ mobileがインパクトのある料金プランを発表しました。無料通話やデータ通信がコミコミになった「ぴったりプラン」が、それです。合わせてSIMフリー端末が実質無料になる、「マンスリー割」の提供も開始しました。その詳細を、見ていきましょう。

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UQコミュニケーションズが運営するMVNOで、速度も安定

 UQ mobileは、元々、KDDIの子会社として発足したMVNOです。au系のMVNOが少なくない中、自らMVNOを立ち上げ、市場を拡大していこうとしたのがKDDIの狙いです。一方で、契約者数は大きく伸びず、体制を見直すことになりました。その結果、UQブランドでWiMAXを展開していたUQコミュニケーションズに、事業が譲渡されました。

 

 上のスクリーンショットを見ると分かるように、現状では、UQコミュニケーションズが、WiMAXとUQ mobileの2つを並行して運営しています。高速データ通信に特化して、自ら設備も持っているのがWiMAX。一方で、auの回線を借り、MVNOとしてサービスを展開するのがUQ mobileという位置づけです。UQコミュニケーションズは、auにWiMAX 2+をMNOとして貸しているため、MNOであり、MVNOであるという、少々珍しい立ち位置になっています。

 

 auの関連会社が運営するだけに、通信速度にも定評があります。実際、UQ mobileのSIMカードを挿したiPhone 6sで速度を測ってみましたが、MVNOのピークタイムである12時台を除けば、非常に高速であるという結果が出ました。以下は15時台に測った速度ですが、下りが43Mbps以上出ています。同時間帯にau回線で測った速度よりも速く、ほぼ同等の快適さでした(以下、画面左がUQ mobile、右がauです)。

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 また、以下のように、19時台でも、速度はしっかり維持していました。回線を貸し出しているauに迫っているどころか、15時台、19時台のどちらも速度は超えており、非常に優秀な結果と言えるでしょう。

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 残念ながら、ピークタイムは通信が集中するためか、速度は1Mbps台にまで落ちてしまいましたが、通信自体はきちんとでき、使い勝手はそこまで悪くありません。1Mbps以上出ていれば、SNSなどを見るには十分ですし、重たいアプリをダウンロードするようなことがなければ、ある程度快適に使えます。もちろん、この結果はユーザーの数や、UQ mobileが運用している総帯域によって日々変わるため、一概には言えませんが、MNOもやっているだけのことはあると感じました。

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無料通話がコミコミの「ぴったりプラン」

 そのUQ mobileが、新たに発表したのが「ぴったりプラン」です。料金は2980円。この中には、1GBの高速データ通信と、1200円分の無料通話が含まれています。2980円というと、ちょうどワイモバイルの「スマホプランS」と同額。通話の料金がワイモバイルは1回10分、月300回まで無料のため、UQ mobileのプランは少々見劣りすることも事実ですが、MVNOの中では、無料通話つきという点が珍しく、他社に比べて優位性があるところです。

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 1GBだとデータ容量が足りないという人もいるかもしれませんが、そういったときのために、「たっぷりオプション」というオプションも用意されています。これを利用すると、データ通信が3GBになり、無料通話も2400円ぶんに拡大します。3980円で、3GBのデータ通信と、最大60分までの通話が可能になるというわけです。

 

端末が「実質無料」になる「マンスリー割」も用意

 au系のMVNOは、使える端末が少ないのがネックです。auが3Gで採用しているCDMA 2000 1Xという方式に対応しているSIMフリー端末が、限られているためです。音声通話はVoLTEにも対応していますが、これを利用できるSIMフリー端末も、まだ多くありません。こうした事情もあり、UQ mobileでは、自ら端末を発売してきました。また、最近では、富士通の「arrows M02」がauのVoLTEにも対応しており、UQ mobileのネットワークでも利用できます。

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 ここで紹介したぴったりプランには、こうした端末を、より気軽に手に入れることができる仕組みもあります。それが、「マンスリー割」です。条件は、ぴったりプランと同時に、指定の機種を買うこと。現状では、UQ mobileが独自に調達したLGの「LG G3 Beat」、京セラの「KC-01」に加え、SIMフリーとして販売されているarrows M02にもマンスリー割が利用できます。

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 LG G3 Beatとarrows M02は1450円、KC-01は1250円が毎月割り引かれる仕組みで、割引は24回受けられます。LG G3 Beatとarrows M02は総額3万4800円、KC-01は総額2万9760円の割引になり、これらの端末をUQ mobileから購入すると、その実質価格は0円になります。マンスリー割はオンラインショップだけでなく、UQ mobileを扱う家電量販店でも申し込みができ、対象となる端末も拡大する予定です。

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 一般的に、MVNOでは、端末のセット販売も行われていますが、大手キャリアのような割引がありません。そのため、端末の本体価格が初期費用として、丸ごとかかってしまいます。これに対し、UQ mobileのマンスリー割は、24カ月という条件はあるものの、端末代が実質無料になります。気軽にMVNOを使い始めたいという人には、うってつけの仕組みと言えるでしょう。

 

 SIMフリー端末を新たに買う負担感でMVNOデビューに二の足を踏んでいた人も、検討してみる価値はあるかもしれません。ただし、ここで挙げた料金プランは、2年契約が前提になっている点には注意が必要です。その意味では、大手キャリアとMVNOの中間的な料金プランとも言えるでしょう。