「ZTE Blade Vec 4G」や、gooのスマホとして「g01(ぐーまるいち)」「g02(ぐーまるに)」「g03(ぐーまるさん)」をリリースしてきた中国メーカーのZTEが、新たなスマホを日本で発売することを明かしました。

 その新端末を紹介するとともに、ZTEとはどのような会社なのかという基本をおさらいしていきましょう。

 

「指紋」「声」「眼」で認証可能で、音声操作にも対応の「AXON mini」

 ZTEは中国・深センで発表会を開催し、日本での発売も予定している「AXON mini」を発表しました。

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 AXONは、ZTEのフラッグシップモデルで、グローバル展開を目指しています。元々は受託が多く、キャリアのブランドで発売されることが多かったZTEが、自社ブランドに本腰を入れ開発したのがAXONシリーズというわけです。

 すでに中国やアメリカではAXONを展開しているほか、グローバル向けとしては「AXON Elite」をIFAで発表しました。

 AXON miniは、その小型版という位置づけのスマホで、miniと銘打たれていますが、サイズは5.2インチ。一般的なメーカーの、フラッグシップモデル程度のディスプレイサイズになり、解像度もフルHDと充実しています。

 一方で、横幅は70mmに抑えており、4.7インチで幅67.1mmのiPhone 6sと比べても、そん色ない大きさになっています。ディスプレイの額縁をできるだけ削って、コンパクトさを実現したというわけです。

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 背面には指紋センサーが搭載されており、これによってロック解除などをスムーズに行えます。

 また、AXONシリーズはセキュリティも売りの1つで、指紋センサーのほかにも、音声や眼を認証することもできます。キャリアの冬春モデルでは、生体認証の強化がテーマとして掲げられていましたが、ZTEの端末も、こうしたトレンドをしっかり踏まえて開発されています。

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 背面を見ると、もう1つ、この端末ならではの部分に目がいくのではないでしょうか。

 それが、カメラです。

 AXON miniは、1300万画素のカメラを搭載しており、画質も上々。露出や絞りを手動で設定できる、プロモードに対応しており、本格的な撮影を楽しめます。

 また、オートフォーカスは位相差センサーになっています。これは、大手キャリアから発表された冬春モデルでも採用されていた方式で、一眼レフカメラでは一般的な機能。セパレーターと呼ばれるパーツで映像を2つに分け、その差分を見てピントを合わせるしくみで、スマホやコンデジで普及しているコントラストオートフォーカスより、ピントを合わせるスピードが速くなります。

 実際、AXON miniでは、わずか0.1秒でピントを合わせることが可能になっており、その性能の高さがうかがえます。
【初出時、デュアルカメラに対応している旨を記載していましたが、誤りであることが分かりました。該当部分を、お詫びして訂正いたします】

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「3Dタッチ」対応の上位版も用意

 日本で発売されるかどうかは未定ですが、AXON miniには、「3Dタッチ」対応の上位版も用意されています。

 3Dタッチとは、iPhone 6s、6s Plusに採用された機能で、従来の静電容量方式に加えて、感圧方式を採用したタッチパネルのこと。ユーザー側からの視点で見ると、タッチやフリックだけでなく、押し込む操作が可能になります。

 AXON miniでは、iPhone 6s、6s Plusと同様、アイコンを強く推すとメニューが表示されるほか、PINコード設定時に押し込んだ強さを記録したり、ゲームの操作に応用したりといったことが可能になります。

 グイっとディスプレイを押し込むと、フィードバックもしっかり返ってくるため、操作した感覚がしっかり伝わってきます。

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 1.5GHz駆動のSnapdragon 616を搭載し、メモリ(RAM)は3GBと、ミッドレンジよりも高いスペックを持ち、限りなくハイエンド寄りの端末と言えそうです。

 充実した機能を持つAXON miniですが、中国での価格は2299元。本稿執筆時の10月19日時点のレートでは、日本円換算で4万3000円強となっています。

 ただし、日本での価格は未定。MVNO向けのSIMフリースマホの売れ筋が3万円前後であることを考えると、機能が豊富とは言え、もうひと頑張りがほしいところ。ここについては、ZTEジャパンの発表を、期待しておきましょう。

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そもそもZTEってどういう会社?

 SIMフリーのスマホメーカーとして頭角を現しつつあるZTEですが、まだ日本での認知度はそこまで高くありません。読者の中にも、知らないという人はいるでしょう。

 一方で、日本には早くから参入しており、ソフトバンク向けの端末を開発してきた実績があります。スマホこそあまり出してきませんでしたが、最近ではソフトバンクからLTE対応のプロジェクター「モバイルシアター」が発表されるなど、変わり種の機種をラインナップしています。

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 元々、同社は中国の大手通信機器メーカー。基地局や交換機などのネットワーク機器を納入するメーカーで、日本ではソフトバンクのAXGPなどに採用されています。

 端末事業にも古くから参入していましたが、日本では2010年からWi-Fiルーターなどのデバイスを中心に、ビジネスを広げてきました。

 統計によっても異なりますが、同社のシェアは世界で5%前後。特に米国での伸びが著しく、トップ4のメーカーとして名を連ねています。

 そのZTEが、満を持して拡大していこうとしているのが、日本のSIMフリースマホ市場というわけです。

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 通信機器メーカーとして成長し、端末にも力を入れだしたメーカーとしては、中国のファーウェイが存在します。同社はブランディングを一新し、自社製品の開発に力を入れることで、欧州やアジアなどでシェアを急速に伸ばしています。ZTEも、ここに続こうとしているメーカーと言えるでしょう。

 元々が通信機器メーカーなだけに、技術力は十分。R&Dにも力を入れており、LTE関連では特許の保有件数も上位にきます。一方で、通信機器メーカーはユーザーから見ると裏方であるだけに、”地味”な存在であることも確か。ここから、どのように脱却していくのかが、同社の課題です。

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 日本では、コストパフォーマンスに優れたスマホを出すメーカーとして徐々に注目されてきているZTE。メーカーが群雄割拠になりつつある中、同社がどのように存在感を発揮していくのかは注目しておきたいところです。