速度を最大3Mbpsに絞って完全定額を実現したNTTぷららの「ぷららモバイルLTE」に、強力なライバルが出現しました。

 それが、U-NEXTが運営するU-mobileの「LTE使い放題プラン」です。ぷららと同様、容量制限がなく使い放題なのが特徴。その上で、速度に対する制限はいっさいつけられていません。

 料金はデータ通信専用SIMで2480円。音声通話付きのSIMカードを選択することもでき、その場合は2980円になります。

 ぷららの「定額無制限プラン」が2980円で、音声通話に対応していないことを考えると、料金的にはU-mobileの方が割安。その上で、速度に制限がないということなので、その実力が気になるところです。

 そこで、U-mobileのSIMカードを実際に使い、時間帯ごとの速度を調べてみました。

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実際にどの程度速度が出るのか、時間帯別に測定

午前中はかなり厳しい結果に

 U-mobileのSIMカードをNexus 5に挿し、早速速度を測ってみました。以前、ぷららで計測したときの結果を見れば分かるように、MVNOの通信速度は場所よりも時間帯の影響を大きく受けます。

 そのため、今回は場所を固定して、時間を変えて速度を計測してみました。

 比較のために、最大の通信速度を3Mbpsに絞ったぷららの「LTE使い放題プラン」とも、比較をしてあります。

 まず、通勤がひと段落した、朝10時台の結果を見てみましょう。速度測定アプリのサーバーの混雑などの影響を回避するために、今回は「Speedtest.net」「RBB TODAY SPEED TEST」「ドコモスピードテスト」という3つのアプリで速度を計測しています。平均も取っているので、参考にしてみてください。

 

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 10時台の結果は、以下のとおりです。

  U-mobile ぷらら
  下り 上り レイテンシー 下り 上り レイテンシー
Speedtest.net 0.16Mbps 0.31Mbps 60ms 2.55Mbps 3.49Mbps 46ms
RBB TODAY SPEED TEST 0.08Mbps 0.21Mbps 31ms 2.19Mbps 6.05Mbps 45ms
ドコモスピードテスト 0.17Mbps 0.34Mbps - 1.79Mbps 2.88Mbps -
平均 0.14Mbps 0.29Mbps 45.5ms 2.08Mbps 4.14Mbps 45.5ms

 

 残念ながら、結果はぷららに遠く及ばず、上りも下りもほとんど速度が出ていません。

 速度測定の数値は、快適さにも表れていました。このブログのトップサイトを、PC表示で開いてみたところ、ぷららでは10.08秒で表示されたのに対し、U-mobileは3分以上経ってもページの読み込みが終わりませんでした。結果として、タイムアウトになってしまい、以下のように画像が一部欠けてしまいました。

 

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 これだと、通信自体はギリギリできるものの、Webサイトの表示は困難です。

 ちなみに、ドコモ自体の基地局が混んでいない証拠に、MVNOではないドコモ回線の速度も以下に掲載しておきます。

  ドコモ
  下り 上り レイテンシー
Speedtest.net 35.53Mbps 3.10Mbps 60ms
RBB TODAY SPEED TEST 39.51Mbps 6.86Mbps 34ms
ドコモスピードテスト 38.85Mbps 5.12Mbps -
平均 38.0Mbps 5.03Mbps 47ms


 1.7GHz帯(Band 3)のLTEでつながっており、下りの最大速度は150Mbpsですが、かなりの速度が出ていることが分かります。つまり、電波が混み合っているために速度が出ていないわけではないということが、この結果から分かります。

 

お昼休みの時間帯は、速度がやや向上

 次に、同じ条件で12時台の速度を見ていきましょう。12時台は、会社員のユーザーがお昼休みに入り、通信を使う絶対量が多くなると言われています。

 MVNOによっては、通信量のピークが、この時間帯に来ていることもあるようです。

 事業者にとっては、厳しい時間帯の1つと言えるかもしれません。その12時台に測定した結果は、次のとおりです。

  U-mobile ぷらら
  下り 上り レイテンシー 下り 上り レイテンシー
Speedtest.net 0.56Mbps 3.22Mbps 241ms 2.34Mbps 3.13Mbps 55ms
RBB TODAY SPEED TEST 0.61Mbps 5.6Mbps 67ms 3.04Mbps 5.81Mbps 41ms
ドコモスピードテスト 0.03Mbps 3.1Mbps - 2.58Mbps 2.96Mbps -
平均 0.4Mbps 3.97Mbps 154ms 2.65Mbps 3.97Mbps 48ms

 

 10時台に測定した結果より、U-mobileの速度が上がっていることが分かります。その証拠に、Webページの読み込みもやや快適になりました。

 10時台に開こうとしたときはタイムアウトしてしまいましたが、12時台ではそのようなこともなく、本ブログのトップページは18.08秒で表示できました。

 対するぷららは、下りが2.65Mbpsと安定しています。以前、測定したときも同様でしたが、速度を絞っているぶん、時間帯による影響が小さいようにも思えます。こちらでも同様に本ブログのトップページを開いてみたところ、12.92秒で表示されました。

 

夕方に向けて徐々に速度が向上

 ここから夕方に向けて、徐々に速度の改善が見られました。

 次は、15時台に測定した結果を見てみましょう。

  U-mobile ぷらら
  下り 上り レイテンシー 上り 下り レイテンシー
Speedtest.net 3.6Mbps 6.08Mbps 40ms 1.9Mbps 3.52Mbps 56ms
RBB TODAY SPEED TEST 2.26Mbps 5.28Mbps 36ms 2.26Mbps 5.05Mbps 40ms
ドコモスピードテスト 4.87Mbps 10.04Mbps - 0.22Mbps 4.81Mbps -
平均 3.58Mbps 7.13Mbps 38ms 1.46Mbsp 4.46Mbsp 48ms

 

 この時間帯になって、U-mobileが初めてぷららを速度で上回りました。

 本ブログのトップページは、9.26秒で表示されています。対するぷららは、やや速度が落ち込んできていることが分かります。本ブログの表示時間は、16.74秒です。

 とは言え、まだ本家のドコモには遠く及びません。ドコモの速度は、15時台で以下のとおりです。
 

  ドコモ
  上り 下り レイテンシー
Speedtest.net 17.08Mbps 2.87Mbps 52ms
RBB TODAY SPEED TEST 30.04Mbps 13.59Mbps 32ms
ドコモスピードテスト 25.99Mbps 13.16Mbps -
平均 24.37Mbps 9.87Mbps 42ms

 

 この測定を行った12月1日には、U-mobileが帯域増強を行っています。12月1日の何時に増強されたのか、詳細は分かりませんが、それが結果に反映されたのかもしれません。

 

夕方から夜になっても、そこそこの速度をキープ

 17時台に入ると、徐々に速度が落ちてきました。とは言え、2Mbps程度はあり、Webも10秒程度待てば表示されます。ちなみに、ぷららの速度が15時台よりやや上がっており、再び結果が逆転しました。
 

U-mobile ぷらら
  下り 上り レイテンシー 下り 上り レイテンシー
Speedtest.net 1.7Mbps 3.83Mbps 54ms 2.64Mbps 2..65Mbps 58ms
RBB TODAY SPEED TEST 1.96Mbps 6.17Mbps 47ms 3.27Mbps 3.94Mbps 50ms
ドコモスピードテスト 1.81Mbps 5.64Mbps - 1.9Mbps 3.38Mbps -
平均 1.82Mbps 5.21Mbps 50.5ms 2.6Mbps 3.32Mbps 48ms

 

 次が19時台の結果になります。速度は、17時台よりやや速くなっています。一方で、この時間になると、ぷららの速度低下も表れ始めました。

  U-mobile ぷらら
  下り 上り レイテンシー 下り 上り レイテンシー
Speedtest.net 2.52Mbps 3.39Mbps 55ms 2.35Mbps 2.59Mbps 69ms
RBB TODAY SPEED TEST 2.15Mbps 5.68Mbps 42ms 2.01Mbps 4.88Mbps 31ms
ドコモスピードテスト 2.77Mbps 6.28Mbps - 0.82Mbps 3.27Mbps -
平均 2.48Mbps 5.12Mbps 48.5ms 1.72Mbps 3.58Mbps 50ms

 

 最後が、21時台の結果です。19時台より速度が落ちてしまいましたが、1Mbps以上はキープしています。逆に、この時間になるとぷららの落ち込みが大きく、1Mbpsを割っていることが分かります。

  U-mobile ぷらら
  下り 上り レイテンシー 下り 上り レイテンシー
Speedtest.net 1.17Mbps 3.86Mbps 49ms 1.15Mbps 3Mbps 53ms
RBB TODAY SPEED TEST 1.86Mbps 4.86Mbps 32ms 0.85Mbps 5.02Mbps 33ms
ドコモスピードテスト 1.19Mbps 5.91Mbps - 0.57Mbps 5.11Mbps -
平均 1.41Mbps 4.88Mbps 40.5ms 0.86Mbps 4.38Mbps 43ms

会社ごとに異なるスループット

ドコモから借りている帯域がボトルネックに

 午前中はかなり厳しい結果だったU-mobileですが、帯域が増強されたと思われるお昼すぎからは、徐々に快適になっていきました。夕方から夜間に関しては、ぷららと同等か、それ以上の時もあります。

 とは言え、大元の回線であるドコモとの差は大きく、「速度制限なし」と大々的にうたう割には、少々肩すかしの結果だったかもしれません。測定したデータを見る限り、そこそこの速度で、完全定額で使えるというのが実態でしょう。

 

 それでも、なぜここまで速度に開きが出てしまうのでしょう。大元の回線であるドコモとの差を、不思議に思う人もいるはずです。

 最大の理由は、MVNOがドコモから“帯域単位で”回線を借りているため。乱暴にまとめると、帯域をたくさん借りれば、それだけ多くのユーザーを詰め込んでも、速度を維持できることになります。逆に、帯域をそれほど借りず、ユーザーを詰め込みすぎ、かつそのユーザーが通信をヘビーに使えば、速度はどんどん低下していきます。

 つまり、ドコモから借りている帯域が、最大のボトルネックになっているということです。

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  U-mobileのケースで言えば、午前中はキャパシティを超えるほど多くのユーザーが通信をしていたため、速度がまったく出なかったと考えられます。

 一方で、速度の上下の揺れが小さなぷららは、帯域に対して適切なユーザー数を維持していると言えるかもしれません。

 確かに、各社とも「ベストエフォート」をうたっており、速度が出ないのは致し方ないところではありますが、午前中のようにブログのトップページが表示できないとなると、何らかの対策が必要になりそうです。

 各社とも、どのくらいの帯域を借りていて、そこに何人のユーザーを収容しているのかは非公開。スループットがどの程度出るかといったことは、実際に使っているユーザーの声を拾っていくしかないのが実情です。

U-mobileのメリットは?

速度的に見ると「高速」とはいいがたい部分がありますが、データ通信のみで2480円、音声通話つきで2980円の月額料金で使い放題になるのは魅力的。U-mobileには、通話料が半額になるアプリも用意されているので、この点もメリットと言えるでしょう。

 また、実店舗があり、MNPでメインの携帯電話の番号をすぐに移せるのも、ぷららにはない特徴と言えます。

 ネックは、やはりデータ通信速度の安定度。時間帯によっては、Webがかなり開きづらくなるので、その覚悟はしておいた方がいいでしょう。12月1日に帯域を増強しましたが、ユーザーが急増すればここからさらに速度が低下することは十分考えられます。

 とは言え、U-mobileも、定期的に帯域の増強はしているため、逆に速度や安定度がさらに上がる可能性もあります。

 その意味で、今後の動向を定期的にチェックしておきたいMVNOの1社と言えるでしょう。