格安SIMを提供するMVNOはもちろん、そのMVNOに回線を貸し出すキャリアも、今は毎月の通信量に一定の制限を設けています。「2GB」「5GB」「7GB」といったように、サービスごとにその容量はまちまちですが、何かしらの制限があるのが一般的。これを超えると、通信速度が大幅に絞られてしまいます。

 そのような状況の中、ついに「使い放題」を打ち出すMVNOが登場しました。

 それが、「ぷららモバイルLTE」です。同社の料金プランは月額2980円ですが、毎月使えるデータ量には、一切の制限がありません。つまり、「使い放題」というわけです。 

 ほかが容量に制限をかけている一方で、なぜぷららモバイルLTEは無制限のデータ通信ができるのでしょう。あまりにお得すぎて、怪しいと思う方もいるかもしれません。

 そのカラクリは、データ通信の速度に制限がかかっているため。速度に制限をかければ、おのずと時間辺りで使えるデータの量は減ることになります。「容量」ではなく、「速度」を絞ることで、この料金で使い放題を実現しているわけです。

 

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 ただし、制限がかかっているとは言え、速度は最大3Mbpsとなっています。3Mbpsあれば、少々重いWebサイトの閲覧はもちろん、動画やアプリのダウンロードもそれなりに快適なはず。制限のバランスを上手く取って使い放題にしたのが、ぷららモバイルLTEと言えるでしょう。

 

実際どのくらいの速度が出るのかを検証

本当に3Mbpsが出るのか? 時間帯別にチェック

 3Mbps出れば、Webをチェックしたり、動画を見たりするには十分です。とは言え、これはあくまでも理論値。通信の状況によっては、実際にここまでの速度が出ないことも十分考えられます。MVNOの場合は、ユーザー数をどれだけ見込んで帯域を買っているかも重要なポイント。ユーザーを詰め込みすぎて、速度が落ちてしまうといったこともあります。

 では、ぷららモバイルLTEは、うたい文句どおり、3Mbpsの速度が出るのでしょうか。通信が込み合うことが多い渋谷駅付近で、時間帯別の速度をチェックしました。

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朝から昼にかけては、ほぼ理論値どおりの速度

 まずは、朝9時台に速度を測ってみました。完全なピークは超えていますが、通勤と重なるため、速度が出にくい時間帯です。

 速度測定は、1回ごとに幅が出るため、すべて3回測定してその平均を求めています。また、アプリはAndroidの「Speedtest.net」を使用しました。

 朝9時台の速度は下の表のとおりです。

 

  下り 上り Ping
1回目 2.82Mbps 4Mbps 55ms
2回目 2.95Mbps 2.99Mbps 47ms
3回目 2.92Mbps 3.91Mbps 49ms
平均 2.90Mbps 3.63Mbps 50.3ms

 

 下りの平均値を見ても、ほぼうたい文句通りの速度が出ています。

 上りについては、3Mbps以上出ています。

 次に、会社勤めのユーザーが一斉に通信をして混雑しやすいといわれる、お昼の時間帯の速度を見てみましょう。測定したのは、お昼休みのど真ん中ともいえる、12時20分台です。

 朝と同様、3回の平均を取ってみました。

 

  下り 上り Ping
1回目 2.72Mbps 3.18Mbps 58ms
2回目 2.94Mbps 3.39Mbps 57ms
3回目 2.45Mbps 2.82Mbps 59ms
平均 2.70Mbps 3.13Mbps 58ms

 

 さすが朝よりは遅くなっていますが、その落ち方が非常に緩やか。平均すると0.2Mbpsほどしか変わっていません。

 実際使ってみると分かりますが、これなら体感的にはほぼ気づかないと断言できます。

 

夕方も速度は快調、一方夜は……

 では、一般的なサラリーマンが勤務を終え、帰途につき始める夕方から夜にかけてはどうでしょうか。

 下の結果は5時台に渋谷で測定したものですが、やはり速度は昼間に比べると若干ですが落ちていることが分かります。

 また、応答速度もわずかながら、遅くなっていることが分かります。

 

  下り 上り Ping
1回目 2.48Mbps 3.57Mbps 67ms
2回目 2.46Mbps 2.81Mbps 75ms
3回目 2.24Mbps 3.22Mbps 67ms
平均 2.39Mbps 3.20Mbps 70ms

 

 とは言え、もっとも速度が出ていた朝と比べても違いはわずか。応答速度が悪化しているため、Webの読み込みで一瞬だけ引っかかりを感じるかもしれませんが、あえて真剣に比較しようと思わなければ気づかない可能性の方が高いでしょう。

 最後に、夜の9時台に測定した結果を見てみましょう。

 

  下り 上り Ping
1回目 1.01Mbps 1.39Mbps 60ms
2回目 1.33Mbps 1.24Mbps 79ms
3回目 1.33Mbps 1.75Mbps 63ms
平均 1.22Mbps 1.46Mbps 67.3ms

 

 結果は、1日のうちで一番悪くなりました。回線を同時に使っているユーザーが、夜の時間帯ほど多いのかもしれません。

 ここまで速度が低下すると、体感にも差が出てきます。

 ただし、Webなどをまったく読み込まないというわけではありません。SNS程度の情報量なら特に問題はありませんし、Webも昼間より少し遅いと感じるぐらいです。ただし、動画や大きいなデータのダウンロードは厳しくなってくるかもしれません。

 

住宅街でもほぼ変わらない結果に、ただし3Gに落ちると速度も低下する

 人が密集する渋谷の駅近くでここまで速度が出ていたので、あえて測る必要はないかもしれませんが、念のため渋谷から数駅離れた住宅街でも速度を測定してみました。

 

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 結果は以下のとおり。午後3時台でしたが、速度は十分出ています。

 

  下り 上り Ping
1回目 2.81Mbps 3.39Mbps 55ms
2回目 2.32Mbps 3.46Mbps 52ms
3回目 2.91Mbps 3.46Mbps 45ms
平均 2.68Mbps 3.44Mbps 50.7ms

 

 そんなぷららモバイルLTEでも、速度が低下することがありました。

 それは、LTEがつかめないときです。3G接続での速度は下りで0.8Mbps~1.39Mbps程度。通常のドコモ回線なら3Gでももう少し速度が出ることもあり、3Gでもある程度帯域が絞られていることがうかがえます。

 

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 LTEがつながらないと、極端に速度が低下するおそれがある点には注意しておきましょう。

 

どのくらいのスピードなのかをWebや動画で確認

Webなら通常の回線と違いが分からない

 数字で何Mbpsと言われても、どの程度速いのか、逆にどの程度遅いのか分かりづらいかもしれません。

 そこで、実利用で約3Mbpsがどのくらいのスピードなのかを、測定してみました。

 まず試したのはWebサイトの閲覧。このブログのPC版を3回読み込ませて、ページが完全に表示されるまでの時間を計測してみました。

 

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 結果は次のとおりです。

 

  時間(秒)
1回目 9.25
2回目 10.48
3回目 8.37
平均 9.37

 

 10秒経たないうちに、全体が表示されました。ちなみに、同じことをドコモの速度制限がないSIMカードでやった場合の速度は、次のようになります。

 

  時間(秒)
1回目 6.78
2回目 7.38
3回目 7.92
平均 7.36

 

 ちょうど2秒ほど、ドコモのSIMカードの方が速く表示されました。2秒の差をどう考えるかは感覚によって異なるため人によるとしか言えませんが、個人的には、さほど気にならない差です。ただし、本ブログは比較的サイトの作りも軽めです。大き目の画像を多用したページだと、もう少し差が出るかもしれません。

 次に、動画をチェックしてみました。まず、HDの動画を選択。標準では、サイズが自動的に調整されてしまうため、設定で動画のサイズを「HD」に変えてみました。

 すると、動画の読み込みが再生に追いつきません。結果として、ところどころで動画が止まってしまいました。

 設定を変更して、HDより一段低い720pに設定してみても、結果は同じ。途中で止まる頻度は下がりましたが、それでもやはり再生が追い付きません。

 

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 その1つ下の480pにしたところ、スムーズに最後まで途切れることなく動画を楽しめました。3Mbpsという速度だと、あまり高解像度な動画は厳しいかもしれません。一方で、スマホで見るぶんには480pでも十分キレイ。ディテールは粗くなってしまいますが、内容は十分つかむことができます。

 

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 容量を気にせず使えて、心理的な負担が少ないぷららSIM LTE。一方で、速度的には3Mbpsに絞られているため、ある程度あきらめなければいけないこともあります。とは言え、多少画質を落とせば動画も十分楽しめる速度。大容量のアプリなどをダウンロードしたりしなければ、十分快適に使えます。 申し込みが殺到して、到着までに時間がかかっているのもうなずける結果になりました。

 ただし、夜のような込み合う時間帯には少しだけ注意が必要です。テストでは1Mbpsを下回ることは1回もありませんでしたが、それでも体感速度は昼間より落ちます。利用可能なところでは極力Wi-Fiに接続するようにするのが、ストレスなく使うためのコツと言えるのかもしれません。